日本人の73%がモバイル端末でECを利用。越境ECの利用率は11か国中で最下位
日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、インドの11か国の消費者22,000人と事業者4,600社を対象に、PayPal(ペイパル)が「モバイル端末」「越境EC」「ソーシャルコマース」の利用状況について調査し、その結果を発表した。
73%がオンラインショッピングにモバイル端末を利用率
買い物にモバイル端末(スマホ/タブレット)を利用する割合をたずねたところ、最も高かったのはインドの88%、次いでブラジルとメキシコが共に76%、日本はイギリス、オーストラリアと同じ73%だった。
インドは完全なモバイルファースト社会。その他の国では通勤電車の中でスマホでショッピングをする習慣があるのか、家に帰ってからPCでゆっくり買い物することを好むのかといったライフスタイルの違いが出ているのではないか。(PayPal東京支店 加盟店営業部 部長 野田陽介氏)
消費者側に「オンラインショッピングでモバイル端末を利用したいかどうか」を質問し、事業者側に「モバイルに最適化されたアプリまたはサイトを提供しているかどうか」を聞いたところ、日本は「買い物にモバイル端末を利用したい」とする割合が11か国中4位だった一方、モバイルに最適化されたアプリまたはサイトを提供している割合は49%と、11か国中もっとも低かった。
日本の消費者にモバイルコマースを利用する障壁についてたずねたところ「セキュリティや信用」が28%で最も多かったが、世界平均で同項目は51%だった。日本の消費者は他国と比べ、モバイルコマースに対する障壁は全般的に低いと言える。
日本人の越境ECの利用は進んでいない
オンライン販売を行っている各国の事業者に海外の顧客からの売上の割合について聞いたとことろ、最も高かったのはインドの47%、次いでフランスの40%。日本は26%と最も低かった。
日本の消費者が越境ECを利用する割合も、11か国中最も低い。理由として高かったのは、自国の企業をポートすることを好む傾向があること、海外サイトの信頼度が低いこと。
SNSを介したショッピングの利用状況
ソーシャルメディアを介して買い物をする消費者はインドが57%と最も多く、最も低いのはイギリスの16%で世界平均は30%。ソーシャルコマースに使用されているプラットフォームは日本ではLINEが1位。年代別では18歳~36歳が3割超と高い。グローバルではFacebook(16%)やInstagram(11%)の利用率が比較的高い。
「ソーシャルコマースに対応している」と回答した事業者は22%と11か国中2番目に低い
日本の事業者の26%は「ソーシャルメディアを介してどのように販売すれば良いのかわからない」と回答し、顧客情報のセキュリティについても懸念している。
調査実施概要
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2019年7月23日~8月25日
・調査国:11か国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、インド)
・回答者数:コンシューマー22,000人(2,000/国、18歳〜74歳)および、マーチャント4,600社(300社〜500社/国)