日本政策金融公庫が、HP上で無料で公開している料理やドリンクの写真の撮り方がSNSで話題となりました。これはアンケートの結果を参考に、プロの写真家の監修のもと作成されたものです。
一眼レフのような機材がなくてもスマホでいい写真を撮る方法が解説されており、飲食店だけでなく一般ユーザーの中でも「"飯テロ"写真が撮れる」と話題になったようです。
本記事では、日本政策金融公庫のマニュアルを参考に、「売上につながる」写真の撮り方について解説します。
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- 参照:日本政策金融公庫「写真の撮り方ガイド 飲食店編」
「売上を伸ばす」写真の撮り方を日本政策金融公庫が解説
日本政策金融公庫は、今年の6月に飲食店向けに写真の撮り方を解説したマニュアルを公開しました。
男女1030人に写真についてのさまざまなアンケートを取り、そのデータをもとにプロのカメラマンが監修し、素人でもスマホのカメラでできる写真撮影の方法について解説されているものです。
以下では、紹介されている方法のうち、特に重要だと思われる3つの方法をピックアップして紹介します。
1. おいしそうな写真は「半逆光」「斜め45度」で撮る
先述のアンケートで「逆行」「半逆光」「サイド光」「順光」のうち、どの方向から撮った料理の写真が一番おいしいか調査したところ、「半逆光」が66%で1位でした。
多くの写真が「順光」つまりスマートフォン側から差し込む光を取り込んで撮られていますが、「順光」から撮られた写真がおいしそうと答えた人は、6%で最下位でした。
料理の写真は「半逆光」つまり後方斜め45度から光が差し込んでいる状態で撮るのが最もよいのだそうです。
「半逆光」は
- 部屋の電気を消す(光の方向をはっきりさせるため)
- 光の方向を制御する(光の方向が後ろ斜め45度になるようにする)
- レフ板で手前の影を薄くする
という3つの手順で再現することができます。レフ版とは、光を反射させる機材のことで、2つ折りにした紙でも代用可能です。
さらに写真を「斜め45度」から撮ると、「おいしそう」な写真を撮ることができます。「斜め45度」「真上」「横」から撮った写真を比べると、54%の人が「斜め45度」から撮影した写真が最もおいしそうと回答しました。
ビールやワインなどのドリンクの場合は、逆光か反逆光で撮ると、背景が暗くなり高級感のある写真になります。
2. SNSには「アップ」で撮った写真が最適
通常、メニューの写真では、構図のきれいさが優先されます。しかしSNS、特に多くの写真が並ぶInstagramなどで自店舗の料理に魅力を感じてもらうためには、アップで撮ったインパクトのある写真が必要です。ズームで撮ったインパクトのある写真が最適でしょう。
またメニューの商品を際立たせたい場合、テーブルの色と食器の色にコントラストをもたせることも重要になってきます。
目的に応じて、写真の撮り方を変えることが大切です。
3. 「食事シーン」をイメージさせる写真で注文に誘導する
「食べたい」「お店に行きたい」と思ってもらうためには、写真でお客さんに「食事シーン」をイメージさせることが重要です。
ひとつのメニュー単体の写真だけでなく、「食事+ドリンク」や「食事+スープ」のように、できるだけ実際の食事シーンを想起させます。
実際に、先述の調査ではメインの食事だけでなく、箸や飲み物、つけ合わせの品などと一緒に撮った写真の方が、「おいしそう」「店に行ってみたい」と思わせることができるという結果になりました。
目的に応じた写真で集客力アップへ
写真を撮る際は、上記のような基本的な「撮り方」を知ることが大切です。それに加えて、その写真でどのようなことを伝えたいのかを意識することも重要です。
SNSで「店舗に行きたい」と思わせるのか、メニュー表で「このメニューも食べたい」と思わせるのか。
どのような狙いで写真を撮るのかを考え、状況と目的に応じた撮影方法をすることで、売上アップにつながるでしょう。