森野 誠之[執筆] 2023/11/14 8:00

SNS運用のプロである対人マンさんによると、SNSでの効果的な情報発信は、簡潔で理解しやすい言葉を使い、ユーザーに価値を提供することが重要とのこと。内容の多様性を保ち、良い反響があった投稿の要因を分析することで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

良い結果をさらに伸ばすことを考えましょう

用意周到な告知はワクワクを添えればウザがられない 対人マン氏が語る「欲求をくすぐる」情報発信術 | ECzine
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伸びる事業やSNSアカウントの裏に潜む、プロフェッショナルたち。まるで黒子のような存在が日々どんな思想をもって仕事に取り組んでいるのかは、なかなか見えてこない。そこで今回は、あえて顔出しNGながらも気になる「あの人」に話を聞いてみた。「神戸洋靴店」「KIBACOWORKS」などにSNS運用の心得を1から指導した、対人マン氏だ。

ネットショップはSNSの活用が必須ですね。そうわかっていてもうまく運用できるスタッフがいないと進まないのも事実です。対人マンさんのようなプロに指導してもらうとうまくいくのでしょうが、そう簡単にお願いはできないので記事を読んでできることから進めましょう。

実際に「運用のアドバイスをください」と僕に相談しに来たクライアントのアカウントを見ると、言葉が「プロ向け」になってしまっていることが多いんです。もちろん、みんな「難しく語ってやろう」なんて思ってはいないんですよ。

素材や技法を示す単語など、仕事の中ではみんなが当たり前のように使っているから「みんなも知っている」と思い込んでいるようですが、「綿100%」や「アクリル●%」といわれてすぐに素材感がイメージできる一般人はそこまでいません。それよりも「手触りの良い素材です」といわれたほうが伝わるのに、「子どもっぽいかも」と思い込んでいるのか、使うのをためらってしまうんですよね。

難しい言葉を使っていないつもりでも、日ごろから使っている言葉が出てしまいます。アパレル系だと「生地感」「手ざわり感」などの「○○感」という言葉は、ユーザー側が服に詳しければ理解してくれるでしょうが、そうでない人たちからすると違和感でしかありません。そして、店頭の接客時には自然に話せても、SNSとなると急にかしこまってしまう人も多いです。とにかくわかりやすく普通に発信するのが大切です。

アパレルブランドだと、「『黒のスキニーパンツに合うトップス』についてコンテンツ化するといいよ」と伝えると目を丸くされますね。「いや、何でも合いますよ」と答えがちですが、お客さんの中には悩んでいる人も多くいます。「わざわざそんなこと伝えなくても」と思うかもしれませんが、そういった固定概念は一度取り払うべきです。

「何でも合いますよ」の「何でも」が知りたいんですよね。「たとえばこんなもの」とかでもいいですし、「ここにあるこれ」「人気のこれに合います」とか。当たり前のことでも伝えておかないといけないのがポイント。

「情報発信しすぎるとウザがられないか」といった不安もよく聞きますが、僕は「お客さんはSNSをそんなに隅々まで見ていない」といいたいです。目にはしていたとしても、内容が頭に入っていることはまれです。
(中略)
SNSで「やりすぎ」だと思われるのは、まったく同じ情報を一方的に伝えているときです。

これはまさにその通り。よほど好きなアカウントでない限りはたまたま見かけることが多いです。同じ内容でも朝・昼・晩の3回で少しずつ内容を変えて投稿してもまったく問題ないです。手を抜いてコピペ投稿してしまうとうまくいきません。コミュニケーションなので丁寧に。

1つひとつの打ち手をより精度高いものにするには、良い結果を深掘りする癖をつけることをおすすめしています。忙しい中で、反響が得られない理由ばかりを突き詰めるのはもったいないのでやめましょう。これまでと比べて良い数字が出た際に「ハッシュタグが良かったのか」「ネタが良かったのか」「写真が良かったのか」と分析結果をメモして、良い結果が出るたびにそこに立ち返り、フォローしてくれるお客さんの傾向を見つけ出せれば、求める結果につながるSNSアカウントにどんどん近づいていきます。

うまくいかない原因を追究する人っていますよね…。自分が考えるならまだしも、これを他の人にやられてしまうと、一気にモチベーションが下がってSNSの投稿すらおっくうになります。いつもよりちょっと多く閲覧されたとか、ほんのちょっとのポジティブな要素を広げていったほうがいいです。楽しそうに投稿していないアカウントからは、つまらない空気が出てしまいますしね。

今回は後編の記事を紹介しました。前編の記事も役立つことがたくさん書かれていますので、あわせてご覧ください。

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BASEも簡易なカートから本格的なカートの仕組みにシフトしていきますね。

小さな会社がお金をかけずに、ウェブで毎月100万円売る方法 | コマースピック
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「忙しいのに数字が伸びないときは、アウトプット数が足りない証拠」。これは本当にそう。外から見えないものは伝わりません。

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SNSでABテストするのはあっという間に結果が出るからいいですよね。

ネットショップだからこそ生のコミュニケーションを大切に!「紡ぎ舎」が伝える日本のものづくりの魅力 | コマースピック
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まずは消費者として商品を購入してからというところがミソです。

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【Z世代+Y世代のEC利用実態】両世代の「購入傾向」「利用頻度」「ライブコマース利用」などの違いは? | ネットショップ担当者フォーラム
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セール情報の取得は「サイト・アプリ内のお知らせ」が最も多いとのこと。アプリは必須ですね。

物流大手が「脱・多重下請け」へタッグを組んだ セイノー傘下「ハコベル」に出資が相次ぐ事情 | 東洋経済オンライン
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2024年に向けて動きが出てきました。多重構造を解消できるといいのですが。

【LINEヤフーの2023年中間期】ショッピング事業の取扱高は6.7%減の7760億円。減少率は改善傾向も4四半期連続のマイナス成長 | ネットショップ担当者フォーラム
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「eコマース事業は成長と収益性をバランスさせる方針」。整ってきたら攻めに転じるのでしょう。

今週の名言

前工程に参加するだけでは解決しない | ベイジの日報
https://baigie.me/nippo/2023/11/04/upstream_sogitani/

まず必要なのは、クリエイターもビジネスや事業を前のめりに理解し、質の高い質問を出せるなどのコミュニケーション力を身に付けることだ。

ネットショップ担当者で成長しようと思ったら事業の理解が必須。ウェブサイトだけに閉じずに世の中の情勢もちゃんと見ておきましょう。販促のヒントも出てきますよ。

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