楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】
楽天の2017年1~6月期(中間期)連結業績における国内EC流通総額は、前年同期比14.0%増の1兆5907億円だった。
4~6月期(第2四半期)の国内EC流通総額は8166億円で前年同期比15.2%。前四半期(第1四半期)と比べると成長率は2.2ポイント上昇している。
国内EC流通総額は「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天ブックス」「楽天マート」「楽びん」「フリル」「ラクマ」などのほか、ケンコーコムと爽快ドラッグの合併会社「Rakuten Direct)などの流通額を合算した金額。
楽天市場トピック① 注文件数やユニーク購入者の増加
「楽天市場」を担当する河野奈保常務執行役員は成長要因を次のように説明した。
2016年にスタートした「スーパーポイントアッププログラム」(SPU、エントリー不要でポイントを最大7倍付与する施策)が大きく寄与した。
「R-Karte」(過去のレビュー評価を図表化し、サイトの問題点を可視化するサービス)を通じた改善施策といった施策も寄与している。
注文件数、ユニーク購入者数は安定的に増加。注文件数は前年同期比11.4%、ユニーク購入者数は同7.6%増だった。
楽天市場トピック② 直販ビジネス(日用品)の売上収益規模が拡大
7月1日付けでケンコーコムと爽快ドラッグが合併し、楽天の完全子会社「Rakuten Direct株式会社」の収益規模を公表。
Rakuten Directの4~6月期における売上収益は191億円で、競合大手としてあげた「LOHACO(ロハコ)」を約2.7倍上回っているとした。
楽天市場トピック③ CtoCビジネスの拡大
楽天グループとして手がけるCtoCサービス「ラクマ」「FRIL」は順調に流通総額が拡大。「年間換算で1000億円が視野に入った」と三木谷社長は説明。成約手数料は無料とするキャンペーンを継続しており、「まだ規模を拡大する段階」(三木谷社長)と言う。
楽天市場トピック④ 店舗支援策の寄与
店舗支援とユーザビリティの向上といった施策で取り組んでいるのが「VOM(Voice of Merchants)」「VOC(Voice of Customers)」。「ユーザーの声と店舗の声を聞く施策」(河野奈保執行役員)である。
たとえば、2016年11月にリリースした「R-Karte」(過去のレビュー評価を図表化し、サイトの問題点を可視化するサービス)。「R-Karte」を使った日々の改善活動による施策などが流通総額の伸長につながったとしている。
「上位店舗ほど『R-Karte』を使ってマーケティング活動をしている」と河野執行役員は説明。売上上位店舗における利用率は全体平均の2.3倍となっているという。
2年目に突入した、有力店舗によるコンサルティングサービス「R-Nations(アールネーションズ)」も流通額の増加に寄与した。
第2期の参加店舗による4~6月期の平均月商は前年同期比で77%増。有力店舗のコンサルティングが大きな成果をあげているようだ。
楽天市場トピック⑤ 楽天カード決済の拡大
楽天グループの各種サービスのクロスユースを促進していることを受け、「楽天市場」流通総額における楽天カード決済比率は右肩上がり。2017年6月度は52.4%に拡大している。
楽天市場トピック⑥ モバイル比率の拡大
「楽天市場」のモバイル流通総額比率は前年同期比4.7ポイント伸び63.3%。