私は東日本大震災を千葉県で体験しました。そのことに加えて、被災地にボランティアに行き、なおかつ販促のコンサルタントという立場で、何かお役に立てる情報が発信できるのではないかと思い、ブログに記事をアップしました。自分の体験と推測が、みなさんの今後の活動や判断にプラスになってほしいと思い、筆をとりました。

私たちがいまできること6点

私の場合、販促が専門ジャンルということもありますので、その点に関して重点を置いてお話しします。まず、「私たちにできること」をレベル順に分けてみました。

寄付をする

熊本、九州以外に住んでいる私たちができることは、寄付しかないと思います。今回は交通インフラの被害が大きいので、勝手にボランティアに行ってしまうと、渋滞を巻き起こす可能性がありますし、ボランティアで宿泊施設を1室抑えてしまうことによって、被災され方や復興関係者のフットワークを悪くしてしまう可能性があります。だから「なんとかしてあげたい!」と思っている人でも、ひとまずは落ち着いて、「寄付をする」でアクションをとどめておき、様子を見守ったほうがいいと思います。

熊本地震でネット通販に携わる人たちができること①
ひとまずは落ち着き、「寄付をする」でアクションをとどめておこう

デマを流さない

私が東日本大震災で被災した際、非常に困ったのが、ありもしない情報に振り回されてしまったことでした。震災直後に「千葉に大震災が来るかもしれない」という、訳のわからない直メールをもらったときには、正直、不安と腹立たしさで複雑な心境になりました。
もちろん、そういうメールを送る人は親切心でやっているかもしれませんが、不安な時に未確認情報を受け取ってしまうと、当事者としては、シャレにならないぐらい動揺してしまいます。なので、とりあえず、情報は根拠を確認してから発信するように心がけたほうがいいと思います。

落ち着いたら、熊本のネットショップで商品を購入する

震災に関しては、どんな状況であろうと、必ず“買い控え”が直後に発生します。こればっかりは避けれません。先の予測ができなくて不安を抱えている消費者は、まずは財布の紐を絞ります。そして、一時的に事業者の売り上げが下がります。

これが、商売人にとったら精神的に応えるところがありまして、「このまま自分たちは、一生売れないんじゃないか」という、不安感に襲われてしまいます

しかし、震災による買い控えは、長くは続きません。事実、東日本大震災の時は3月11日に震災が起きて、3月の最終の土・日曜日には、映画館やショッピングモールは買い物客で大いに賑わいました。人は極端な我慢をすると、そのリバウンドで一気にお金を使ってしまうのです。

だから、熊本県の商売人のみなさんが消費の買い控えにもし陥って不安になってしまっても、まずは焦らないことです。そして、嵐を過ぎ去るのをじっと我慢してください。何度も言いますが、必ず、消費は戻ってきます。安心して下さい。

そして、インフラの復旧次第ですが、もし、熊本のネットショップの出荷体制が万全な状態に戻ったら、みなさんで熊本のネットショップから商品を購入してみるのも支援策としていいと思います。おそらく、ヤフー、Amazon、楽天市場などで、そのようなボランティアの販売ページ企画が設置されると思います。

そうなったときに、ネット通販をやっているような小さな会社やお店などから、少しでも商品を購入してあげると、小さな会社の経営者やスタッフは「大丈夫だ!」という前向きな気持ちになり、復興に向けてポジティブなモチベーションになってくれます。

これが商売をやっている人にとったら、一番の元気付けの材料になります。そして、商品を購入したらFacebookなどで「熊本のお店から買ったよ!」ということを、1人でも多くの人に伝えてあげて下さい。「いいね!」のボタンの1つが、きっと熊本を元気にする「いいね!」につながると思います。

