宅配ボックス設置で再配達率が43%から15%に減少、配送業務は17時間/月の削減効果
宅配ボックスの再配達削減効果に関する実証実験を行ったパナソニックと京都市、京都産業大学は3月19日、宅配ボックスを設置したことで再配達率が43%から15%に減少したとする調査結果を公表した。
実証実験は2017年11月から2018年1月に実施。京都市内にあるアパート(5か所、合計106世帯)にパナソニック製のアパート用宅配ボックス「COMBO-Maison(コンボ-メゾン)」合計39台を設置したほか、京都産業大学のキャンパス内にも公共用の宅配ボックスを置いた。
アパート住民への出口調査やモニターへのアンケートなどで宅配ボックスの利用実態を調査したところ、配達総数117回のうち、1回で受け取ったのは66回(57%)、宅配ボックスで受け取ったのは33回(28%)、再配達は18回(15%)だった。
宅配ボックスで荷物を受け取った割合(28%)を再配達削減効果とみなした。
再配達の主な理由として、「大きすぎて入らなかった(9回)」「冷蔵品であった(2回)」「ボックスがいっぱいだった(2回)」「使い方不明(1回)」があがった。再配達の理由の半数は荷物の大きさが原因だったことから、大型の宅配ボックスを利用することで再配達率をさらに削減できるとしている。
また、再配達の減少で、宅配事業者の業務時間が3か月間で約50時間削減できたとする独自の試算結果も示した。
実証実験のプロジェクト名は「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」。京都市が主催し、パナソニック、京都産業大学、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便が協力して実施した。
パナソニックはこれまで、福井県あわら市と共同で宅配ボックスの実証実験を実施。宅配ボックスを設置したことで、再配達率が設置前の49%から月間平均8%に減少したことなどを公表している。
調査内容
- アパート
3か所66世帯で、7日間/月×3回(11月、12月、1月)で出口調査を実施、モニター学生11名にアンケート調査を実施 - 京都産業大学
学生と職員のモニター数51人。そのうち利用者29人の利用ログデータ、および、宅配事業者による未納品荷物調査より把握。また、モニター学生と職員12名にアンケート調査を実施