2022年のビューティーとファッションをけん引した企業&企画とは? アイスタイルと「WWDJAPAN」発行企業が選出!
アイスタイルと「WWDJAPAN」運営するINFASパブリケーションズは、2022年のビューティーとファッションを最もリードした企業・プロジェクトを表彰する「Japan Beauty and Fashion Tech Awards 2022」を共催し、大賞・準大賞・特別賞を発表した。
「Beauty Tech 大賞」にはファーメンステーションの「アップサイクル×発酵でつくる機能性サステナブル原料」、「Fashion Tech 大賞」にはフルカイテンの「在庫を利益に変えるクラウドシステム『FULL KAITEN』」を選出した。
アワードには64件の応募があったという。審査は各方面で活躍する5人の審査委員によって「革新性」「事業性」「技術性」「社会性」の審査評価基準に沿って実施。大賞を含む各賞の受賞者の発表を授賞式で行った。
「Beauty Tech 大賞」はサステナブル原料。循環型社会の実現が高評価
Beauty Tech 大賞
ファーメンステーション「アップサイクル×発酵でつくる機能性サステナブル原料」
独自の発酵技術により、休耕田米やジュースや食品への加工で発生する残さといった未利用資源を活用してプレミアムエタノールや発酵エキスを製造している。
審査ポイント 化粧品や除菌ティッシュなどの生活用品への活用とともに、その製造過程で出る残さが家畜の飼料になるなど循環型社会を実現した。 化粧品原料メーカー、OEM企業としてオーガニックコスメの発展に貢献し、B Corp(Bコープ。環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証制度)取得で世界市場も視野に入っている。 |
Beauty Tech 準大賞
コーセー「『COLOR MACHINE』超高速プロジェクションマッピングで実現する複合現実メイク」
プロジェクションマッピングを活用し、表情の細かな動きや顔の動きにぴったりとメイク画像を追従して投影できる。
審査ポイント プロジェクションマッピングそのものは決して新しい技術ではないが、表情や顔の動きにメイク画像を投影できる新技術を評価。 顧客満足度向上のみならずリアル店舗における美容部員とのコミュニケーションのサポートツールとして今後多店舗展開が期待できる。エンターテインメント業界やファッション業界など他業界への展開の可能性も期待が持てる。 |
「Fashion Tech 大賞」は満足度向上と環境配慮を両立するクラウドシステム
Fashion Tech大賞
フルカイテン「在庫を利益に変えるクラウドシステム『FULL KAITEN』」
欠品による機会損失を減らし、過剰在庫と廃棄を抑制することで、消費者、企業と働く人々それぞれの満足度の向上、そして環境への配慮も含めたサービス。
審査ポイント アナログ管理が多く課題であったアパレル業界の在庫管理・分析を同社開発の基幹SaaSによって、最適化する仕組みをつくりあげた。他業種にも応用可能で事業的なスケールも今後期待される。 |
Fashion Tech準大賞
こたつ「社会貢献型アパレルブランド『SHIFT 80』」
新興国の女性支援、貧困解決、フェアトレードといった視点を持ち、ケニアで設立したアパレルブランド。
審査ポイント 株式会社としてサステナブルに(継続的に)事業を行うため、分配可能な利益剰余金の80%を現地のステークホルダーに還元していくとする社会課題解決型の株式会社をめざしていることなどが評価された。 |
特別賞
特別賞には2つの企業のプロジェクトをそれぞれ選出した。
Retocos(リトコス)
未利用資源の化粧品原料化
佐賀県唐津市沖の8つの離島に特化した、同地で栽培した植物や未利用資源を化粧品原料化し活用する取り組んでいる。
化粧品原料として離島の良質な農産物を生かし、ワークショップでクラフトコスメ体験を実施するなど、体験ツーリズムを通じてそのストーリーを拡散し、離島でのビジネスを活性化させる試み。
審査ポイント 障がい者の雇用での経済自立支援なども含め、濃い「関係人口」を増やして化粧品ビジネスにつなげていく社会性の高い事業として今後のポテンシャルを評価した。 |
nanoni(ナノニ)
「女性活躍推進クラウド『carefull』」
フェムテック関連、女性支援関連の福利厚生を総合的にサポートするスタートアップ。企業が抱える課題を掘り下げ、組織における意識改革や制度導入だけでなく、悩める女性たちのためのプラットフォームも構築。
審査ポイント こうした取り組みのスタートアップは日本で数が少ない。企業・従業員双方からのアプローチで女性が抱える課題の解決に取り組む姿勢を評価した。 |
「Japan Beauty and Fashion Tech Awards 2022」審査委員
- 梅澤 高明 氏【審査委員長】(A.T. カーニー 日本法人会長/CIC Japan会長)
- 七丈 直弘 氏(一橋大学 ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センター・副センター長/教授)
- 田中 杏子 氏(Numéro TOKYO“ヌメロ・トウキョウ”編集長)
- 皆川 朋子 氏(一般社団法人Femtech Community Japan代表理事)
- 渡邉 康太郎氏(Takram コンテクストデザイナー/慶應義塾大学SFC特別招聘教授)