ECの満足度につながるのは「送料の安さ」「商品数の豊富さ」が上位。物流2024年問題で消費者は「送料アップ」を懸念
EC事業支援のアートトレーディングが実施したECサイト活用の意識調査によると、満足度につながる重要項目として送料の安さ、商品数の豊富さなどが上位にあがった。調査対象は全国の男女20代~90代の合計1000人。
満足度のカギは「送料無料」「商品数」「配達スピード」
ECサイトで商品を購入する際、最も満足度が高いポイントについて、「送料無料」(26.4%)、「商品数が多い」(22.8%)、「注文から到着までが早い」(18.2%)の順で票数が集まった。
「問い合わせ対応」「梱包の丁寧さ」といった店舗やEC運営側で行う対応は、上位結果と比較するとあまり重要視されていない傾向が見られた。
物流2024年問題、7割の消費者が理解
物流2024年問題についてどの程度知っているかという質問には、「内容を説明できる」(16.5%)、「なんとなく知っている」(49.7%)を合わせると約7割が、問題について理解している状況にある。
物流の2024年問題とは、働き方改革関連法の施行に伴う「時間外労働時間の上限規制」などが2024年4月から「自動車運転の業務」にも適用されるようになることで、運送会社では収入減少によるドライバーの離職や売上減、荷主企業は運賃値上げの可能性などが危惧されている物流業界の諸問題のこと。
消費者の多くが送料に関わる料金アップを懸念
物流2024年問題によってECサイトの活用にさまざまな影響が出ることが予想されるなか、最も「これだけは許せない・何とかしてほしい」と感じることは何かを聞いたところ、「送料が高くなること」(33.9%)、「送料無料が撤廃されること」(25.2%)、「不在時の再配達料がかかること」(19.7%)といった料金に関する回答が上位を占めた。
アートトレーディングは調査結果を踏まえて、下記のような対策を行うことで、消費者の意識改善、さらには「物流2024年問題」解決の一助になると提唱している。
- 送料負担の所在を明確化し、実際に生じている物流コストについて消費者の意識を促す
- 「送料無料」と表記する場合は、同梱発送の実施や、上限金額を設ける
なお、消費者庁は、消費者の物流問題に対する意識改革や行動変容を促すため、EC事業者に対し、「送料無料」の表記をする場合は送料負担の所在を明確化するなど見直しを求めている。
調査概要
- 調査名:ECサイト活用に関するアンケート
- 調査内容: ECサイト活用における意識調査
- 調査対象:全国20代~90代の男女
- 有効回答数:1000人
- 調査実施日:2024年2月16日~2月17日
- 実施:アートトレーディング