中小企業診断士が解説する「ChatGPT」のECビジネス活用法

「ChatGPT」を動画制作で活用する方法は? 企画・構成、SNS、配信先までを提案してもらうためのプロンプトなどを解説

話題を集めている生成AIの「ChatGPT」。ECビジネスのシーンで活用する方法などを、現役中小企業診断士が解説【第5回】

ICPコンサルティング[執筆]

2024年3月7日 9:30

利用が拡大する「ChatGPT」を実際の業務でどう使うべきか、まだイメージを持てていない方も多いのではないでしょうか。新商品の発売開始を想定したプロモーション施策(プレスリリース作りなどの過去URL入れる)の一環として、ショート動画のアイデア出し、そしてプロモーションプランの検討を進める作業を「ChatGPT」で行ってみましょう。時間軸が入ると、頭を悩ませる要素も増えますが、ChatGPTならば、すぐにたたき台を出力してくれます。

【テキストデータを集めて時短しよう】

第3回からの連載では、プレスリリースの作成を通してChatGPTに新製品の情報をインプットし、新商品のプロモーションにまつわるさまざまなアイデアや文章作成を、シンプルな指示(以下、プロンプト)で行ってきました。

「ChatGPT」を動画作り活用する方法は? 企画・構成、SNS、配信先までを提案してもらうためのプロンプトなどを解説

「ショート動画の構成を提案してもらう」ことから着手する場合、この後に提示するプロンプトに加え、新商品の情報をChatGPTに伝える必要があります。

新商品の名称、特徴、ターゲット、提供価値、価格、発売日、キャンペーン……。そこで「まず書くのが大変」となりがちですが、音声入力を利用することで時短になります。

また、新商品の企画書、仕入れ先のホームページ、提案資料のPDFなど、社内に何らかのテキストデータを入手できれば、テキストデータをコピー&ペーストしてプロンプトを作成することで新商品の情報を抽出することも可能です。

◆プロンプト例

あなたは広報担当者です。以下の「企画書」をもとに、「情報」を抽出し、表形式で出力してください。

●情報

  • 新商品の名称
  • 特徴
  • ターゲット
  • 提供価値
  • 価格
  • 発売日
  • キャンペーン

●企画書
件名:XXXXXXXXXXXXXXXXXX
(以下略)

以下はGPT-3.5の出力例です。この情報をベースに、各種プロモーションの文章作成やアイデア出しを進めることができます。では、今回はまず初めにショート動画の構成案を提案してもらいましょう。

 

前回からの続き6. ショート動画の構成を提案してもらう

  • コツ:ショート動画施策をする媒体、目的を明確にし、プロンプトに反映しよう

新商品を販売する上で、動画が効果的なのはネットショップ担当者の皆さんならよくご理解いただいているでしょう。見込み客に、商品を買った後のシーンやライフスタイルをイメージしてもらったり、使い方をわかりやすく解説したりして、購買を強力に後押しできます。

また、SNSでの認知向上を考えれば、ショート動画やリール動画が有効でしょう。近年、スマホ1つで撮影から編集、プラットフォームへのアップロードまでが簡単にできるようになりました。しかし、慣れない作業は腰が重くなりがち。最初の企画・構成だけでもChatGPTに手伝ってもらいましょう。

◆プロンプト例

ショート動画で、この商品を売りたいのだけど、構成案を考えてもらえますか?各シーンの秒数の目安も提示してください。

以下は、GPT-4での出力例です。王道中の王道、ホラーストーリーでの動画案が出てきました。動画広告や自社のECサイトで展開すると効果がありそうです。

なお、GPT-3.5では、以下のように簡単な構成例が出力されました。GPT-4ほど詳細ではありませんが、必要な映像や情報の要素を確認するには十分な内容です。ここからご自身で検討を深める、ChatGPTとさらに会話をするなどして、各シーンの映像、音声、テキストの内容を詰めていくとよいでしょう。

SNSに拡散を目的としたショート動画を投稿する際、ターゲットに役に立つ情報提供、エンターテイメント性が求められます。たとえば、「水が不要であることをユーモアとエンターテイメント性を重視して伝えてください」と入れたり、ショート動画の拡散ノウハウをフィードバックするなど、当初のプロンプトに入れておくとよいでしょう。

ちなみに、上記の内容をプロンプトに入れると、GPT-4では以下のような出力結果となりました。登場人物の「筋肉質の人」のキャラクターに左右されそうですが、エンターテイメント性が強化され、ユーモラスな動画の案が提示されています。ここまで具体的であれば、演者の筋肉質の人にもイメージが伝わりやすいでしょう。

7. ショート動画の配信先提案

  • コツ:費用をかけない場合は、無料で配信することを明示しよう

動画をどのプラットフォームで配信すべきでしょうか。ChatGPTに聞いてみましょう。まず、費用をかけずにSNSやYouTubeで投稿する場合を想定したプロンプトです。