熊本地震でネット通販に携わる人たちができること③
熊本の商品を購入することが現地の商売人を元気付ける材料になる

落ち着いたら、九州の各県のネットショップで商品を購入する

熊本県に限らず、九州各都道府県のお店のネット通販で商品を購入してあげることです。先述したように、今回の震災は交通インフラの復旧に時間がかかりそうです。そうなると、九州以外の日本の各都道府県からのボランティアによる支援が、かなり難しいか、もしくは時間がかかる可能性があります。

そうなると、できるだけ九州各県の企業やお店が元気になり、熊本を助ける経済基盤を九州全土に作ることできます。同じ商売人に対して全国の商売人ができる支援だと思います。だから、熊本の復旧の状況を見守りながらという条件付きですが、福岡、大分、宮崎、鹿児島、佐賀、長崎の各県のネットショップやネットサービスを利用してあげて、九州全土を応援してあげる必要は、今回はあると思います。

ちなみに、この「落ち着いたら、熊本のネットショップで商品を購入する」と「落ち着いたら、九州の各県のネットショップで商品を購入する」に関しては、受け入れる側の準備も必要です。

熊本県でネットショップを運営されている方は、ひとまず余震も落ち着き、状況を冷静に判断できるようになってからで構いませんので、自分たちのお店が、今、出荷体制ができる状況なのか分かり次第、情報をホームページにアップしたほうがいいかと思います。お客さんもそれを見て安心してくれますし、仮に見知らぬお客さんが来ても、「熊本」という住所を見て、「届かないかな?」「今、注文したら悪いかな?」と思われてしまい、買い控えされてしまっては、大きな機会損失を起こしてしまいます

特に今回は、局地的な直下型の地震ということもあり、同じ熊本県内でも、被害の大きかったところと小さかったところに、大きな差が生じています。せっかく出荷体制が整っていても、お客さんが誤解をして、注文を控えてしまう可能性は、十分にあると思います。なので、熊本県内のネットショップやお店は、できる限り、ホームページで自分たちのお店が大丈夫な旨と、製造体制、出荷体制がどのような状況なのか分かり次第、お客さまに告知した方がいいと思います。

そして、これは九州各県のネットショップにも同じことが言えます。意外に、関西より上の都道府県の人たちは、自分の馴染みのない地方が、どのような位置関係になっているのか良くわかっていないところがあります

私が東日本大震災で被災した際も、被害には遭ったものの「千葉」はそこまで大きな被害はありませんでした。でも、九州や関西の知人からたくさんの「大丈夫か!」というメールが届いて、驚いたことを今でも覚えています。「結構、被害が大きかったところとは距離があるのになぁ」と思ったんです。馴染みのない人にとったら、やはり千葉と東北はすごい近い感覚があるようです。

なので、今回の地震でも熊本県が大きな被害に遭いましたが、おそらく、関西より上に住む人たちは、「福岡も大変だ」「長崎も大変だ」と思ってしまっている可能性があると思います。そのため、熊本以外のネットショップさんも、もし、交通インフラの状況がわかって、問題がない状況であれば「お店は大丈夫です」「出荷も通常通りできます」としっかりアピールしておいた方がいいと思います。

熊本地震でネット通販に携わる人たちができること②
九州各県の企業やお店が元気になり、熊本を助ける経済基盤を九州全土に作っていこう

熊本料理の飲食店で食事をする&九州料理の飲食店で食事をする

できるだけそのような料理店で食事をすると、巡り巡って九州全土にお金が落ちていくという意味です。もちろん、店舗によっては、まったく九州から仕入れいていないお店もあるかもしれません。とりあえず、そういう飲食で食事をすることも、熊本の皆さんの手助けに遠からずつながっていくことは頭の中に入れておいた方がいいと思います。

今回の震災で、熊本料理のお店に対して、手を差し伸べたい人たちがたくさん来店すると思います。でも、お店がいっぱいだったからって諦めずに、「じゃあ、博多もつ鍋を食いに行こう」「宮崎料理でも食べに行こう」という感じで、九州を軸に消費を少しでも考えてもらえれば、熊本の元気につながっていくのではないかと思います。

