【国内消費】「小売総合」「サービス総合」は足踏み、「百貨店」「アパレル」の外出型消費落ち込む、「EC」は好調
Finatextホールディングスの子会社ナウキャストとジェーシービー(JCB)は9月1日、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数「JCB消費NOW」の8月前半(8月1日~8月15日)の速報値を発表した。
「小売総合」「サービス総合」ともに7月後半より低調となり、「全総合」の回復基調は足踏みが続いている。「百貨店」や「アパレル」など外出型消費が落ち込む一方、「家電(機械器具小売業)」や「家具」の耐久財消費、「EC」や「コンテンツ配信」といったデジタル消費が好調に推移した。
8月前半は、比較的コロナ前の状態を回復してきていた「小売総合」が低調となり、「全総合」は7月後半よりもわずかに下落幅が拡大。「サービス総合」もわずかに下落、消費の回復傾向は足踏みの状態が続いている。
6月後半以降伸び率の縮小がみられていた「EC」は8月前半、再度拡大に転じた。「コンテンツ配信」も7月後半より伸びが拡大し、8月前半のデジタル消費はコロナ感染拡大前に比べて約20~30%の高い伸び率となった。コロナ感染が再拡大したことで、オンラインでの消費を積極的に行ったことが考えられる。
家電などを含む「機械器具小売業」や「家具」などの耐久財消費は7月後半以降、10~20%の高い伸びが続いている。特に家電は、猛暑の影響で7月後半以降強い伸びを示している。猛暑の影響で季節性の高い「モノ消費」は回復している。アイスクリームや麦茶、ビール、エアコンなど「夏モノ」消費は回復している。
「ファミレス」や「百貨店」「アパレル(織物・衣服・身の回り品小売業)」などの外出型消費は低調となっている。
「Go Toトラベル」キャンペーン期間中の8月前半、7月後半に比べて「旅行」「宿泊」は下落幅を縮めた。しかし、新型コロナウイルスの感染が全国で再び拡大したため、ふるさとへの帰省を見送る、外食を控える、余暇は近場で過ごすなどの傾向が高まり、「交通」は悪化傾向、「外食」は悪化した。
急回復していた「娯楽」も「遊園地」が大きく下落幅を拡大し、回復基調は足踏み。ただ、「喫茶店・カフェ」や「ゴルフ場」などは引き続き回復傾向にある。
「JCB消費NOW」は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、“現金も含めた国内消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供するサービス。クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っている。