コロナ禍のEC消費は堅調に推移 アパレルは停滞、旅行・宿泊が回復基調
Finatextホールディングスの子会社ナウキャストとジェーシービー(JCB)は8月3日、国内消費動向指数「JCB消費NOW」の7月前半(7月1日~7月15日)の速報値を公開した。
「EC」や「コンテンツ配信」といったデジタル消費は、コロナ感染拡大前に比べて20%以上の高い伸び率が続いている。「コンテンツ配信」は2か月ぶりに伸び率を大きく拡大し、巣ごもり消費が復活している可能性が考えられる。
最も消費が落ち込んだ4月後半から続いていた「全総合」の伸び率がマイナスに転じた。特別定額給付金支給やポイント還元事業終了前の駆け込み需要などにより消費が押し上げられていた可能性のある「家電」や「家具」「アパレル(織物・衣服・身の回り品小売業)」などの「小売総合」が落ち込み、4月後半から続いていた「全総合」の回復傾向が足踏みしている。
家電などを含む「機械器具小売業」や「家具」などの耐久財消費は伸びが鈍化。「家具」は大きくプラス幅が縮小する一方、「機械器具小売業」の伸びは縮小したものの、コロナ感染拡大前に比べて約20%プラスの状態を維持している。
5月後半以降急回復していた「アパレル(織物・衣服・身の回り品小売業)」「百貨店」は、4月後半以降で初めて前半月から悪化し、回復に足踏みがみられる。
コロナ感染拡大前に比べ大きく消費が落ち込んだ外出型のサービス消費業種は総じて回復傾向にあるが、回復傾向に差が出た。「外食」「交通」は回復が足踏みした一方、「旅行」「宿泊」「娯楽」は6月後半に続いて回復基調が続いている。「娯楽」では「ゴルフ場」の回復が鈍化したものの、「映画館」は回復傾向を維持し、一部制限付きでの営業が本格的に再開された「遊園地」は、6月後半の84.5%減から40.5%減まで回復した。
「JCB消費NOW」は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、“現金も含めた国内消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供するサービス。クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っている。