渡部 和章 2018/8/3 9:00

矢野経済研究所が7月24日に公表した「2018年版 食品の通信販売市場」によると、2017年度の食品通販市場(小売金額ベース)は前年度比3.0%増の3兆5985億円の見込み。2021年度には4兆135億円に拡大すると予測している。

食品通販市場の推移

食品通販市場の推移

2017年度における食品通販市場のチャネル別比率は「生協」が39.6%、「ショッピングサイト」が37.2%、「食品メーカーダイレクト販売(直販)」が16.5%、「ネットスーパー」が3.9%。

食品通販のチャネル別市場規模構成比(2017年度)

食品通販のチャネル別市場規模構成比(2017年度)

2017年度の市場概況について、矢野経済研究所は次のようにまとめている。

特にインターネット通販を中心に、通信販売で商品を購入するという購買行動が一般化する中、本来は実際に自分で商品を確かめて購入したいというニーズが底堅い食品においても、通信販売で購入するというケースが年々定着してきていると考える。日本では、少子高齢化に伴う人口減少で、内需縮小が避けられない中、食品通販、ならびに通販市場は数少ない成長市場であることから、新規参入企業が後を絶たない。通信販売で食品を購入することへの抵抗感が弱くなってきているとはいえ、食品小売市場全体から見たら、現状ではまだほんの一部に過ぎず、更に拡大していく見通しである。

近年の食品通販業界のトピックスとして「ミールキット」(半加工済食材や調味料などの献立セット)の市場が伸びていることを上げた。また、今後も「ショッピングサイト」が成長率を維持すれば、数年以内に市場規模で「生協」を抜くと予測している。

一方、懸念点として、配送における人手不足や配送コストの上昇によって、ネットスーパーなどの市場成長にブレーキがかかる可能性も指摘している。

「2018年版 食品の通信販売市場」調査概要

  • 調査期間:2018年4月~6月
  • 調査対象:通信販売事業者、食品関連企業、生協、食品小売事業者、食品卸等
  • 調査方法:当社専門研究員によるアンケート調査、電話取材、ならびに文献調査併用
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