中川 昌俊 2016/12/6 13:30

アマゾンでは商品の棚入れ、棚出しの効率化を目的として、「アマゾン川崎FC(フルフィルメントセンター)」に可動式の商品保管棚「Amazon Robotics(アマゾンロボティクス)を導入した。そして、そのアマゾンロボティクスを「サイバーマンデーウィーク 2016」の初日となる12月6日に報道陣に公開した。その内覧会の様子をレポートする。

フロアを埋め尽くす可動棚

「アマゾンロボティクス」は、可動式の商品保管棚とその商品保管棚を動かすドライブから成り立っており、商品保管棚のほうから自動的に従業員のもとに移動することで、商品の棚入れ、棚出しのスピード化と効率化を図るもの。

ドライブと可動式商品保管棚

この日公開されたアマゾン川崎FCでは、1フロアのうちほぼすべてが、アマゾンロボティクス用のエリアとなっており、そこを可動棚が縦横無尽に自動的に動いていた。具体的な棚数などは非公開だということだが、かなりの数の棚が動き回る様子が見られた。アマゾンロボティクスのエリアの周りはすべて金網で人が入れないようになっており、その金網の間に一定の距離ごとに棚入れ用の作業スペースと棚出し用の作業スペースが設置されている仕組みとなっている。

フロア内を動き回る商品保管棚

棚入れスペースには、空きがある棚が自動的に運ばれてきて、商品バーコードを専用端末で読み取ったのち、商品を入れた棚にあるバーコードを読み取ることで棚入れが完了となる。商品棚は4面すべてから商品が入れられるようになっており、空きが多くある面や、棚入れする商品の大きさなどに応じて、ドライブが棚を回転させることで、棚入れがしやすいようになっているという。

棚入れスペースでの作業の様子

棚出しスペースでは、運ばれてきた棚のどのスペースにピックアップする商品が保管されているかを画面で表示。作業員はその画面の指示に従い、商品をピックアップし、専用端末で商品バーコードをスキャンして、商品の棚出しを行う。最も効率的に棚出しできるよう、コンピューターで制御されているため、1つの棚から複数の商品を棚出しする作業員の様子が見られた。

棚出しスペースでの作業の様子

首都圏への配送スピードアップのために導入

スペースごとの商品保管率では、従来のアマゾンの棚とほとんど変わりがないというが、最も変わるのは商品の棚入れ、棚出しのスピードと効率だという。特に棚出しのスピードが高まることで、購入者への商品お届け時間の短縮につながるという。川崎FCは主に首都圏などに向け回転率の高い日用品などを取り扱う倉庫のため、アマゾンロボティクスを国内で初めての導入となったという。

世界ではすでに米国や欧州の19の倉庫ですでにアマゾンロボティクスの導入が進んでいる。Amazonでは、今後、既存のセンターや新設するセンターへのアマゾンロボティクスの導入も検討しており、さらなる物流の効率化を進める考えだ。

Amazon川崎FC 外観
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