森田 秀一[執筆] 2023/11/13 8:00
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「ストア・エキスプレス」は、衣料品販売店向けにハンガーラックやワゴンといった什器(じゅうき)や備品を販売するBtoB-ECサイトだ。運営スタッフは6人と小規模で、スキルなどにも課題があってマーケティング施策に苦労していたという。

サイトリニューアルを機に導入したのがマーケティングツール「EC Intelligence」。ストア・エキスプレスを運営する店研創意の中島徹氏(ストアエキスプレス事業部 通信販売部 部長代理)と、「EC Intelligence」を開発・提供するシナブルの曽川雅史執行役員が、EC運用の実態と「EC Intelligence」がもたらした大きな変化について語り合った。

少人数で運用するECの悩み

店研創意は衣料品の卸からスタートした企業で、現在は衣料品店で使われる什器や店内装飾備品、ラッピング用品などの販売に力を入れている。自社開発のオリジナル什器を多数ラインアップしており、全国のショッピングモール内店舗に多数導入されている。店舗販売以外の販路は、カタログ販売やモールへの出店のほか、自社ECサイト「ストア・エキスプレス」も運営している。

ストア・エキスプレスは2021年春、現在のECサイトにリニューアルした。10年以上にわたって利用していたフルスクラッチによるECプラットフォームを「ecbeing」に入れ替えたのが最も大きな変更点だが、マーケティング面ではシナブルの「EC Intelligence」を導入した。これには明確な理由があった。

リニューアル前からCRMやレコメンド、サイト内検索など、有名ベンダー製品を中心に多数実装していたが、どれも使いこなせないのが実情だった。EC専業でもないうえ、社内異動ではECに詳しくないメンバーも入ってくる。6人という少数の人員でも使いやすいツールがないか、探していたなかで出会ったのが「EC Intelligence」だった。(中島氏)

店研創意 ストアエキスプレス事業部 通信販売部 部長代理の中島徹氏
店研創意 ストアエキスプレス事業部 通信販売部 部長代理の中島徹氏

有名なツールを導入しても使いこなせない――。これはストア・エキスプレスにとって大きな問題だった。メールによるレコメンドも今や見慣れた施策だが、当時のストア・エキスプレスで実現しようとすると労力が大きく「ツールベンダーに逐次問い合わせを入れながら何とかこなしていた」と中島氏は明かす。ツール間の連携にも苦労していたという。

導入後のコストが半分に

「EC Intelligence」の導入にあたっては、中島氏が自ら情報収集を行った。リニューアル担当会社の提案も大きな要因だったが、決定打となったのはオールインワンの仕様とコストだった。

メール送信からレコメンドまで、1つの管理画面から操作できるのは特に魅力的だった。またコストも重要。以前導入していたツールはどれも高機能だったがその分コストも高かった。改めて計算したが「EC Intelligence」導入後のコストは半分になった。これには本当に感謝している。(中島氏)

「EC Intelligence」はWebサイトにおけるデータの自動収集はもちろん、顧客管理(CRM)、ユーザー行動分析、メールマガジン配信など、EC運営に必要な各種機能をワンストップで提供しているのが大きな特徴だ。また、使いたい機能をユーザーが自由に選ぶことができ、価格は機能の数などに応じて変動する料金体系になっている。

ストア・エキスプレスでは「EC Intelligence」の機能のうち、アナライズ(サイト分析)、顧客管理、ターゲット抽出、ダッシュボード、検索、レコメンド、Web接客、アンケート、メール送信という9つの機能だけを契約し、利用している。

ストア・エキスプレスでは青い部分の機能のみを利用している
ストア・エキスプレスでは青い部分の機能のみを利用している

中島氏はストア・エキスプレスで利用している各機能の代表的な利用方法を解説した。

①サイト内検索

トップ画面の商品検索フォームではキーワード入力中に候補がサジェスト表示されるが、これはまさに「EC Intelligence」の機能がベースになっている。

キーワードのサジェスト表示
キーワードのサジェスト表示

検索結果に関連商品一覧表示するだけでなく、関連の特集ページをバナーで表示させているのもこだわりのポイントだ。

中島氏の経験では、BtoC型のECサイトではユーザーが「何か良いものはないか」と、探すこと自体を楽しみながらサイトを回遊する例が多いが、ストア・エキスプレスのようなBtoB-ECサイトでは、はっきりとした目的を持って来訪するケースが大半だという。その目的を達成するまでにかかる時間を少しでも短縮できるように、多様な情報を提示したいというのが、検索結果画面にバナーを表示させている狙いだという。

検索結果に特集ページをバナーで表示
検索結果に特集ページをバナーで表示

また、「ゼロ件ヒットクエリ」の管理もしている。入力したキーワードに対して該当する商品がなければ、サイトを離脱してしまう可能性が高まる。そこでゼロ件ヒットだったクエリを確認し、関連のありそうなキーワードを類語としてひも付けておく。こうしておけば、対象のキーワードが次に検索された際には別の商品を提示できる。結果としてユーザーの利便性も向上するというわけだ。

