円安は「経営にマイナス」が約4割。流通・小売業の多くで「マイナス」の声
日米の金利差から円売りドル買いが進み、円安解消の見通しが立っていない。原材料などの仕入を輸入に依存する業種を中心に円安が経営に影響を与えそうだ
円相場が一時、1ドル=129円台まで値下がりした4月20日の外国為替市場。東京商工リサーチによると、上場主要メーカーの2022年3月期における期初想定為替レートは最安値が1ドル=110円(平均1ドル=105.5円)。円安基調がこのまま続くと、原価高騰など企業経営に影響が出てくる。
東京商工リサーチが実施したアンケート調査によると、約4割の企業は円安が自社の経営に「マイナス」と回答。1ドル=113円台で推移していた2021年12月調査では「不利(マイナス)」と回答した企業の割合は29.2%で、急激な円安進行により4か月で10ポイント以上悪化した。
業種別では、「繊維・衣服等卸売業」(77.5%)、「食品製造業」(71.0%)、「家具・装備品製造業」(70.8%)の3業種で「マイナス」と回答した企業が7割を突破している。
一方、円の価値が相対的に下がる円安が海外からのインバウンド客に有利に働く宿泊関連、輸出関連の製造業などで「プラス」と回答する企業が多かった。
望ましい円相場について聞いたところ、最多レンジは「110円以上115円未満」の42.5%(2511社中1069社)。
日米の金利差によって円売りドル買いが進んでおり、円安解消の見通しは立っていない。D2C、通販・EC、小売り企業の多くで、円安がコスト高を招く可能性がある。
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