内山 美枝子 2019/2/13 9:00

ヤフーは2月12日から、愛媛県宇和島市の復興支援を開始した。宇和島市では2018年7月の豪雨により、住居や事業所の浸水や倒壊、農地の崩壊や冠水など、広範囲にわたる被害が生じた。死者13名、農業関係の被害件数は約8,000件、被害総額は約210億にのぼった。

今回の取り組みは「エールマーケット」での特産品の販売、「災害に係る情報発信等に関する協定」の締結、「Yahoo!ネット募金」での募金開始の3つ。

「エールマーケット」でブラッドオレンジ商品を販売

宇和島市の主力商品は温州(うんしゅう)みかん。ポンカンや河内晩柑(かわちばんかん)の出荷量も多いが、今回販売されるのは「JAえひめ南のブラッドオレンジジュース」(税込 3,800円)、「ブラッドオレンジ “タロッコ” 5kg(税込 2,800円)」、「ブラッドオレンジ “モロ” 5kg」(税込 2,800円)の3商品。

イタリア生まれ、愛媛育ちのブラッドオレンジを搾ったジュース
JAえひめ南のブラッドオレンジジュース 720ml×2本 愛媛県より産地直送
「エールマーケット」は東日本大震災をきっかけに2011年12月に誕生した「復興デパートメント」が母体。東北の商品を販売していたが、2018年10月に対象地域を全国に拡大した

宇和島市では約10年前からブラッドオレンジの出荷を始め、現在は出荷量も安定してきた。

ブラッドオレンジはまだまだ生産量は少ないが、産地を担う若い人たちの希望の光になればと思っている。被害が多かった地域には180名の農協組合員がいるが、そのうち40名が新規就農者。この地域の被害を非常に心配したが、今回ヤフーの支援を受け、ニューフェイスのブラッドオレンジを世に送り出すことができ、感謝している。(えひめ南農業協同組合 代表理事組合長 黒田義人氏)

宇和島のブラッドオレンジ
ブラッドオレンジはその名の通り、血のように真っ赤な果肉が特徴。ジュースは色つきが良い「モロ」と、甘みが強い「タロッコ」という2つの品種をミックスしたもの

2018年7月の豪雨に関連し、ヤフーではすでに3,500万円の寄付や5.9億円の募金、物品支援などを行っているが、今回のような販売支援は宇和島市が初めて。

「災害に係る情報発信等に関する協定」の締結

「災害に係る情報発信等に関する協定」とは、ヤフーと自治体が連携し、災害時に自治体や地域住民が必要とする情報発信を強化することを目的としたもので、すでに多くの自治体が協定を結んでいる協定締結済み自治体一覧はこちら

「Yahoo!防災速報」アプリを通じて避難所の開設などの情報を発信できるほか、災害時にアクセスが集中することが多い自治体のサイトのキャッシュサイトをヤフーのサーバー上で表示し、アクセスを分散する。オリジナルサイトで情報が更新されると、コピー側でも情報が更新される。

宇和島市とヤフーの連携 災害協定で災害時の情報発信を強化
災害協定により「Yahoo!防災速報」アプリで自治体からの緊急情報を発信できるほか、キャッシュサイトの表示で自治体のサーバーダウンを抑制する

Yahoo!ネット募金での募金開始

「Yahoo!ネット募金」において宇和島市復興支援のための募金をあらためて開始する。宇和島市復興支援の募金は「被害額350億円を超えた宇和島の復興のため、いま、もう一度支援を届けたい」というプロジェクトで開設し、寄付金は主に被災した農家、現地で復興支援活動をするNPOなどの団体への支援に使用される予定。

ヤフー 社会貢献事業本部長 妹尾正仁氏、宇和島市長 岡原文彰氏、えひめ南農業協同組合 代表理事組合長 黒田義人氏
(左から)ヤフー 社会貢献事業本部長 妹尾正仁氏、宇和島市長 岡原文彰氏、えひめ南農業協同組合 代表理事組合長 黒田義人氏

昨年7月の豪雨はかけがえのない市民の命、水、柑橘をはじめとする生業の礎を失い、希望のすべてを摘み取られるような瞬間だった。その後、国内外の多くの方々の支援をいただき、いま復興のスタートラインに立ったところ。災害の発生から7か月。まだまだスタートラインということで、今回のヤフーの支援はありがたい。復興に向けてのスタートダッシュが切れると思っている。(宇和島市長 岡原文彰氏)

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