今、健康食品業界で最も関心を集めていること。それは「健康食品の機能性表示」です。でも“あまり良く知らない”という方も多いのではないでしょうか。簡単にいうと、サプリメントなどの健康食品において、今までは法律の規制で「「目の健康に良い」など直接的な表現できなかったことが表現可能になるのではないかということで、注目されています。連載第1回目の今回は、この「健康食品の機能性表示」の議論の現状について、できるだけ噛み砕いてご紹介致します。

検討会が大詰め迎える

事の始まりは平成25年6月5日、内外情勢調査会における安倍総理の「経済の成長戦略 第3弾スピーチ」まで遡ります。ここで安倍首相の口から「健康食品の機能性表示を解禁致します」という発言がされました。

背景には、健康食品の国内市場だけでなく国際市場の拡大への狙いがあります。そして6月14日閣議決定された後、機能性食品表示に関する規制緩和に向けての検討会が重ねられ現在に至っています。同年12月20日第1回目を皮切りに、先日6月26日には第7回目までを消化、そして次回である第8回目は7月18日に予定されています。まさに今、大詰めを迎えようとしているのです。

健康食品では表現が許されていなかった“機能性表示”ができるようになるかもしれない…というのは大きな一歩であり、健康食品業界の、特に大多数を占める中小のメーカーにとっては悲願といっても過言ではありません。なぜならば、現時点での健康食品では、特定の機能性を表現する事が一切認められていないからです。

例えば、「目の健康に良い」「関節の健康を増進する」等の表現は、医薬品的効能効果の標ぼうに当たる(薬事法への抵触)として禁止されています。言いたいけど言えない・・・そんなジレンマを常に抱えながら、「明るい毎日のために」「生活のふしぶしに」といった遠回りの表現を用いたり、何か良い言葉は無いものかと頭を悩ませているのが現状です。でも一方で、こんな漠然とした表現は、消費者に対しわかりにくいだけでなく、かえって誤解を生んでいるという問題もあります。

かといって国(消費者庁)の許可を受け、特定の保健への関与性を表示できる特定保健用食品(通称トクホ)とするには時間も、そして何よりもお金がかかるのです。

発表と同時に対応が必要に

アメリカのダイエタリーサプリメント(いわゆる栄養補助食品)の表示制度を参考にして、諸外国よりも消費者にわかりやすい機能表示を行うためにはどうしたら良いのか。どのレベルの科学的証明が必要なのか、品質の確保、安全性の保証はどこまでのレベルを求めらるのか・・・。近い将来、それらの懸案事項がまとまり発表されます。

来年の4月1日にこの新制度が解禁になるだろうと予測されていますので、発表がされたと同時に情報を入手し、1日も早く企業としての対策を決め実行に移さなければなりません。関連企業へのフォロー、顧客への説明も必要になってきます。

検討会が第7回目まで終了している今、特定保健用食品のような国の個別審査を必要とせず、あくまでも企業の責任のもとで科学的根拠を有し安全性が確認できていれば、機能性表示ができるようになるとされています。トクホには及ばないものの、今まで言えなかった身体の構造部位及びその増進表現ができるようになるという光が見えてきました。でもまだ、実際の表示の詳細までには落とし込まれていません。核はこれからです。

報道を見ると、消費者庁より報告書が提示され、検討会に参加の各委員の承認を得られれば、次回の第8回目が最後の検討会になるとのことです。次回で決着が付くのか、或いは9回目にズレ込むのか・・・まだまだ目が離せません。

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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