【2021年ECトレンド予測②】石田麻琴さん、川連一豊さん、北山浩さん、小橋重信さん、逸見光次郎さんが見るEC業界
EC業界の有識者14人に、2020年の振り返りと合わせて2021年のECトレンドを予測してもらう企画の2回目は、ECマーケティング人財育成の石田麻琴さん、ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)の川連一豊さん、エースの北山浩さん、リンクスの小橋重信さん、オムニチャネルコンサルタントの逸見光次郎さんです。(紹介は50音順)
ECマーケティング人財育成 石田麻琴さん
2020年の印象的なECトピックス
コロナ禍によるEコマースのニーズ拡大。弊社のクライアントにおいても4月から6月にかけてアクセスが1.5倍~2.5倍、売り上げも前年同期比1.2倍~2.0倍になるなど、不謹慎ではあるが一時的にバブルのような状態になった。
2021年、EC業界に期待すること&トレンド予測
多くの企業において、Eコマースを事業計画に組込まざるを得ない状況になると思う。いままで「売り上げが伸びればラッキー」「みんながやっているから」などの理由でEコマースに取り組んでいた会社さんも、事業計画を組んで本格的に取り組む年になるのでは。
2021年のEC業界の予想を漢字で表すなら?
企業としてEコマースに本格的に取り「組」む年になる。そして企業がEコマースのために「組」織を変化させる年になるというイメージから。
JECCICA 川連一豊さん
2020年の印象的なECトピックス
不謹慎ですが……コロナバブル。
2021年、EC業界に期待すること&トレンド予測
EC化率がぐーんと伸びる。
2021年のEC業界の予想を漢字で表すなら?
極端に成長する可能性が高いため。
エース 北山浩さん
2020年の印象的なECトピックス
ヤプリさん、いつも.さんをはじめ、EC支援会社さんが数社上場したこと。
理由:今までなかなかなかったし、大手企業の関連会社中心だったと思う。コロナ禍で暗いニュースが多い中、EC業界にとっては非常に喜ばしい出来事だったのではないだろうか?
2021年、EC業界に期待すること&トレンド予測
期待する事:慢性的な人材orリソース不足が解消されることに期待。そして属人化しないでほしい。
変化:手を加えられる企業はさらに飛躍=格差が広がるのではと見ている。投資ができる会社はさらに加速して総取を狙ってくるのではと思う。そして、動画コンテンツマーケティングが今まで以上に広がっていくと考えている。
2021年のEC業界の予想を漢字で表すなら?
デジタルトランスフォーメーション(DX)に会社全体で取り組んでいる企業ほど前に進み、足踏みしている老舗企業ほど遅れていく。
リンクス 小橋重信さん
2020年の印象的なECトピックス
COVID-19による店舗閉鎖とECシフト急増。
2021年、EC業界に期待すること&トレンド予測
共創の実現……シェアリング含め、企業間連携の推進。
2021年のEC業界の予想を漢字で表すなら?
お互いに協力して、この難局を乗り切ることが必要。
CaTラボ 逸見光次郎さん
2020年の印象的なECトピックス
BASEやShopifyなどのプラットフォームの急成長。GMOメイクショップやフューチャーショップなども伸びているが、初期従量課金型で出店料がない形のプラットフォームがより利用者を増やしている。ということは、「Yahoo!ショッピング」が料金体系を大きく下げて一気に出店者が増えたように、さまざまなビジネス/事業規模の事業者がECに参入したということになる。
Shopifyは米国と同様、API経由での接続サービス(出品、マーケ、物流など)を拡大していくことができれば、中堅大手ECプラットフォーマーとの差異が無くなったり、よりきめ細やかな仕組みができあがったりする可能性がある。
日本の小売業は自社IT部門が弱く、ベンダー任せとなっている。この構造は一気には変わらない。そうした中で、きめ細やかで出店しやすいECプラットフォーマーが増え、競争が増えることは、日本の小売業のEC化において大きなプラスになるかもしれない。
2021年、EC業界に期待すること&トレンド予測
コロナ禍、とにかくEC展開した事業者が、納期などのクレームを経験しながら2021年はサービスレベルを上げる取り組みができるようになるのか、それとも止めてしまうのか。そして店舗と連携したオムニチャネル化が進むのかどうか。
2021年のEC業界の予想を漢字で表すなら?
国内小売市場は人口減に伴い成長する事は難しい中で、よりEC化率が高まる流れが加速すると考える。
2021年を予想する一文字は書道家の沖 亜希子(雅号:沖才竹)氏が揮毫(きごう)しました。