新型コロナによる消費の減小額は?3-4月で8.4兆円、緊急事態宣言後は4.9兆円規模と試算
りそな総合研究所は4月9日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言によって、消費への影響に関する試算を公表した。それによると、緊急事態宣言による消費の減少規模は全国で4.9兆円と推計している。
消費の減少は2月頃から顕在化しており、3月時点ですでに全国で3.5兆円の減少が始まったと推計。3-4月で約8.4兆円規模の消費減少が見込まれている。
試算の前提として、今回の宣言により関東(1都8県)、関西(2府4県)では関連消費が85%、九州・沖縄では75%、その他の地域では70%が減少することとした。関連消費については、外食・宿泊、娯楽・レジャー、被服・履物のほか、交通の一部とした。
これらの結果、今回の緊急事態宣言による消費の減少規模は、全国で4.9兆円、関西で8493億円と推計。なお、関東は2.1兆円、九州・沖縄では4687億円の減少となる見込み。これらがGDPあるいは各地域のGPR(域内総生産)に占める比率は、全国で0.9%に上ると試算している。
短期的なインパクトを測るため、対象期間中のGDPやGRPに占める比率を見ると、全国で10.8%、関西では12.2%、関東は11.2%、九州・沖縄は11.4%であることから、地域別に見ると関西の12.2%が最も大きい。
ただし、消費の減少は2月頃から始まっており、すでに3月時点では、全国で3.5兆円、関西で5995億円の減少が始まっていたと推計。その前提として、関東、関西では関連消費の60%の減少、その他の地域では50%の減少を想定している。仮に4月のもともとの基調を3月と同様と考えると、緊急事態宣言による正味の影響は全国で1.4兆円になるとしている。
一方、今回の試算に含まれない動きとして、「巣ごもり消費」の増加があげられる。これは主に、スーパーなどでの食品需要の増加に加え、郊外での外食のテイクアウト需要の増加などが想定される。宣言後はさらに「巣ごもり消費」が増加し、消費の落ち込みを和らげる役割を果たすことになると予想している。