大村 マリ[執筆] 8:00
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AIや「ChatGPT」が生活の一部に浸透しつつあるが、ECでの活用というと始め方がわからないという人も多いのではないだろうか。ECの運用にAIを活用することで、業務の効率化はもちろん、行動データ情報をもとに顧客ごとに異なる施策を実装し、LTVを向上させることもできるようになる。

およそ1600サイト以上が導入するECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」には、ecbeingグループで開発しているさまざまな周辺ツールを連携できるマーケティングプラットフォームという側面がある。

オムニチャネル、SNSとの連携、MA分析、CRM支援、さらにパーソナライゼーションの領域において、今回のテーマでもあるAIの活用ツールを、すでに多くのサイトが導入している。ecbeingの森英一執行役員が、導入事例のなかから最新のAI活用事例について解説した。

ecbeing 執行役員 企画制作本部 本部長 森英一氏

AI×ECの可能性と活用方法

ECにおけるAIの活用方法として、まずあげられるのは業務の改善や効率化だ。たとえば、コーディングのサポートや商品情報の自動生成。どのような商品で、どのような特長かも、現在は生成AI「Gemini」などがすぐにアウトプット。内容の精度も上がっているため、人間はそれを手直しする程度というケースは少なくない。

また、AIを搭載したチャットボットは、サイト内の情報から問い合わせに対する回答を生成。メルマガの内容提案、画像やバナーの生成もできる

AIで効率化できるECの業務

こうしたAIは、業務改善や効率化だけでなく、LTV向上や売上拡大にも貢献できることも押さえておきたい。

ECビジネスでは、顧客にリピート購入してもらえるようなLTVの向上施策が必要。AIとデータベースを連携し、たとえば、CDP(顧客データ基盤)で商品注文分析や顧客分析をし、MAツールでパーソナライズされた情報をユーザーに届ける。そのために、できるだけ個々のユーザーに刺さる内容をAIに学習させて、どんどん精度を上げることが重要になる。(森氏)

ecbeing 執行役員 企画制作本部 本部長 森英一氏
ecbeing 執行役員 企画制作本部 本部長 森英一氏
AIによるパーソナライズ化配信の仕組み

AIレコメンド「AiReco」の導入事例

ecbeingが提供するAIレコメンドのサービス「AiReco(アイレコ)」は、特定の商品を見た、もしくは購入したユーザーに対して、適した商品をサイト内で案内するためのツールだ。ecbeingのプラットフォームのなかで簡単に導入できる独立したツールの1つで、いま導入企業が急増しているという。

AIレコメンド「AiReco」の概要

●AIレコメンド事例① ダルトン

インテリア雑貨メーカーのダルトンでは、これまでは事業者側の登録商品のなかから、お薦め商品を表示していた。「AiReco」の導入で、AIが自動でユーザーに最適なお薦め商品を表示。従来は想像もしなかったような買い合わせ提案が、実際に売り上げにつながっているという。こういったAIレコメンドは「取扱アイテム数が多い企業ほど親和性が高い」と森氏は言う。

AIが意外なおすすめ商品を提案する

●AIレコメンド事例② リンベル

カタログギフトで知られるリンベルは、デジタルギフトサービスの「GIFT LIST(ギフトリスト)」を2024年6月にオープン。通常、カタログギフトは掲載商品が決まっているが、「GIFT LIST」では贈る側が好きな商品を組み合わせて、オリジナルのギフトリストを作れる。何を贈ったら良いかわからないユーザーに対しても、AIが各ユーザーに最適なお薦めのギフトリストを提案する。

リンベルの「GIFT LIST」

AIチャットボット「AIデジタルスタッフ」の導入事例

OpenAIの「ChatGPT」を活用したAIチャットボット「AIデジタルスタッフ」を導入する企業も増えている。「AIデジタルスタッフ」は高度な検索機能を持ち、シナリオや事前学習がなくても問い合わせに回答できる

AIチャットボット「AIデジタルスタッフ」

●AIチャットボット事例 キーコーヒー

キーコーヒーではコーヒーの販売だけでなく、焙煎セミナーといったコーヒーに関するセミナーも多く実施、その予約に「AIデジタルスタッフ」を活用している。「AIデジタルスタッフ」は、サイト内の情報だけで文章を生成するため、安心して接客に活用できるという。「サイト内の情報が充実すればするほど、返答内容の精度も高くなる」(森氏)。

