石居 岳 2019/5/21 7:00

市場調査やマーケティングリサーチのインテージは5月16日、60歳代のシニア層によるインターネットの利用実態調査を発表した。それによると、シニア層が利用するECサイトは「楽天市場」が83.3%で最も多かった。

このほか、「Amazon」が70.3%、「Yahoo!ショッピング」は52.9%となり、「Yahoo!ショッピング」の利用率が全体に比べて13ポイント高いのが特徴となっている。

ECサイトに限らず、全体の利用率上位サイトを見ると、トップ5は「Yahoo!」「Google」「楽天市場」「Amazon」「YouTube」の順。6位以下では、「LINE」「Facebook」「Twitter」といったSNSが並んでおり、利用率は40~50%台を占めている。

シニア層においては、ポータルサイト「Yahoo!」の利用率・利用時間がトップ。ポータルサイトから直接アクセスしやすい「Yahoo!ショッピング」の利用率を高めていると考えられる。

インテージは60歳代のシニア層によるインターネットの利用実態調査を発表

品質の裏打ちがなければ買わない

シニア層の消費意識のうち、全体の結果と比べて際立っているのは「話題性があっても、品質の裏打ちがなければ買わない」や「ものを買うときは、価格にみあう価値があるかを吟味する」などとなっている。インターネット上で話題になっているものや、口コミへの関心は低く、実際に自分で試して、より良いものを自分で選んで発見するという意識が見られる。

商品に望む要素は、「ブランドにかかわらず、自分が気に入ったモノが最高」としており、「気に入った商品やサービスは長く買い続ける」との回答が多かった。

見た目や新しい機能よりも、基本的な機能や品質がしっかり保証されている商品を求める傾向が高くなっている。ネットショッピングをするときは、試したことのない新しい商品を買って挑戦するよりも、以前店頭で実際に購入した経験があるものや、長年にわたって愛用し続けているものなどを選ぶ傾向があるとみられる。

インテージは60歳代のシニア層によるインターネットの利用実態調査を発表

スマホの利用率は4割、2年で10ポイント上昇

インテージが毎年12月に実施している「マルチデバイス利用調査」の結果によると、60代のインターネット利用率は7割、スマホの利用率は4割となっている。60代のスマホ利用率はこの2年間で10ポイント上昇しており、利用率の上昇は今後も浸透すると考えらえる。PCもスマホと同様の利用率となっており、シニア層にとってPCも重要なデバイスとなっている。

インテージは60歳代のシニア層によるインターネットの利用実態調査を発表

スマホでの行動に関するデータによると、60代の「口コミ・評価を調べた」は全体に比べて10ポイント以上低く、SNSでの影響で商品を購入するのは少ないことが分かった。こうした傾向から、60代にアプローチする企業は、「スマホに特化しすぎないこと」「商品の話題性より信頼性を高めること」といった配慮が求められそうだ。

インテージは60歳代のシニア層によるインターネットの利用実態調査を発表

マルチデバイス利用調査

  • 調査地域:日本全国
  • 対象者条件:15~69 歳の男女
  • 標本抽出方法:RDD(無作為番号による電話調査)
  • ウェイトバック:インテージ独自のデータ採寸方法にてウェイトバック
  • 標本サイズ:n=7024
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