◆プロンプト例

ありがとう。ではこの動画の配信先を、ターゲットを考慮して複数提案してもらえますか?無料で配信予定です。提案の理由も示した上で、一番のおすすめも教えてください。

以下は、先ほどのユーモラスな動画について、上記の「無料で配信予定です」と加えたプロンプトを入力した際の、GPT-4での出力例です。

確かに、ターゲットだけを見るとFacebookが妥当なような気もしますが、拡散を狙ったユーモラスな動画であることを考えると、YouTube ShortsかInstagramのリールが妥当かもしれません。なお、ユーモラスでない方の動画の配信先を聞くと、自社のホームページやコミュニティサイトを提案してくることもあります。

自社サイトやコミュニティサイトなど、ある程度、その商材に興味を持っている可能性が高いターゲットに対しては、わざわざユーモラスにして注意を引く必要がないからでしょう。ChatGPTが文脈を考慮して、回答をしていることがわかります。

また、SNSにおけるショート動画は、ショート動画単体でその商材の売り上げが立つわけではないため、購買までの導線も検討する必要があります。「最も注力しているSNSはFacebookです。YouTubeチャンネルに詳細な商品動画をアップするので、本編の動画にも誘導したいです」など、関連する施策をプロンプトに含めると考慮された回答を出してきます。

一方、動画配信に予算がある場合は、「無料で配信予定です」の文言を削ってプロンプトを入力してみましょう。無料と限定した場合より、広範囲な提案を受けることができます。

以下は、最初に提案があった宣伝色の強い動画の配信先として、GPT-3.5が出力した例です。

「ショート動画」という特性は考慮されていませんが、「無料」という条件を外したため、費用のかかるインフルエンサーやスポーツ関連サイトでの広告掲載、Facebookでのターゲティング広告が提案されています。

精度の面でGPT-4に劣るGPT-3.5ではありますが、時に的外れな回答があったとしても、むしろアイデアの幅を広げる機会になったと感じることがあります。「ちょっといつもと違う方向性で」または「初めてなので、まずはいろいろ知りたい」という場合には十分利用できるでしょう。

8. 実施スケジュール

  • コツ:進行状況や依存関係を考慮して出力してもらおう

さぁ、下準備は完了しました。あとは施策を回すだけです。ここまで具体化されたら、実際にやってみたくなりませんか?しかしながら、多忙なネットショップ担当者は、日々のタスクに追われ、なかなか新しい施策に着手することが難しい面もあるかもしれません。

「もし、この施策をやるなら」とスケジュールを見積もり、時間が取れないか検討を進めてみましょう。もしくは、提案されたスケジュールをもとに、上司に業務を調整してもらう手もあるでしょう。

単に「忙しいから調整してほしい」と口頭で伝えるより、文書化されたスケジュール案がたたき台としてあれば、建設的な議論がしやすいものです。

では、ChatGPTにスケジュール案を提示してもらいましょう。

◆プロンプト例

いいですね。では。これまで考えてきたプレスリリース以降、すべての施策を1ヶ月で実施するとして、進行状況や依存関係を考慮し、実現可能なスケジュールを立ててください

以下は、GPT-4の出力例です。かなり詳細かつ、バッファも考慮しているとのこと、すぐにでもチームで検討できそうな内容です。

以下は、GPT-3.5での出力例です。かなりタイトなスケジュールですが、タスクリストとしては使えそうです。

やる施策、やらない施策を決めた上で再度スケジュールを立ててもらう、もしくは、会話を続けて精度を高めても良いでしょう。例えば、「フィードバックします。施策を実施するのは兼務1名で制約があります。また会社には週に2日の休日があります。これを考慮して、実現可能なスケジュールを立ててください」など情報を追加してみましょう。

まとめ

普段の業務では頭を悩ませがちな、時間軸を含めたアイデア出しを行いました。GPT-3.5においても、内容は荒いものの、方針検討やイメージをざっくり掴むには十分な内容です。一方、GPT-4は、簡単なプロンプトであっても、すぐにでも検討を開始できるレベルで出力されてきます。また、プラットフォームの提案では、理由づけをしてもらうプロンプトを利用しました。周りを巻き込む上で、客観的な根拠は非常に有効です。

「ChatGPTで業務効率化が図られる」というのは、文章作成の場面に限りません。アイデア出し、根拠づけ、スケジューリングなど、あらゆる頭脳労働がスピードアップするイメージが持てたでしょうか。いままで「日本語が拙くていまいち」「業務で利用できる気がしない」「著作権が心配」など、ChatGPTの利用を躊躇われていた方は、アイデア出しなど、最終成果物から遠いところから始めてみると使いやすいかもしれません。

まずは触ってみるところから始めましょう。少しずつChatGPTとの意識合わせが上手になりますよ。

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