熊本地震でネット通販に携わる人たちができること④
消費を九州を軸に少しでも考えていこう

ボランティアに行く

今回は交通インフラの復旧が長引きそうなので、一先ずボランティア活動は熊本県内の人、そして九州各県の人にお願いをして、それ以外の人は、状況をしばらく見守った方がいいと思います。

私の予想ですが、熊本県外の人がボランティアに参加できるのは、ゴールデンウィーク前か、もしくは空けてからぐらいでしょう。距離的にも、人口が比較的多い福岡県の人が日帰りでボランティアに駆けつけやすいところでありますが、それでも、被災地というのは慢性的な人手不足であることには変わりありません。

なので、熊本県内、もしくは九州各県で、「ボランティアに行ってもいいかな」と思っている人がいれば、インフラが整い次第、駆けつけてあげて下さい。大義名分や意義などは必要ありません。僕も初めてボランティアに行った時は、「俺みたいな人間が行ってもいいのかな」「1人で行っても大丈夫かな」という不安がたくさんありました。

でも、現地に行けば、なんとかなってしまうものです。そして、現場では本当に人がいません。特に、平日はめちゃくちゃ人がいないところがあります。もし、時間とお金に余裕がある人がいれば、無理しない範囲で結構ですので、ぜひ、ボランティアに足を運んでみてください。

以下に、5年前に東北にボランティアへ行ったレポートがあります。準備や心構えなどを記載しているので、参考にしていただければ幸いです。今回は東北の震災と比較して、水による被害が少ないので、東日本大震災ほど重労働ではないと思います。ぜひ一度、足を運んでみてください。

大丈夫! 個人でも行けるボランティアマニュアル! 【経営コンサルタント】(竹内謙礼氏のブログにジャンプします)

熊本地震でネット通販に携わる人たちができること⑤
被災地というのは慢性的な人手不足であることには変わりない

九州各県の人が足を運べる距離にあったとしても、せいぜい、ボランティアに行ける人は、広島県ぐらいが限界ではないでしょうか。ただ、東日本大震災と熊本地震のもう1つの大きな違いは、LCCの格安航空会社の便が良い点です

ジェットスターは成田発で大分、鹿児島、福岡へ飛行していますし、春秋航空に関しては、佐賀へも飛んでいます。往復でも、安いものであれば1万5000円ぐらい。復興に向けて増便する可能性もありますし、ボランティアの人手不足が深刻であれば、LCC側もボランティア向けの格安航空券キャンペーンを展開する可能性が考えらます

交通インフラが整えば、レンタカーで空港から行ってもいいですし、もしかしたら、被災地に向けて定期バスが出る可能性もあります。バイクの免許があれば、福岡はレンタルバイクが充実しているのも見逃せないところです。

博多空港のレンタルバイクについて(外部サイトにジャンプします)

ただ、ホテルはかなり厳しいと思います。

特に福岡は訪日客でホテルがいっぱいの状況。ここにきて、復興作業の方や被災された方がホテルに宿泊することを考えると、よほど前から予約を取らなくては、宿泊は難しいと思います。そのため、今回のボランティア活動は、できる限り知人の家を頼るか、ボランティアの団体から指示のあった宿泊施設に泊まることが、ベストなのかもしれません。

あと、もう1点、私がボランティア活動で気になっていること。今回の熊本地震は、被災地が広く分散している点です。ニュースで集中的に報道された地域にはたくさんのボランティアが集まりますが、ニュースで報道されない地域にはボランティアが少なく、復旧が滞ってしまうことが多々あります。

私が北関東の水害被害ボランティアに行ったときのこと。あまりニュースで報道されない栃木県鹿沼市の被災地に足を運んだのですが、やはりボランティアの数は少なく、復旧に苦戦していました。なので、皆さんがボランティアに行く際は、できるだけ人手が少なくて困っている地域をめざして、足を運んでください。

