旧メディアハーツ(現ファビウス)、定期購入の表現巡る消費者団体の差止請求訴訟で一審勝訴

定期購入の表現が「有利誤認」に当たるとし、不当表示の差し止めを求めた消費者団体の訴えを名古屋地裁が棄却した。消費者団体は1月9日に控訴した

渡部 和章

2020年2月5日 10:00

通販サイトの表現が景品表示法に違反しているなどとして、消費者団体が青汁通販のメディアハーツ(現在の社名はファビウス)に対して不当表示の差し止めを求めた訴訟で、名古屋地方裁判所は消費者団体側の請求を棄却した。ファビウスは1月27日に勝訴したと発表した。消費者団体側は判決を不服として1月8日に控訴している。

提訴したのは特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海。消費者の利益を守るために、事業者に対して表示の差し止め請求などを行える「適格消費者団体」に認定されている。

消費者被害防止ネットワーク東海は2018年1月、メディアハーツ(社名は当時)が運営するECサイトの定期購入の表示が景品表示法に違反しているなどとして、表示の差し止めを求めて提訴した。

定期購入コース「ラクトコース」は4カ月分以上を購入する必要があり、支払い総額は最低でも1万1070円だが、通販サイトには初回購入の金額が630円であると目立つように表示しており、そのことが消費者の誤解を招くと主張した。また、返金の仕組みが消費者にとって分かりにくいなどとした。

消費者被害防止ネットワーク東海は、こうした表現は景品表示法が禁じる有利誤認(実際の取引よりも有利な取引であると消費者を誤認させること)に当たるとし、表示を変えるよう求めていた。

これに対し、名古屋地裁は消費者被害防止ネットワーク東海の請求を棄却した。

ファビウスによると、名古屋地裁は「(契約の)条件は十分明示されており(略)、社会一般に許容されている誇張の限度を超えて販売価格の有利性があると誤信させるものであるとは言えない」「初回の支払金額を定額にする表示が(略)有利誤認表示にあたるとは言えない」との判決を下したとしている。

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