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売れやすく、やるべき仕事も多い
「総合タイプ」のネットショップは、「商品数は多いけれどオリジナルブランドを扱う店」「オリジナルブランドと有名ブランドが混在する品揃えの店」の2つのパターンがあります。
これらは、4タイプの中でも最も売り上げを伸ばしやすいタイプです。なぜなら、取り扱い商品数が多いため、検索エンジン経由で店に訪れるお客さんが多く、安定して一定の売り上げベースがあり、しかも、利益率の高いオリジナルブランド商品もあるので、広告を使った集客も可能です。さらに、お客さんに提案できる商品に幅があるため、ニッチタイプの店舗のような「選び方を教える」接客もできます。つまり、ほかの3タイプの販促施策すべてを使えるので、いいとこ取りの、「おいしい」タイプと言えます。
さまざまな集客経路を持ちつつ、型番タイプほど価格競争に巻き込まれないので、それなりに広告投資も可能。実は、楽天市場で月商1億円を越えるような店は、この総合タイプがとても多いのです。
しかし、いくら伸びやすいといっても、ノウハウを知らなければ、その長所も生かせないもの。売り上げを伸ばしやすい半面、やるべき施策もたくさんあります。売れるようになるためには、型番タイプの重要施策である「商品登録数アップ」「検索対策」(SEO)「回遊性向上」に加え、オリジナル商品タイプで重視される「縦長商品ページ」「リピートの仕掛け」「店舗紹介」など、すべてに取り組むべきです。競合店舗も比較的多いので、先を見ながら手を打っていきましょう。
後天的に総合タイプになるケースもある
もともとほかのタイプでも、品揃えを強化していくうちに、後天的にこの総合タイプに移行するケースも多くあります。
例えば「型番商品や有名ブランド商品中心の店舗が、オリジナルブランド商品や無名商品の扱いを強化した場合」と「オリジナルブランド商品中心の店が商品数を増やした場合」などは、後天的な総合タイプと言えます。
有名ブランドタイプの総合化
型番商品や有名ブランド商品中心の店は、価格競争の苦労を緩和し、利益率を高めるためにも、積極的に「総合タイプを目指す」ことを視野に入れてみることをおすすめします。例としては、家電店舗が「利益率の高い雑貨」の品揃えを増やしたり、海外ブランドファッション店舗が「利益率の高い無名ブランド商品」を積極的に販売したりする、といったイメージです。
品揃えを増やせない場合は、「あまり売れないが利益率の高い商品」に注力するのも1つの方法です。例えば映画やドラマのDVDを扱う店では売り上げの中心は人気作品ですが、お店の提案力を高めて、無名の作品や関連商材が多く売れるようになれば、利益率を高めることができます。
オリジナルブランドタイプの総合化
逆に、オリジナルタイプで、商品数を絞って運営していた食品や健康食品、化粧品などの店が、総合タイプへと変化して売り上げを伸ばすケースもあります。
例えば、大手通販会社のDHCは、かつてはクレンジングオイルを中心に基礎化粧品を販売していましたが、今では食品やアパレルも扱う総合タイプの店舗になっています。食品店舗が多くの農家と契約して、幅広い産直品を扱うようになるのもこのパターンです。
ただ、有名ブランドタイプと比べ、無理に総合タイプを目指す必要はありません。品揃えが少ないうちは商品の管理もしやすいですが、増やしていくにしたがって予想以上に在庫を抱えてしまったり、広告の費用対効果が読みづらくなったりするなどして、経営が悪化してしまう可能性もあります。
また、拡大することで、店の個性が薄まってしまう懸念もあります。総合タイプを目指す場合は、常に「店の独自性・専門性をどのように維持するか」という課題(コツ31)がついてくるものです。
総合タイプのショップの例
- よろずやマルシェ 食品から文具、電化製品、家具まで幅広い商品を総合的に取り扱っている。
- イーザッカマニアストアーズ 女性向けの洋服や雑貨、小物、インテリア雑貨など多彩な商品を販売している。
こんにちは、著者の川村トモエです。
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