2016年のグローバルEC市場は160兆円、越境EC利用額の世界一は中国
PayPalが3月22日に公表した「越境ECグローバル調査2016」によると、2016年の主要32か国におけるEC市場の合計額は約160兆円(1ドル=110円換算)だった。国別の市場規模で上位5カ国は米国、中国、日本、英国、フランス。
米国と中国でEC市場全体の約60%を占めるなど、2か国の市場規模は突出している。
各国の2015年から2018年における年間平均成長率を見ると、インドの38%が最も高い。中南米やアフリカ各国は現在の市場規模が小さいものの、成長率は軒並み20%を超えており、今後インターネット人口の増加やインフラ整備によって市場拡大が予想される。
中国からの購入先は日本がトップ
越境ECの規模(各国の消費者が越境ECで購入した金額)が最も大きいのは中国だった。国別の越境EC市場規模は円換算で中国が約7兆1000億円、2位の米国は約4兆8000億円、3位はインドとフランス、イギリスが約9000億円で並んだ。日本はデータ不足だったため越境ECの調査対象に含まれていない。
中国の消費者が越境ECを利用する際の購入先国は、日本と韓国が同率(13%)で1位。3位以下は米国(9%)、フランス(4%)、オーストラリア(4%)、英国(3%)、タイ(3%)、シンガポール(2%)、ニュージーランド(2%)、ドイツ(2%)の順だった。中国人が越境ECで日本から買い物をする理由は、「商品の品質」(59%)「自国で買えないこと」(59%)「ショップへの信頼性」(40%)が多い。
米国の消費者が越境ECを利用する際の購入先国は中国(14%)が1位。2位以下は英国(10%)、カナダ(7%)、日本(5%)、韓国(4%)、フランス(3%)、ドイツ(3%)、イタリア(3%)、スペイン(3%)、アイルランド(3%)となっている。
アメリカの消費者が日本から商品を購入する動機は「価格」と「新しい商品の発見」が上位だった。
中国と米国の消費者が好むECサイトとは?
中国と米国のオンラインショッピング利用者の「越境ECでのショッピングに対する考え方」を調査した項目からは、越境ECにおいて大手ECサイトや自国のECサイトが好まれる傾向が浮かび上がった。
「他国のサイトで購入する際、グローバルサイト(例:AmazonやeBay)を好む」に同意すると回答したユーザーはそれぞれ7割を超えた。一方、「自国のオンラインストアと同様に他国のサイトを信用している」「他国のオンラインストアで購入するのは大抵安心している(心配していない)」という項目に同意すると答えたのは半数以下にとどまっている。
「越境ECグローバル調査2016」は、日本を含む世界32か国の約2万8000 人の消費者を対象に、オンラインショッピング、および、越境 EC に関する行動と意識について、調査した。