企業の生成AI活用、「卸売業、小売業」は13.4%、「情報通信業」は35.1%
民間シンクタンクの情報通信総合研究所が公表した企業の生成AI導入状況や活用に関する調査結果によると、生成AIの導入は大企業を中心に進み、業種別では情報通信業や金融業、保険業などで活発化。一方、卸売業、小売業やサービス業では導入率が低い傾向が見られた。
情報通信総研は企業規模別に生成AIの導入・利用率について調査。従業員規模が大きいほど導入・利用が進んでいることがわかった。特に、生成AIを「全社で導入している」という割合は、従業員数が1000人以上の企業とそれ以外で倍以上の差があった。
業種別でも生成AIの導入・利用率を比較。トップは「情報通信業」(35.1%)で、次いで「金融業,保険業」(29.0%)となった。一方、「卸売業,小売業」は13.4%にとどまり、「運輸業,郵便業」は9.4%だった。
生成AIを利用するなかで感じている課題も聞いた。「活用ノウハウや知識不足」が54.0%と最も多く、「正確性が確認できない、または確認に時間を要する」(50.1%)、「著作権侵害などのリスク」(35.5%)が続いた。生成AIの利用をさらに進める上での改善点は、「社内事例/ユースケースの共有」(50.8%)が最も多く、「プロンプト/テンプレートの共有」(43.8%)、「社内教育/研修の実施(41.6%)」があがった。
従業員の生成AI利用率について、個人として業務のなかで生成AIを利用している割合は8.4%。部署別ではミドルオフィス(経営企画、商品・サービス企画・開発、広報、マーケティング等)での利用が進んでいる。
生成AIを利用している従業員の満足度は、全体的に満足(非常に満足、やや満足)が多いものの、個社特有の情報や専門用語などを多く扱うと想定される「コールセンター」や「法務・知財」部門の従業員からは、やや不満に感じる割合が多くなっている。
情報通信総研では、企業の生成AI導入は、まだまだ普及拡大の余地が大きいと指摘。その上で、「生成AIの活用は、既存ビジネスの強化から新商品・サービスの創出といったビジネスの中核へと進んでいくと見られる。汎用型の生成AIではなく、業務や事業領域に合わせてカスタマイズされた専門的な生成AIが重要になると見込まれる」と総括した。
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