渡辺 裕子 2017/6/28 7:00
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EC事業を成功させるための条件の1つは、自社に適したECシステムを構築することだ。ただ、どうすれば最適なシステムを構築できるのか迷うことも少なくない。今回、ECトータルソリューション「Retail Cube」を提供しているTIS株式会社の山本豪氏が、売り上げを伸ばすECサイト作りのポイントについて、成功事例を踏まえて解説する。 写真◎Lab

サイト構築成功のために実施すべき3ステップ

まずはECサイトの「あるべき姿」を定義した上で、現実とのギャップ(課題)を明確にし、どのようにサイトを構築していくかを決める。目的が不明確だと、サイト構築中にゴールを見失って迷走するリスクがある。また、ECサイトに実装する機能を、担当者の思いつきやこだわりだけで決めてしまった場合、構築時に収集がつかなくなる恐れがある。(山本氏)

売れるECサイトを作る鉄則とは? システム選び・構築前にやるべき3つのステップ TIS株式会社が語るECサイト作りに必要なこと
TIS株式会社 エンタープライズデジタルインテグレーション事業部 デジタルインテグレーション第2部 山本 豪氏

山本氏はこのように述べ、サイト構築の前に実施すべき3ステップを具体的に説明した。

ステップ1 ECサイトの「あるべき姿」を定義する

ECサイトを構築する目的やターゲット層、ユーザーの利用状況、運営コストのあるべき状態を考える。また、EC事業のコンセプトをワン・センテンスで表す(例:時間のない主婦に抜群の使いやすさと、生活のヒントを届けるサイト など)。

ステップ2 現実を把握し、課題を設定する

Google Analyticsのデータや受注データ、運営業務などの数値情報を収集して可視化する。そして、理想と現状とのギャップ(課題)を明確にする。さらに、ギャップが発生している原因はどこにあるのか突き止める。

ステップ3 優先課題と現実的な対応方針を定義する

課題を突き止めたら、効果の高い順に施策の優先順位を決める。また、KGIやKPIの具体的な数値目標を設定する。システム開発にかけるコストや人員などの制約条件を把握し、サイト構築に求める水準を決めておく。

TISはECサイトを構築する上で検討すべき29項目のチェックリストを作成しているという。「検討フェーズで考えておくべきポイントを俯瞰し、チェックできるようにした」(山本氏)と説明した。

売れるECサイトを作る鉄則とは? システム選び・構築前にやるべき3つのステップ TIS株式会社が語るECサイト作りに必要なこと
ECサイト構築で押さえておくべき項目のチェックリスト

ECサイト構築の成功ポイントは「事前の検討」にある

TISは1971年の創業以来、企業の基幹系システムを始め、さまざまなビジネスを支えるITサービスを提供してきた。ECの分野では大規模EC事業者を対象としたフルスクラッチベースのシステム開発のほか、中規模EC事業者をターゲットとした総合ECソリューション「Retail Cube」を提供している。

「RetailCube」はシステム構築前の検討フェーズを支援する「RetailCube BRAIN」、システム構築を実現する「RetailCube BASIC」、必要項目のカスタマイズなど次のステップを解決する「RetailCube ADVANCE」の3つのソリューションで構成させている。

このうちTISが特に力を入れているのは、システム構築前の検討を支援する「BRAIN」だという。つまり、ECサイトの「あるべき姿」を定義することである。

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TISが提供するRetailCubeソリューションのラインナップ

数多くのECシステムの構築を支援してきた山本氏は、自身の経験を踏まえ、「ECシステムを構築する企業の中には事前の検討を十分に行わず、安易にパッケージシステムの開発に着手してしまうケースが少なくない」と業界の課題を指摘。

ECサイトの機能やデザインを決める前に、「EC事業の課題の抽出」「課題解決に必要なサービスや業務の洗い出し」「ECシステムのあるべき姿の定義」などを明確にしておかなければ、開発に着手してから課題が噴出し、当初の計画以上に開発期間や費用がかってしまうことがあると説明する。

ECシステムの構築を成功させるには事前の検討フェーズが最も重要だ。課題や目標、方針、コンセプト、機能要件を明確してから開発に着手する必要がある。(山本氏)

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システム構築を行う前の検討フェーズの実施が成功のカギを握る

百貨店系の宅配商品販売ECサイト構築の成功事例

「Retail Cube」によってECサイトを構築した百貨店系の宅配商品販売の成功事例も紹介した。サイト構築に着手する前の検討フェーズでは、経営目標や現在の経営課題を社長から聞き取ったほか、業務プロセスの調査や現場担当者へのインタビューを行って業務の課題をあぶり出したという。

そして、そのEC事業のKPI・KGIとして「新規顧客層の獲得(20~40代)」「カタログとECによる発注チャネルの拡大」「業務の省力化と効率化」などを設定。具体的な改善施策として①バックヤードのシステム化と業務整理の支援②会員登録時の離脱防止策の充実③魅力ある商品の訴求力を強化――に取り組んだ。

このように検討フェーズにおいて課題を抽出し、ECサイトの「在るべき姿」を明確化した上でECサイトを構築した結果、KPI・KGIを達成したほか、基幹システムとの複雑な連携要件もクリアして開発は予定通り完了したという。

売れるECサイトを作る鉄則とは? システム選び・構築前にやるべき3つのステップ TIS株式会社が語るECサイト作りに必要なこと
百貨店系の宅配商品のネットショップを成功に導いた

最後に山本氏は、「構築前の検討フェーズがECサイトの成功の要否を握っている。ECサイトの構築や作り替えを検討する際は、このことをしっかり押さえ、意思決定をしていくことが重要」と改めて強調し、セミナーを締めくくった。

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