楽天はこのほど、「楽天市場」で架空の注文をし、好意的なレビュー投稿をする行為を繰り返したとして、システム会社のディーシーエイトに損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。賠償額は約2億円。「楽天市場」ではレビュー評価が高いと、商品検索時に上位に表示される仕組みになっている。上位表示を実現することで売り上げを伸ばしたいという店舗の要望に応え、不正行為を行ったとみられる。

訴状などによると、ディーシーエイトは月額8万円で店側に好意的なレビューを月150件ずつ投稿する契約を121社と結び、わかっているだけで11万4327件の不正な投稿を行っていたという。

楽天は利用規約で出店者による「自作自演」の投稿を禁じている。不正行為を依頼したとみられる各出店者に中止を求めたが、応じなかった数十店とは出店契約を解除したという。こうした、出店契約の解除による損害額と、ディーシーエイトが受け取ったサービス利用料をあわせて損害賠償額とした。

楽天市場などのモールのレビュー評価を高くするサービスは、ディーシーエイトだけではなく、複数のシステム会社が提供しているという。今回、ディーシーエイトが訴えられたのは、それだけ目立った行動だったためだと推測される。

楽天は今後、同様に他のシステム会社を訴えていくか、見せしめにするのかは明らかにしていない。楽天は、「裁判にも関わる部分になるためお話することはできない」としている。

こうしたサービスを提供したシステム会社や利用した出店者が、問題の根源であることは間違いない。しかし、出店者からは楽天の姿勢にも問題があったのではないかという声も出てきている。

「楽天市場内の検索結果の順位は今より、数年前の方がレビューを重視する傾向にあった。その頃から、今回問題になったサービスが出てきていたが、特にこうした業者を取り締まる動きはなかった。そのため、見て見ぬふりをしていると勘違いをした出店者やシステム会社もあるのではないか。早期に訴えを起こしていれば、利用する店舗も少なかったのではないだろうか」(ある店舗者)と指摘する。

また別の店舗では、「レビューを書くと送料を無料にしたり、レビュー投稿者のなかから抽選で商品券をプレゼントするといった方法で、レビューを集めている店舗も少なくない。こうした店舗を見て、少しづつモラルが薄れてしまったのではないだろうか。今回の問題を機に、楽天にはレビューを集める行為は、どこまでがOKなのかをしっかり線引きしてほしい」と話している。

一方、「同様の問題は他のモールでも起きている。訴訟を起こしたのは楽天が初めて。楽天は一昨年末の二重価格問題以降、不正に対して厳しい姿勢をとり続けている。今回は訴訟を起こさなければ問題にならなかったが、あえて訴訟に踏み切ったのは、不正を許さないという姿勢の表れだろう」と、楽天の姿勢を評価する声もあった。

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中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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