約4社に1社が生成AIを導入。検討中は46.2%、満足度上位は「Notion AI」「ChatGPT」【法人の生成AI利用調査】
ICT総研が実施した「法人向け生成AIサービス利用動向調査」によると、生成AIを導入している法人は約4社に1社だった。多くの法人が業務利用している生成AIサービスは最多がOpenAIの「ChatGPT」で、約半数を占めた。
調査はインターネットユーザー4068人を対象にWebアンケートを実施。アンケート実施期間は2025年5月19〜31日。
生成AI導入済みの法人は約4社に1社
法人向け生成AIサービスの利用状況を聞いたところ、最も多かったのは「利用しておらず、導入予定もない」が46.2%、続いて「業務で利用している」が15.0%、「分からない」が14.7%、「トライアルで利用している」が9.4%だった。

「ChatGPT」の利用率は52.1%で最多
業務利用している生成AIのサービスは、最多が「ChatGPT」で52.1%、続いてMicrosoftの「Microsoft Copilot」が42.3%、Googleの「Google Gemini」が28.5%だった。主要プラットフォーマーが提供する汎用型生成AIが法人業務でも高い浸透率となっている。
その他の生成AIサービスは、Anthropic(アンソロピック)の「Claude(クロード)」が13.1%、Appleの「Apple Intelligence」が11.0%、Notionの「Notion AI」(文章作成、タスク管理、ノーコード開発など幅広い機能を持つ「Notion」に実装されたAIツール)が7.7%、GitHub(ギットハブ)が提供するAIによるコーディング支援ツール「GitHub Copilot」が7.6%と続いている。
ICT総研は「全体としては、生成AIサービスの利用が一部の主要サービスに集中している状況にあるものの、業務領域や操作性に応じた選択が進みつつあり、今後はより多様なサービスの併用が広がる可能性がある」と考察している。

利用者満足度が最も高いのは「Notion AI」
利用している法人向け生成AIサービスの満足度では、最も高かったのは「Notion AI」で83.3ポイント、続いて「ChatGPT」が83.0ポイント、「Apple Intelligence」が82.1ポイント、「GitHub Copilot」が81.3ポイント、「Google Gemini」が80.9ポイント、「Microsoft Copilot」が80.5ポイントだった。
満足度の全体の平均は78.2ポイント。多くの法人ユーザーが生成AIサービスに対して一定以上の満足感を抱いていることがわかった。

利用端末の主流は「WindowsノートPC」
生成AIサービスの業務利用における端末環境として、最も多かったのは「ノートPC(Windows)」で65.3%、続いて「デスクトップPC(Windows)」が36.8%、「スマートフォン(iPhone)」が23.4%、「スマートフォン(Android)」が17.6%だった。
ICT総研は「業務用の専用端末や仮想デスクトップ環境からの利用は限定的であり、生成AIの利用環境は比較的汎用的なデバイスに集中している」と解説している。

法人による生成AIの利用は拡大傾向
ICT総研では、2023年末時点で24.7万社が何らかの形で生成AIサービスを業務に導入していると推計しており、2024年末には32.7万社、2025年末には41.3万社に達する見込みだと見ている。
2026年には50.1万社、2027年末には59.2万社にまで拡大すると予測している。
