安藤 祐輔 6/28 10:00

コロナ禍の影響もあり、ECにおけるギフト市場は大幅な成長を続けています。そんな環境下で、「ギフト」の範囲は拡大中。日本の伝統的なお歳暮・お中元からLINEで送れるスタバカードまで、売る側の販売活動、受け取る側のニーズともに多様化しています。

今回は、これまでのギフトの捉え方から昨今のトレンドまで、ギフト市場の可能性について解説していきます。以下のような課題などを抱えている事業者はぜひ記事をチェックしてください。

  • ギフト商材を始めようか迷っているEC事業者
  • すでにギフト向け商材を扱っているEC事業者
  • ECサイト構築においてギフト設定を検討している構築会社

EC普及前は「イベント起点でギフトを贈る」が当たり前

ECが現在ほど普及していない頃、「誰かにギフトを贈りたい!」と思う機会、実際にプレゼントを贈る機会は今より格段に少なかったのではないでしょうか?

街を歩いていて気に入った商品があっても、「これを〇〇さんに贈りたい」と咄嗟に思うことは、今も昔も滅多にありません。皆さんは誰かにプレゼントを贈るとき、何がきっかけになることが多いでしょうか?

誰かに贈り物をするとき、おそらく多くの方は「いい商品があるから〇〇さんに贈ろう」ではなく、「母の日だからお母さんにこの商品を贈ろう」「〇〇さんの誕生日だからこの商品をプレゼントしよう」といったように、イベント起点の思考回路になる方がほとんどでしょう。

イベント用のギフトは百貨店でそろえたり、またはカタログギフトなどを贈ったりするケースが多かったのではないでしょうか

1997年に高島屋が日本初のネットショッピングの本格的百貨店「タカシマヤ バーチャルモール」をオープン。その後、伊勢丹(当時、現在は三越伊勢丹)や阪急阪神百貨店などの百貨店、シャディなどカタログギフトを扱う企業がギフト専門のECを立ち上げました。

ギフト専門ECは実店舗や数種類の商品しか扱わないECよりもはるかに多くの種類のギフトが並んでいます。贈る相手や目的によって納得するまで選ぶことができるため、母の日のプレゼントや誕生日プレゼントをECで買いたいユーザーは、まずギフト専門ストアを訪問することが増えていったのです。

こうした流れを受け、現在のギフト専門ECは、大きく2種類にわけられるようになりました。

1つ目が、お中元やお歳暮など日本独自の伝統的なギフトを扱う「高島屋のギフト」「Keio NET SHOPPING」などです。百貨店やカタログギフトを扱う会社など、オフラインで実店舗を運営している企業が運営していることが多いです。

2つ目が誕生日プレゼントなどカジュアルなギフトを扱う「TANP」「Giftmall」などです。実店舗は持たず、EC専業で運営している会社が多いです。

前者のようなギフト専門ECの勃興により、次々と後者のようなECネイティブのギフトショップが出てきたのです。

ソーシャルギフトの登場で「カジュアルなギフト」が実現

2010年頃から普及し始めたのが「ソーシャルギフト」。最近は「Eギフト」とも呼ばれています。ソーシャルギフトとは、住所や実名が分からない相手にもギフトを贈ることができるサービスを意味します。

お歳暮やお中元などの日本の伝統的なギフトのように、「これまで関係性のある人に百貨店で買った商品にのしをつけて、住所に送る」といった堅苦しいものではなく、「住所は分からないけれど仲のいい友達に誕生日プレゼントを贈る」といったよりカジュアルなギフトが実現できるようになってきました

ただ、カジュアルにギフトを贈り合えるようになったからとはいえ、いきなり物を贈ることには抵抗がある人がほとんど。そこで流行ったのが、スターバックスで飲み物や食べ物を買うことができるスタバカードなどの「ギフトカード」です。

特にLINE経由で気軽にギフトが贈れるLINEギフトの存在はソーシャルギフトをさらに発展させたと言えるでしょう。

たとえば待ち合わせに遅刻してしまった時のお詫びや、仕事が忙しい友人への励まし、相談に乗ってくれた先輩へのお礼など、LINEギフトを使うことでさらにカジュアルにギフトを贈れるようになりました。

その裏付けとして、LINEギフトの2021年の総流通額はなんと前年比330%増と急伸、累計ユーザー数が2000万人を突破したと発表しました。

LINEギフトの利用者推移
LINEギフトの利用者推移(出典:LINEのプレスリリース

もちろんコロナもギフト市場に大きな影響を与えています。そもそもコロナによりギフトショップのEC化率が大きく上がり、さらにECで扱われる商材も一気に増えました。

これまでのようなカジュアルなギフトがギフトカードだけではなく、たとえばチョコレートやハンカチ、入浴剤など500円から2000円くらいの間でサッと送れるソーシャルギフトに対応している商品が多く出たことで、ギフトとして贈る商品の幅が広がっているのです。

ソーシャルギフト大手5社の業績推移
ソーシャルギフト大手5社の業績推移(出典:帝国データバンクのプレスリリース

実際に下記のような調査結果もあります。

ギフトモールが実施した全国20代~50代の男女・合計2400人を対象とした調査によると、「ギフト専門以外のECサイトでギフトを購入した」という割合は、2019年8月~2020年7月の38.5%から2020年8月~2021年8月は46.6%へと、着実に増加しています。

ギフトを購入した場所について
ギフトを購入した場所について(出典:ギフトモールのプレスリリース

ソーシャルギフト市場は2025年度には4057億円に。EC事業者はまずはソーシャルギフトを活用しよう

ECの発展、さらにはコロナの影響によりますますカジュアルな存在になりつつある「ギフト」。

特にソーシャルギフトはLINEギフトだけでなく、さまざまなサービスが登場しています。たとえば、カジュアルギフトサービスの「giftee」や法人向けデジタルギフトサービス「デジコ」などのソーシャルギフト専門サイト。

また自社ECでもEギフトができるシステムとしては、ギフトECサイト構築のためのクラウド型ASP「aiship gift」、Shopifyアプリ「All in gift」などが登場しています。

コロナ禍をきっかけにカジュアルギフトの市場は急成長を遂げています。2020年度のeギフト市場は2075億円、2025年度には4057億円まで拡大するという予測もあります。

ギフト・eギフト市場の推移
ギフト・eギフト市場の推移(出典:矢野経済研究所のプレスリリース

以前の生活スタイルが少しずつ取り戻されてはいますが、「SNSでサッと誰かにギフトを贈る」という行動は今後も広がり続けることでしょう。

システム側の整備は今後、私が代表を務めるハックルベリーなどさまざまなベンダーが整えていくことでしょう。EC事業者の皆さまにはまず、ギフトECに強いシステムを活用してカジュアルギフトを消費者に提供し、一緒にギフト市場を盛り上げていきましょう!

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