キーコーヒーではサイト内接客にAIチャットボットを活用
◇◇◇

ecbeingはこのような提案型のチャットボットの性能アップに力を入れている。たとえば、ECサイトの商品マスタと連携し、顧客が「シャツが欲しい」という情報を入れるだけで、どんなシャツが欲しいのか、色や素材についても質問を返すことで、その回答に適した商品を提案するイメージだ。

AIがただ単純な回答をするのではなく、リアル店舗で接客を受けているような体験ができるよう、学習して成長することが重要だ。(森氏)

商品データベースと連携し、最適な商品を提案

CRMでのAI活用

CRM領域でのAI活用も進んでいる。マーケティング分析ツール「SechstantCDP」とMA機能を持つCRMツール「Sechstant CRM」を導入すると、ECや店舗などあらゆるチャネルから得られるデータを集約、分析し、より詳細なセグメントでCRM施策が可能となる

データマーケティングプラットフォーム「SechstantCDP」と「Sechstant CRM」

SNSでのAI活用

SNSのAI活用事例として、森氏はインスタグラムと連携したUGC活用ツール「visumo(ビジュモ)」をあげる。

「visumo」はInstagram連携UGC活用機能、ビジュアルコンテンツのAIレコメンド機能、動画接客機能、スタッフ投稿機能、SNSライクなユーザー体験を提供できる各種テンプレートなど、ビジュアルでサイトのCVR・回遊率・滞在時間等を向上させるための機能を実装するビジュアルマーケティングプラットフォーム。

AIと組み合わせることで、インスタグラムのようにパーソナライズした画像や商品を次々にレコメンドできるようになる。あらかじめ設定した商品ではなく、ユーザーの購入履歴や年齢、性別に合わせて、ユーザーが興味を持ちそうな商品を選んで表示できるのだ。

Instagram連携UGC(User Generated Content)活用ツール「visumo」

ジェイ・ビーが運営するアパレルブランド「RANDA(ランダ)」では、ブランドのInstagramとECサイトの商品が連携されており、商品の投稿画像が自動再生されて、クリックするとそれぞれの商品ページに飛べるようになっている。

上図右側はベビー服やベビー用品を販売するダッドウェイが運営するブランド「DADWAY(ダッドウェイ)」の例。こちらも実際にユーザーが投稿しているInstagramの画像がECサイトで自動再生できるようになっている。Instagramで写真を眺めているような感覚で、自社の商品を販売できている。

ecbeingのさらなるAI活用、今後のビジョン

ecbeingでは顧客データを基に、AIがユーザーの「欲しい!」という商品を最適に表示し、売り上げにつなげることをめざしている。ecbeingのプラチナパートナーであるマイクロソフトのOpenAIと連携し、これを実現しようとしているのだ。

ecbeingがめざす次世代のEC×AIソリューション

売り上げを伸ばすのはそう簡単ではない。だが、購入頻度を増やすことで売り上げが伸びるといったように、AI連携によっていかに顧客との関係値を築くかを重視している。(森氏)

また、ecbeingのデータベースとOpenAIが連携することで、トップページの表示やサイト内コンテンツをユーザーごとにパーソナライズ表示できるようになる。Amazonなどのモールのように、ユーザーの購入履歴が表示されたり、メインビジュアルが変わったり、個々のユーザーに必要な情報をAIが選んで表示していくことができるようになっているのだ。

AIによる表示コンテンツ最適化の仕組み

上の図のように、トップページのメインビジュアルとコンテンツは最適化ツールで、チャット集客はAIチャットというように、ツールを組み合わせることで、見るユーザーに適したWebサイトをパーソナライズして作っていく――。ecbeingはこうすることで、ユーザーが本当に欲しいと思う商品が提案できるようなサイト作りを目指すという。

顧客ごとに最適化されたメッセージを配信

今後は商品だけではなく、テキストや画像をパーソナライズして出すこともできるようになる。AI連携によって、本当に欲しいものを欲しい人に届けることがさらに可能となる。今後も、ECサイト構築プラットフォーム+AIの力、マーケティングプラットフォームの力を掛け合わせて、ECの売り上げを作れるようなさまざまな支援をしていきたい。(森氏)

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