森野 誠之[執筆] 2022/12/27 8:00

消費者が「嬉しかったサポート」はポイントやキャンペーンなどのお得な情報。SNS、LINE、メルマガがこれらの情報にあたります。つまり、ネット接点を大切にしないと消費者が減ってしまうということ。

ネットには検討材料を、リアルには購買を促すものを

ECと店頭を横断した生活者の購買行動を調査 | 電通デジタル
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2022-1221-000065

デジタル化が進む現在においても、日常的な購買はオフラインチャネルである店舗の利用傾向が強い結果となりました。一方、オンラインチャネルにおいては、購買チャネルだけでなく、購入検討としての利用として、ECモール各社やメーカー直販ECサイトも上位にランキングしており、さまざまなオンラインメディアが、検討経路~購買後のフェーズで活用されており、購買行動をサポートするための重要な役割を担っていると捉えることができます。

コロナが収束したわけではないですが、旅行や買い物で外出するようになり、以前のような生活が戻ってきました。となれば、購買行動はオフラインが中心になってくるのは当然。今までと違うのはオンライン慣れしたこと。「比較検討にはオンラインが便利」とわかっているので、その前提でのリアル回帰。ちなみに、調査期間が2022年9月5日~9月8日と3か月ほど前なので、年末の購買行動が含まれていないことに注意しておきましょう。

ニュースまとめ 商品認知フェーズにおけるオンラインとオフラインの割合
(グラフは電通デジタルのサイトから編集部がキャプチャ)

「電化製品・インテリア・ホビー」「ダイエット・健康」や「ファッション」「美容・コスメ」のカテゴリではオンラインでの商品認知の割合が高い結果になりました。

商品の認知はオフライン接点が多くなっています。オンライン接点が多いカテゴリはネットで買うことが多いこともありますが、比較・検討に時間がかかるものが多いです。選択肢が多すぎて選べないものは「オンラインで情報収集をして店頭で検討」という流れも多いです。食品、お酒、日用雑貨など買うものが決まっている場合はオフライン。

ニュースまとめ 化粧品チャネルジャーニー
(グラフは電通デジタルのサイトから編集部がキャプチャ)

このグラフで興味深いところは、購入に関してはオフラインが多いということ。年齢別のデータがあるともっとわかりやすいのですが、「オンライン=調べる、オフライン=買う」という傾向が出ていますね。

さて、ここからは余談です。

実店舗を持っている人はお客さんが戻ってきて、売り上げも戻ってきていることが多くなってきました。今回紹介したデータは9月時点なので、12月以降になるともっとオフラインが増えているはずです。皆さんの体感値も同じではないでしょうか?

一方で、コロナ禍に立ち上げたネットショップにかける時間も少なくなってきています。そうするとどうなるか? 比較・検討される商品はネットに出てこないと対象にならないので、忘れられてしまいます。また、リピート性が高いものはネットショップでの購入が便利なので、手を抜いてしまうとリピート率が落ちてきます。

オフラインに戻りありつつあるとはいえ、オンラインの重要性は変わっていないので、その意識を忘れないようにしましょう。忘れてしまうと数か月後に苦しくなってくるはずです。

今週の要チェック記事

「猫専用こたつ」がヒットした秘訣とは。 販売価格は市場価格の2倍でも爆売れ「みかん箱」の成功ストーリー | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10443

「同じ売り方をしても勝てない。市場で通用しない」という危機感から出たアイデア。なかなかここまでできないですよね。

【通販業界10大ニュース】原材料価格の高騰、円安、SDGsの取り組み加速、コロナ特需の反動、進むDXなど2022年まとめ | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10454

「原材料価格の高騰」が圧倒的な1位。2023年も原価と仕入れ額の上昇に悩まされそうです。

2022年にサービス終了・終了予告されたEC関連10サービスまとめ - うねり続けるEC業界の光と陰 | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/79771

「PayPayモール」「オムニ7」「3Dセキュア1.0」などが終了。

【越境ECにおける2022年総括と2023年展望】2022は事業者が続々参入し、越境ECが認知された1年に 2023年は越境ECが販売チャネルの一つになる時代になる | ショッピージャパン
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000075777.html

今、一番伸びている市場は「台湾」。東南アジアも伸びています。

STORES ブランドアプリ、Shopifyとの連携開始 ECと実店舗の顧客情報の管理・活用が可能に | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/12195

「Shopifyで構築したECサイトをアプリ化」。リアル回帰なのでデータの統合は需要です。

「カラーミーショップ アプリストア」2022年人気トップ10を発表。1位は3年連続「Instagramショッピング連携」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10456

小規模ショップで集客するならSNS。そのなかでもInstagramが強いです。

Amazonが地域の中小企業に商品配送を委託する「Amazon Hub デリバリーパートナープログラム」とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10462

「現状は通常1日に約30~50個で、数時間程度で全ての配達が完了している」。この時間と荷物を置くスペースがあれば検討する価値はあるかも。

ジュンが進めるEC強化策とOMO戦略とは? 中嶋取締役に聞くチャット接客、マイクロフルフィルメントシステムなど | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10464

随所に工夫が見られます。読んでみるとヒントがあると思います。

ファストファッションのSHEIN、アマゾンを目指すか 自社サイトのマーケットプレイス化を検討 | 36Kr Japan
https://36kr.jp/214887/

これは見逃せない記事。早めに出店できれば売れそうですが、在庫がすぐになくなってしまうかも。

出荷遅延率が高いと、検索で非表示になります「2023年3月から」 | アルド
https://www.aldo-system.jp/blog/yahoo-shop-seo/20221221/

「出荷遅延率が10%以上、出荷遅延になった注文の件数が10件以上」が条件です。

「MakeShop byGMO」、年間流通額3,000億円のデータからコロナ禍3年目のEC市場を分析 | GMOインターネットグループ
https://www.gmo.jp/news/article/8142/

「海外販売機能」の利用が急増したとのこと。カートASPでも越境ECの流れですね。

今週の名言

「せんべいの会社からグローバル・フード・カンパニーへ」亀田製菓代表取締役会長兼CEOジュネジャ・レカ・ラジュ氏インタビュー | @DIME
https://dime.jp/genre/1511020/

人間ってね、いくら健康、環境と言っていても、おいしいものを食べたいんです

人間の欲求ってシンプルです。まずはここを満たしてから差別化の訴求を。

筆者出版情報

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