テレビショッピングとECの融合を進めるすごい施策――テレビ通販の画面にQRコード表示でECサイトへ誘導&決済
テレビショッピングの放映中、画面内に商品申し込み方法としてQRコードを表示してECサイトでの購入を案内、Amazonユーザーであれば「Amazon Pay」を使い簡単に決済できる――。テレビ通販業界初となるこんな取り組みがひっそりと始まった。
テレビ通販ブランド「ダイレクトテレショップ」を展開するテレビショッピング研究所が6月20日深夜にBS局で放映した29分尺のインフォマーシャルで、コードレス電気シェーバー「FLAWLESS(フローレス)」を販売した。
前半から中盤は商品の紹介。そして番組後半、画面の左側と下側に「Amazon Pay」で購入できる旨を記載した案内とQRコードを60秒超表示し、視聴者にQRコードスキャンを促した。
QRコードをスキャンすると『ダイレクトテレショップ』のECサイト内に用意したランディングページに移動。商品紹介はテレビで行っているためLPは「Amazon Pay」での決済を促すシンプルな構成となっている。
Amazonアカウントを持っているユーザーであれば、個人情報やカード情報を入力せずに、わずかな時間で簡単に商品を購入できるようにした。
テレビ通販に存在しているEC連動の課題
テレビ通販の番組では、フリーダイヤルを購入方法として案内し、電話注文を促すのが一般的。QRコードを表示してECサイトへ誘導する方法はテレビ通販業界では見受けられるが、今回の取り組みは単なるECサイトへの誘導ではない点がおもしろい。
視聴者をECサイトへ誘導しても、そこから住所やクレジットカード情報を入力していたのでは、せっかく高まった購入意欲が減退するケースもある。
また、「電話をするのがめんどくさい」といった視聴者もある一定層存在しているとみられ、電話注文に頼るビジネスモデルでは販売機会のロスが少なからず発生していると考えられる。
今回の「QRコード」「Amazon Pay」を使ったテレビショッピングは、「電話をするのがめんどくさい」といった視聴者層を、ECサイトへ誘導するといった効果が期待される。
テレビ通販番組の放映中、コールセンターの席数を電話件数が上回った場合、超過した入電は自動応答によって対応するケースが圧倒的に多い。つまり。自動応答によって販売ロスが発生するケースが考えられるため、QRコードを使った「Amazon Pay」決済ページへの誘導によって販売機会損失の減少にもつながることが期待できそうだ。