以上、「私たちにできること」の話でした。

「効率的な採用」「辞めさせない雇用」に中小企業は注意を

最後に。

あまり言いたくはない話ですすが、現実的な「今後」について話をします。

現時点では不謹慎な話になるかもしれませんが、私が東日本大震災で被災して余震に怯える日々を過ごしている中、冷静に「今後」をアドバイスをしてくれた投資会社の人の言葉に、勇気付けられた経験がありました。なので、誤解のないように、言葉を選びながら、慎重に、私なりの「今後」についてお話させていただきます。

まず、2017年4月1日の消費税増税に関しては、高い確率で見送られるのではないでしょうか。増税は復興には大きなマイナスになると思いますし、政府にとっても、延期する理由としては「経済状況があまり良くないから延期するわけではない」という面子が保てるところがあると思います。

そうなると、駆け込み消費と買い控えはなくなりますから、本年度の消費はかなり落ち着いたものになると思います。そして、しばらくしたら、九州を中心に、大きな復興需要が起きると思います

九州はもちろん、博多の、特に中州あたりは、かなり景気が回復するのではないでしょうか。一方、博多市内のホテルは予約が取りにくくなると思います。出張する方は、早めに宿を予約した方がいいと思います。訪日客も多いですから、宿泊施設の予約は困難を極めるという覚悟が必要です。

また、消費税が延期された場合、どこかで税金を穴埋めしなければいけませんし、復興に関する税金も、どこかでカヴァーしなくてはいけません。それらの増税も含めて、経営者は今後難しい舵取りを迫られると思います。

もう1つ懸念すべきことは、深刻な「人手不足」の問題が起きる可能性です。

今現在、東北が慢性的な人手不足に陥っているように、九州全土で人手不足が発生する可能性が高いと思います。また、これを境に人件費が高騰する可能性がありますので、中小企業は警戒する必要があります。

特に、スーパーや小売業に関しては、建設業に人材が持っていかれてしまうところがあります。「効率的な採用」と「辞めさせない雇用」は今まで以上にしっかり会社として取り組んでいかなければいけません。

また、人材や資材が九州に回ってしまうことで、東北の復興が遅れてしまうことも懸念材料の1つです。まだまだ東北には元気になってもらわなければいけませんから、私たちも忘れてはいけないこととして、心の奥底に刻んでおく必要があると思います。

熊本地震でネット通販に携わる人たちができること⑥
「効率的な採用」と「辞めさせない雇用」は今まで以上にしっかり取り組んでいこう
◇◇◇

以上、ざっくりとですが、今現在(2016年4月16日現在)で私が思ったことを記載しました。私は全国をセミナーや講演会、コンサルティングで回っていることもあり、熊本県も、よく足を運ぶエリアの1つです。そういう意味では、全国各地に「想い」があることから、少しでも、お役に立ちたいと思っている次第です。

でも、その前に、まずは状況が落ち着いたことを確認できたところで、熊本、九州の美味しいものやお酒をネット通販で注文することから始めたいと思います。

熊本が大変な状況になっているからといって、東京や大阪、名古屋の人たちが、買い控えをしたり、元気をなくしてしまったら、意味がありません。僕ら商売人が今やるべきことは、もしかしたら「販促の手を緩めず、売り上げをしっかり作る」ということだと思います。

それこそ商売人が販促を控えてしまったら、熊本県の皆さんを元気にできる活動すらできなくなってしまいます。熊本県の皆さん、そして被災された皆さんが、1日でも早く、少しでも元気になってもらえるよう、陰ながら応援させて頂きます。


この記事は、「週刊 竹内謙礼のボカンと売れる講座!!」で記載された記事を、竹内氏に許可をいただいた上で、「ネットショップ担当者フォーラム」用に編集したものです。

「週刊 竹内謙礼のボカンと売れる講座!!」掲載のオリジナル版はこちら:
熊本地震で『私たちのできること』と『今後』(2016/04/21)

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竹内 謙礼

有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら

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