コロナ禍(1-3月)の自社EC利用はどうだった? 新規顧客は平均6割増、客単価は微増【フューチャーショップ調査】
SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップは、2021年1-3月の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果を公表した。新たに自社ECサイトを利用した新規顧客は月平均で前年同期比56.52%増、注文件数は同47.68%増だった。
「futureshop」シリーズを利用している店舗数は2800店以上。業種別の流通総額は1年以上継続利用している店舗に限定して調査。注文件数の変化などは、調査対象に、2020年と2021年1月~3月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出して調査した。
業種別の伸び率について
業種別の流通総額の変化について、「車用品・バイク用品」の流通総額が2020年1-3月平均と比べて、2021年1-3月平均は220%増。「スイーツ」「食品」は継続的に高い伸び率を維持しているという。
注文件数の変化
2021年1-3月の月平均の注文件数は、前年同期比で47.68%増。2020年2月頃から日本でも新型コロナウィルス感染症が拡大、ネット通販の利用が伸び始めた。そのため、2021年2月以降、伸び率は低くなっている。
購入単価の変化
パソコンはスマートフォンより2割程度、購入単価が高い傾向が続いている。
3月の伸び率が他の月と比べて高いことについて、フューチャーショップは次のように推測している。
一般的に、既存顧客の購入単価は新規顧客よりもやや高い傾向が見られる。昨年3月は在宅推奨の呼びかけを受けたEC新規顧客が増加。一方、今年3月は既存顧客の購入が増加したため、単価自体は他の月と変わらないものの、昨対比では高い数字が出たと予想する。
新規顧客利用状況
2月、3月と増加率が低下しているのは、2020年2月頃から徐々に新規のEC利用が増加していたためと推測している。
決済手段の変化
決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つにわけ、各月の総注文件数の割合を調べた。ID・QR決済利用が増加し、現金利用が減少している。
決済方法を3つとも提供している店舗に限定して(n=332)調査結果では、現金から他の決済方法への移行が進んでおり、ID・QR決済の利用率が現金を上回った。キャッシュレス利用が全体の約3/4を占め、ID・QR決済利用は3割を超えている。
「futureshop」シリーズはコロナ禍で新規導入店舗が増加し、2020年4月の2500店舗から2021年2月には2800店舗を突破。2020年度の流通総額は前年度比48%増の1550億円を記録した。