世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」では、セミナーと同時に500社以上のソリューションサービスなどが出展。ECサイトの運営を支援する最新テクノロジーやソリューションが紹介されています。展示会はいまの時流やトレンドを把握する貴重な“場”。eコマースの先端サービスが披露された展示会ブースで、日本でも広がりそうなソリューション、気になったキーワードをピックアップしました。

利益を落とさないためのAmazon活用ツールの台頭

まず最初に、気になったのが「Amazon」関連のツールです。

前回で米国Amazonの成長に触れましたが、「IRCE」のイベント会場では“Amazon攻略”をキーワードにしたツールが数多く紹介されていました。

展示されていたのは、Amazonの順位測定ツール、ユーザーにレビューを記入してもらうためのツールなど。こうしたツールはすでに2015年からありました。2016年の展示会で特徴的だったのは、「いかに収益を最大化するか」をテーマにEC企業をサポートするツールが紹介さいれていたことです。

最安値販売でカートを獲得する(Amazonの商品ページで最も目立つ位置の「カートに入れる」ボタンを獲得すること)ためのツールだけではありません。最安値ではなくても、カートを適度なポジションを維持できているか確認でき、サジェストしてくれるようなツールです。

Amazonを活用するEC企業では、「成長するAmazon内での過度な競争で利益を落とさないようにする」という意識が高まっているようです。このような発想やツールは日本でも必須になってくると思いますので、いまから注目しておきたいところです。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート① Amazonの利益最大化ツール画面の一部

Amazonの利益最大化ツール画面の一部

日本でも「Visual commerce」の動きが加速する予感

ソーシャルの画像や動画を有効活用する「Visual commerce」(ビジュアルコマース)という概念が登場し、それを実現するためのソリューションが増えていました。

たとえば、「Instagram」の投稿に使用した画像やユーザー投稿の画像を使用するレコメンドツールなどです。「Instagram」経由でECサイトの商品ページに移動した時、その商品と関連する「Instagram」の画像が一定のルールに沿ってレコメンドのように表示されるといったソリューションもありました。

ソーシャルで投稿した画像を並べて、ECサイトのトップページを“画像中心”で表現したり、メールマガジンに有効活用する機能も紹介されていました。

日本でもブログや自社メディアサイトなどでスタッフが着用するイメージを紹介する動きが活発化しています。ECサイトとソーシャルメディアが連動しながら、画像中心で感覚的に購買意欲の喚起、購入イメージを提案する「Visual commerce」の動きが加速する予感がします。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート③ インスタグラム画像活用サイト

インスタグラム画像活用サイト

2015年も注目ワードとなっていた「パーソナライゼーション」機能の実装事例が増えていたことも特徴的でした。

パーソナライゼーションの主な機能では、自社ECサイトに搭載される「サイト内検索システム」「レコメンド機能」「レコメンドメール」などがあります。米国では特に、レコメンド機能を搭載したサイト内検索の重要度が高まっているようです。

少ない接点でも、サイト訪問者に最適なおすすめ商品を表示する仕組みで、米国のユニクロが実装し、効果を上げているようです。日本でも画像付きサーチが広がっていますが、「AI的」な機能がプラスされたツールの広がりも注目しておきたいところです。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート③

ユニクロUSAのECサイト

日本でHOTワードの「オムニチャネル」は……

Amazon以外のeコマースプラットフォーム(モール)企業もブースにおいて、自社の成長やサービスの利用促進を訴求していました。

たとえば「eBey」や「Rakuten」(写真)、ファッションを扱う「Ferfetch.com」(流通額前期比72.1%増)、家電系のモール「Newegg.com」(同40.1%増)、ハンドメイド商品などを扱う「Etsy.com」(同23.8%増)の活用、それらをサポートするツールなども紹介されていました。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート④

「Rakuten」のブース

全体を通して見てみると、成長を続けているAmazonのマーケットプレイスなどのモールを最適に活用するためのソリューション、自社サイトの利便性を高めてファンを増やしていくツールの進化が特徴的でした。

一方、日本で注目を集めている「オムニチャネル」という表現はほとんど見られませんでした。One to Oneマーケティングは“当たり前”となり、スマホを中心に「画像・イメージ」で情報収集やEコマース体験を行っていくことの重要性を感じました。。

展示会の様子

次回は、eコマースの進化型を感じることができる、シカゴの街中での事例を中心にレポートします。

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立川 哲夫

株式会社いつも.マーケティング事業部 執行役員

メーカー・ブランドの日本流D2C戦略の提唱者の1人。主に楽天市場、Amazonセラー、PayPayモールを同時に活用して、ブランドを維持しながら事業拡大を目指す企業に対して、モデル提言、戦略立案、実行計画策定を行っている。

執筆に関わった書籍:『ECサイト[新]売上アップの鉄則119』(KADOKAWA)、『先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務』(SHOEISHA)、『EC戦略ナビ』(マイナビ出版)、『アマゾンを飲み込め!』(幻冬舎)、『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディアパブリッシング)

株式会社いつも.の紹介

ECマーケティング支援に特化し、EC事業成長に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までをワンストプで提供。日本流D2Cモデルを提言しながら、自社公式ECサイト、楽天市場、Amazon、Yahoo! ショッピング、PayPayモール、海外ECチャネルへの参入・販売拡大サポートを行う。 

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