ゼロヒットクエリの対応例
ゼロヒットクエリの対応例

②レコメンドエンジン

ストア・エキスプレスがリニューアル前に使っていたツールでは、商品のレコメンドは商品やユーザー単位で表示回数ごとに課金されていた。よってコスト管理にシビアにならざるを得ず、ページによってはレコメンドの掲載を見送っていた。

しかし「EC Intelligence」の場合は、サイト全体のPVによって毎月の固定費が決まるため、予想外にレコメンド回数が増えても後日コストで慌てるようなことがない。そのため、さまざまな場所に遠慮なくレコメンドを表示できる。現在はメールマガジンにも積極的にレコメンド商品を掲載している。

商品ページに「同じ商品を見た人がよく購入する商品はこちら」や「同じカテゴリの売れ筋アイテム」などを表示できる
商品ページに「同じ商品を見た人がよく購入する商品はこちら」や「同じカテゴリの売れ筋アイテム」などを表示できる

③MA、CRM(メール配信、分析)

カート落ちや閲覧落ち、購入後のフォローやレビューのお願いなど、ユーザーの行動に基づいた、いわゆるシナリオ型のメール配信も、「EC Intelligence」導入後は利用回数が大幅に増えた。

MAツールの使いやすさに関してはベンダー各社が取り組んでいるが、ストア・エキスプレスにおいてはサイトリニューアル前に導入していたツールと比較して操作難度が大幅に低下したことが、利用増につながったと中島氏は分析する。

④接客機能

ストア・エキスプレスで最も利用頻度が高いのが接客機能だという。サイト閲覧中のユーザーに、ポップアップでメッセージやお得な情報を表示するというのが基本的な機能だが、ストア・エキスプレスでは、特定カテゴリやクエリのレコメンド商品をコラムページに表示させたり、送料や配送に関する注意を必要なページに表示させたりといった活用もしている。

ページ表示が止まったユーザーに「お困りですか?」のメッセージを表示したりするのがWeb接客の定番だが、それ以外にも、ページ表記の修正が間に合わなかった時にポップアップで注意事項などを表示できるのが便利。会員登録の促進やABテストも接客機能を使って実施している。(中島氏)

次の画像はその例。トップページのロゴの横にメルマガの枠があるが、これはサイト本体の表記を変更したのではない。接客機能を応用して、メールマガジンを購読していないユーザーにのみ、まるで常設のバナーのように見える接客メッセージを表示しているのだ。これにより、3か月間で103人にメールマガジンを登録してもらうことができた

接客機能の利用例
接客機能の利用例

また、新規会員の登録フォームの「メルマガ購読」の欄に、メルマガを購読するメリットを訴求するバナーを表示させたところ、新規会員登録時のメルマガ購読者が大幅に増えた

接客機能を応用すればちょっとした文言の追加もスピーディーに対応できる
接客機能を応用すればちょっとした文言の追加もスピーディーに対応できる

運用の環境によってはメッセージの追加1つにしても、正式に申請しなければならないこともあるが、ストア・エキスプレスでは接客機能を応用して暫定的にメッセージを追加することで、リソースを有効に活用している。

最大の評価ポイントは充実したサポート

ストア・エキスプレスが「EC Intelligence」を導入してから約2年半。そのなかで特に評価できるのはサポート体制だという。

くどいようだが、少人数かつ経験の浅い人材でECサイトを運用するのは本当に大変。そんな我々の質問に対し、とにかく丁寧に、素早く答えてくれる。(中島氏)

また、前述の接客機能のように、望んだ施策を最小の手間や待ち時間で実行できる体制も、小規模EC事業者にとっては大きな魅力だと語った。

BtoB-EC業界もBtoCと同様に、大手を中心に競争が激しくなっている。とはいえ、大手との直接対決はストア・エキスプレスにとっては得策でないと中島氏は考えている。あくまで、オリジナル製品の魅力を最大限アピールし、差別化を徹底していきたいと強調する。さらに、ECサイト運用の観点では、目的買いの顧客に対してどれだけ適切な商品を素早く提供できるかが鍵だとも述べた。そして、それを実現しうるだけの機能強化を「EC Intelligence」には求めていきたいという。

一方、「EC Intelligence」のようなデジタルマーケティング製品の事業者間競争もまた激しい。国際的に有名な製品も多いなか、「EC Intelligence」がどれだけユーザーに使いやすいサービスを提供できるのか。聞き手を務めた曽川氏は「サポート体制のさらなる充実とともに、中島氏をはじめとしたユーザーの期待に応え続けていきたい」と今後の目標を語った。

シナブル 執行役員 曽川雅史氏
シナブル 執行役員 曽川雅史氏
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