楽天と日本郵便が合弁会社「JP楽天ロジスティクス」を新設、めざすはオープンな物流プラットフォームの構築
JP楽天ロジスティクスがめざすのはオープンなプラットフォームの構築。将来的に他のEC事業者や物流事業者にもプラットフォームへの参加を促進していく
楽天グループと日本郵便は、物流拠点や配送システム、受取サービスの構築、楽天フルフィルメントセンターやゆうパックなどの利用拡大に向けた取り組みを共同で進める。
この事業を推進するのが2社出資の合弁会社「JP楽天ロジスティクス株式会社」。まず、楽天グループが新設する完全子会社「JP楽天ロジスティクス合同会社」に、物流事業に関る権利義務を簡易吸収分割の形式で承継。7月1日に楽天、日本郵便が「JP楽天ロジスティクス合同会社」に出資し、翌日に「JP楽天ロジスティクス株式会社」へ商号変更する。
資本金は出資後で1億円。所有持分は楽天が49.9%、日本郵便が50.1%。分割する物流事業部門の売上高は2020年12月期で169億2400万円。
楽天グループが投資・開発してきた省人化・自動化した物流センターを、日本郵便の配送ネットワークに組み入れ、合弁会社を通して共同運用。物流DXを実現し、「顧客UXの改善」「リードタイム短縮」「物流効率化」「キャパシティ最大化」などをめざす。
合弁事業の開始当初は、「楽天市場」を中心とする楽天グループ提供のECサービスの荷物を中心に取り扱う。将来的には他のEC事業者や物流事業者にもプラットフォームへの参加を促進し、オープンなプラットフォームの構築をめざす。
また、ドローンやUGV(自動走行ロボット)を用いた次世代配送についても共同で取り組んでいく。
楽天と日本郵政は2021年3月12日、資本業務提携を締結。日本郵政が楽天に約1500億円を出資するとともに、物流や金融、EC、モバイルなど幅広い領域で協業すると発表していた。4月28日までに両社グループが合意しました業務提携の内容は以下の通り。
物流
- 共同の物流拠点の構築
- 共同の配送システム、受取サービスの構築
- 楽天フルフィルメントセンターの利用拡大、日本郵便のゆうパックなどの利用拡大に向けた、日本郵便・楽天両社の協力・取り組み
- 日本郵便・楽天の両社が出資する新会社設立、物流DXプラットフォームの共同事業化(2021年7月頃)
モバイル
- 郵便局内のイベントスペースを活用した楽天モバイルの申し込みなどカウンターの設置
- 日本郵便の配達網や郵便局ネットワークを活用したマーケティング施策の実施
- 全国的に実施するための実証実験(郵便局10局程度、2021年5月頃をめどに順次開始)
DX
- 日本郵政グループのDX推進のための日本郵政グループと楽天グループの間の人材交流に関する協議・検討
- 楽天グループによる日本郵政グループのDX推進への協力
金融
- 楽天カード(ゆうちょ銀行デザイン)の取扱いの開始(2021年内)に向けた準備
- 楽天カード(ゆうちょ銀行デザイン)の状況を踏まえた、楽天カードの基盤を活用したゆうちょ銀行を発行主体とするクレジットカードに関する協議・検討
- その他のキャッシュレスペイメント分野等での協業に関する協議・検討
- 保険分野での協業に関する協議・検討
EC
- 楽天が運営するサイト内での日本郵便が取り扱う商品の販売に関する協議・検討
- 郵便局内での楽天市場の販売商品の注文申込みの受け付けに関する協議・検討
これは広告です