ECモールvs公取委 再び? プラットフォームと出店者の取引実態調査を開始へ
公取委は過去、大手モールと出店者の取引関係に、優越的地位の乱用など独禁法違反に抵触する可能性があると指摘したことがある
公正取引委員会と経済産業省は2月10日、ショッピングモール運営企業とそこに出店するEC事業者などに対し、事業者間の取引実態などを把握する共同ヒアリング調査を始めると発表した。
今回の共同調査の対象は、電子商取引(コンテンツ関係含む)などオンラインビジネスに関連するプラットフォーム事業者と、そこで取引関係にある出店者など。物販に関するECモール、ゲームなどが想定される。2月後半以降に開始し、4月までにヒアリングを実施する。
なお、経産省は情報提供受付専用サイトを2月16日にオープンし、プラットフォーム事業者とその出店者間の取引などに関するさまざまな情報を受け付ける。
- 情報提供受付専用サイト(2016年2月16日~3月31日)
公取委と経産省によると、デジタル技術を利用した新たなビジネスモデルが生まれるなど、インターネットビジネスの規模や社会に対する影響が増大。関係する事業者間の取引実態等を把握する必要性が高まったとしている。
公取委とECモールを巡っては2006年、楽天、ヤフー、ディー・エヌ・エー(DeNA)の3社に対し公取委は、出店者に対する優越的地位の乱用などで、独占禁止法違反につながる恐れがある取引関係が存在すると指摘する調査報告書を発表。その後、実質的な“シロ”判定の決断を下している。
なお、今回の調査について公取委は、過去の報告書などの流れをくんだものではないと否定した。だが、結果を踏まえて、独占禁止法に違反する疑いがあるといったケースが存在すれば、公取委は改めて調査を進める可能性がありそうだ。
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