髙島屋、AI活用で伝統工芸・江戸小紋継承をめざす「ヒト×AIの共生による地域産業活性化プロジェクト」

髙島屋の理念と文京学院大学の研究成果が合致し、地域産業の活性化を目的とした 「ヒト×AIの共生による地域産業活性化プロジェクト」をスタートする運びとなった。今後は、連携により、商品開発・店頭展開に加え、江戸小紋に限らない新たな活用方法も模索していく。

鳥栖 剛[執筆]

9月26日 10:00

髙島屋は9月22日、文京学院大学と産学包括連携協定を締結し、「ヒト×AIの共生による地域産業活性化プロジェクト」を開始すると発表した。AIを活用した伝統工芸「江戸小紋」の新作開発などを手がけていく。

髙島屋は1831年の創業以来、事業活動を通じて社会に役立つ活動や、芸術・文化・地域社会に対する幅広い支援活動を手がけてきた。古着木綿商として創業以来、呉服は主要事業の1つとして、普及・発展に寄与してきたという。 日本の文化が培ってきた「織(おり)・染(そめ)・繍(ししゅう)・絞(しぼり)・絣(かすり)」の染織五芸の向上を目的に創設した展示会「上品會」は昭和初期から現在も続いている。髙島屋はこれらの呉服催事や美術工芸品の販売・展覧会を通じ、全国の産地、名匠と着物文化、伝統技術の未来への継承に取り組んでいる。

文京学院大学経営学部のデザインの経営史研究ゼミ(担当教員:川越仁恵教授)は、江戸小紋の古い作例を分析、その特質をマーケティング調査し、従来は暗黙知にとどまっていた図案制作理論を2022年4月に体系化することに成功した。 さらに、図案考案の最大の課題とされる「ランダム配置」を解決する独自アルゴリズムを開発。職人が膨大な時間を費やしていた作業の大幅な効率化に貢献するAI生成プログラムを完成させた。このプログラムを活用し、2024年5月には新作江戸小紋「スイーツ尽くし小紋」を商品化した。 2025年には、モチーフ点描化AIシステムの構築を進め、江戸小紋制作において伝承が難しいとされる職人の技をデータサイエンスとデザイン思考で分析・方法化・実証ている。

こうした髙島屋の理念と文京学院大学の研究成果が合致。地域産業の活性化を目的とした「ヒト×AIの共生による地域産業活性化プロジェクト」をスタートするた。今後は、連携により、商品開発・店頭展開に加え、江戸小紋に限らない新たな活用方法も模索していくという。

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