セミナー受講後、学びをすぐに実践する派? 吟味する派? 聴いて満足しちゃう派? 成果をあげる「セミナー」「勉強会」の参加法
ECのノウハウ、トレンドなどを把握する場の「セミナー」「勉強会」。読者の皆さんは、自分事として聴講していますか? ただ会社へ報告するためのメモ取りに終始していませんか? 聴講した後、得たことをすぐに実践へと移していますか? 聴講したことに満足してそれで終えていませんか? 「セミナー」「勉強会」は心構えや態度次第で“有益な場”になるのか、それともただ“場に参加しただけ”で終わってしまうのか、大きな差がでます。“時間も余裕も”なかったEC責任者時代に意識していたこと、部下にも伝えていたことをまとめてみました。
EC責任者として「セミナー」「勉強会」への参加に関して意識していたこと
結論からお伝えすると、
- 情報は全部持って帰らない。“明日できること”という意識を持って、必要な分だけを整理する
- 聴講後・参加後には、今日もしくは明日やることが決まっている状態にする
- インプットしている情報は、会場内ですぐ共有、もしくは実行に移す
実はこれ、「当たり前のことでしょ」と思われるかもしれません。でも、なかなか実践できていない方が圧倒的に多いと感じています。
僕は独立した現在も「セミナー」「勉強会」に参加することがありますし、登壇することもあります。多くの参加者に共通するのが、「メモ取り」に終始し、それで満足してしまっているということ。
「私、僕は該当する!」と思った方は、まず意識から変えてみましょう。僕は講演1セッションを聴いて、持ち帰れるモノ(自社で実践できること)は1~2つで十分だと思っています。まずはそこからスタートしてみませんか?
メモの取り方と重要視したこと
僕ももちろんメモを取ります。ただ、最初から最後まで、板書のように内容を随時メモ取りはしません。重要なところ、キーセンテンス、知らないワード、面白い考え方などは必ずメモを取るようにしています。
理由はただ1つ。「セミナー」「勉強会」終了後、板書のようなメモを見返して復習する時間がないから。後日、きちんと板書のようなメモをを見返して復習、自分事に落とし込む時間の余裕があれば、全内容のメモ取りも良いでしょう。
「セミナー」「勉強会」に参加した証明として、会社にレポートを提出しなければならない読者の方もいるでしょう。そのような会社のルールであれば、全内容をメモ取りする必要はありますが。
ちなみに、僕がEC責任者だった会社では、出席者へレポートの提出は必須でしたが、全内容をメモ取りしたようなレポートは求めませんでした。板書のようなレポートの内容は確認もしませんし、興味もありません。なので、そのようなレポートを求めなかったのです。
求めたのはただ1つ。「何が自社で活用できそうか」というポイントだけです。
スピーカーのどんな話しにピンときて、今後のビジネスに役立てることができるのか? どんなことをすれば施策の成功率が高まるのか? など、講演を聴いて、出席者が「何を考えて」「何を学んだのか」しかチェックしていませんでした。
ちなみに、なぜそのようなことを出席者に求めたのか? それは、僕自身が「セミナー」「勉強会」に参加していないため、板書のようなレポートを見ても、講演者の熱量、伝えたいことがわからないからです。
なので、参加者が講演を聴きながら何を考えて、所属している会社、組織を通じて聴いたポイントをどう進化、昇華させるのか? ということを出席者に求めました。
「レポートを提出してね」と指示を出すと、ほぼセミナー全体をまとめたような内容になるのがほとんどではないでしょうか? いろいろとな考えがあると思いますが、僕はそのようなアウトプットは意味がないと考えています。とにかく、その場で何を考え、それをどのように進化・変化させて自社にアウトプットするのか――それが一番重要だと感じています。
鉄は熱いうちに打て! どのように実行へと移すのか
「セミナー」「勉強会」で得た内容を、どんなタイミングで、どのように社内共有していますか? もしくは実行へと移しますか? 僕がしていたことは単純明快です。「セミナー」「勉強会」が終わったら、
- 5分以内に要点をまとめる
- すぐに事項できる形(=指示書)にする
- チャットで社内共有をする
鉄は熱いうちに打て! ではないですが、講演を聴いた熱量も伝えるために、このように社内チャットへ投げていました。
勤務時間内であれば、社内から「どんな意味ですか?」などと質問がが飛んできますし、理解した者はそれをすぐに実行へと移したスタッフもいました。
ちなみに僕は、「セミナー」「勉強会」でピンときたキーワードや内容があれば、講演に目もくれず(すみません!)、会場内の席でひたすら集中して施策を練ったこともあります。もちろん、講演を聴きながらなので、ピンときたキーワードがあればそれも同時にメモをしてました。
この行動には賛否両論があるかもしれません。しかし、僕は「セミナー」「勉強会」の聴講方法はこのような感じでいいと思っています。
「全体の話を聴いて、その後にゆっくりと回想して、クリエイティブなことを考えていきたい」といった読者の方もいるでしょう。みんながみんな、僕の実践方法が適していると思いません。ゆっくり考えて新しいアイデアや発想が生まれる、それも「セミナー」「勉強会」の1つの聴き方だと思っています。
僕が読者の皆さんにお伝えしたいのは、「実行へと移す意識」ですね。そもそも「セミナー」「勉強会」に参加し、セッション内で「いますぐ、明日以降で使えるアイデア」っていくつ得ることができますか?
毎回4~5個も身になるアイデアを得て実行へと移しています! という方は「ブラボー!」です。
ただ、講演者と扱っている商材や事業規模、ポジションなどが違えば、戦略も戦術も施策も異なります。そのような聴講者のお話から自社に適した“何か”をいくつも得ることはなかなか難しい、はず。
逆に、いくつものアイデアを得ているという方は講演がトリガーとなるようなタイミングや状態だったこと、聴講者自身が日々いろいろな思考を巡らせていると言えますね。
まとめ
僕がイベントや勉強会に登壇した際、聴講者からよくあがる質問が「どうやったら売り上げが伸びますか?」というのはよく聞きますが、学び方を教えてくれ! なんて質問されません。
今回、「セミナー」「勉強会」での学び方といたテーマの記事を寄稿したのは、ECビジネスについて知らないことを学ぶとき、受験のような勉強方法、「セミナー」「勉強会」に参加しただけで理解したつもりになり満足してしまっているEC関係者が少なくないと感じたからです。
学生時代って、ノートやパソコンに先生の板書をメモし、それを見返して理解するのが当たり前でしたよね。でも、その多くが理解したつもりになっているかもしれません。ビジネスにおいては、インプットしてそれを実践に移して、成功につながるのか、失敗するのか(最終的に成功につながれば失敗したと言えませんが)、経験が重要だと思っています。
ということで、僕が寄稿している『ネットショップ担当者フォーラム』では5月28日(火)+29日(水)にセミナーイベントを実施するようです。ぜひこのお話を実践する場として、参加してみては?