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機能性表示食品制度で表現できる範囲の“指標”についてみなが知りたいこと

健康食品や化粧品にかかわる法律、規制などについてわかりやすく噛み砕いて紹介します(連載第10回)

稲留 万希子

2015年5月20日 7:00

4月1日に機能性表示食品制度が解禁され、少しずつ届出済みの商品が消費者庁のホームページ上に公開され始めました。その機能性を見てみますと、前情報とは少し異なった傾向も見られています。改めて、どんな指標の機能性であれば表現しやすいのか考察してみます。

美容面への訴求も可能な状況が明らかに

5月7日現在、消費者庁のホームページでは、20商品を確認することができます。

トクホで既に存在する体脂肪や便通への訴求を謳う商品もあります。特に肌(皮膚)への機能性は、20商品中4商品を占めているのが興味深い所です。

なぜならば、機能性表示の根本的考え方は「健康の維持及び増進に役立つ、又は適する旨を表現するもの」のため、美容面への訴求は難しいのではないかという前情報があったからです。

グルコシルセラミドを関与成分とし、「肌が乾燥しがちな方に適する」旨を保健用途とする特定保健用食品は食品健康影響評価が実施され、安全性に問題はないと判断された前例(※)があります。機能性表示食品としてトクホの範囲までであれば表現可能であることを踏まえると、「肌が乾燥しがちな方に適する」までは表現が可能としても、肌の“保湿力”や“バリア機能”といったものまで表現できるのかが疑問でした。これが良い意味で、覆されたのではないかと感じています。

(※)商品としては5月7日現在未リリースです。

機能性表示における「容易に測定可能な体調の指標」とは

ここで改めて、機能性表示における「健康の維持及び増進に役立つ、又は適する旨を表現するもの」とは何を指しているのか、考えたいと思います。

「健康の維持及び増進に役立つ、又は適する旨」を詳細に分類すると、

(1)容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ旨
(2)身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ旨
(3)身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨
※ 尚、疾病リスクの低減に資する旨の禁止、及び、明らかに医薬品と誤認されるおそれのあるものであってはならない。

とされています。

では、この中の(1)にある「容易に測定可能な体調の指標」とは何を指すのでしょうか。

まず、この「容易に測定可能」について、個人で測定できるようなものを想定している訳ではなく、簡単に説明すると……

  • 学術的に測定方法が決まっているもの
  • 学術的に妥当性が得られるもの

を指しています。

代表的なものとして「血液検査」があげられます。この「血液検査」は“個人の思いつき”という範囲で考えれば容易に測定できるとは言えませんが、他(医学上の)さまざまな測定からしてみれば容易です。何よりも上記の、「学術的に測定方法が決まっているもの」「学術的に妥当性が得られるもの」に当てはまります。

血液検査でわかるものとして、たとえば、「脂肪」「コレステロール値」「血糖値」などがあり、これらの指標の維持に適する、または改善に役立つ旨は機能性表示の範囲になり得るということになります。

もちろん、血液検査で測定できるものは幅が広く、腫瘍マーカーといったものもありますが、これは機能性表示食品の定義である「健康の維持及び増進に役立つ、又は適する旨を表現するもの」を越えますので、含まれないことは明白です。

体重の減少という指標を機能性とすることは難しい

また「容易に測定可能」な代表例として“体重”があります。体重計は、一家に一台あるといっても過言ではありません。体重を減らしたいと考える人はたくさんいますので、体重の減少という機能性を謳うことができたらかなり魅力的なのではないかと想像しますよね。しかし、この体重の減少という指標を機能性として表現するのは難しそうです。

もちろん、無理と断言できるものではありませんが、体重の減少という概念は、その人の性別や年代、体格によって変わりますし、痩せることそのものが健康の維持及び増進に役立つ、または適する旨を表現するものとは言えるのかという印象があります。同時に、そもそも成分の機能性として体重の減少を評価し、証明するのが相当難しいものと想像します。

また、いままでの景表法に絡む措置命令の代表的なものとしてダイエット系サプリメントがありますが、いずれも成分による痩身効果が認められなかったことに由来しています。

その点、BMI値(ボディマス指数)であれば、体重と身長の関係から算出されるヒトの肥満度を表す体格指数ですので、概念に合致するため、この数値を機能性とすることが可能かもしれません。

これから機能性表示食品がどんどん増えていきます。どんな機能性が出てくるか楽しみですね。

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