川村トモエ, 湯鳥ひよ+トレンド・プロ(マンガ) 2014/8/6 11:30
この記事は「マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営」の一部を、特別に公開しているものです。

登場キャラクター

たぬかわ君

たぬかわ君 おイモ専門の通販サイトを運営している。

きつねやま君

きつねやま君 メガネ専門の通販サイトを運営している。

たぬかわ君「先週から効果検証はじめたんだけどさー」
きつねやま君「それ教えたの確か3カ月くらい前だよね……」
たぬかわ君「CPO800円のいい広告があってね、これでもう安泰だよね! イモ食べよーっと!」
きつねやま君「その広告に依存しないために別の集客ルートの開拓とかはしてる?」
たぬかわ君「別のルートでの集客……しなくてもよくない?」
きつねやま君「そのうち痛い目みるよ? CPOは変動するんだ。いつまでも今の状態が続くと思って計画を立ててると収支のバランスが崩れて赤字になっちゃうかもしれないよ……。だから今のうちにきっちり次に投資して収益性を高めないとね」
たぬかわ君「きつねやま君……。いいイモバン使ってるんだねえ…」
きつねやま君「落款印っていうのそういうのは!!」

CPOは常に変動する

元来、集客には費用がかかるものです。無料ないし格安の集客施策にはそれなりの効果しかありません。仮に、安いのに効果の高い集客方法があったとしても、利用者が殺到し、競争が激しくなり、あっという間にCPOは高騰してしまうでしょう。

この典型がSEOです。検索エンジンに掲載されるのは無料でも、皆が同じことをするので、上位を目指すにはそれなりの手間がかかります。格安で集客できる広告枠があるとして、ずっとそれを使い続けられるのを前提として事業を組み立ててしまったら……時間の経過とともにCPOが高騰し、収支のバランスは崩れ、あっという間につぶれてしまうでしょう。実際、このようにして業績を悪化させた店は多いのです。

このように、今、仮にCPOが安く済んでいるとしても、それに集客を頼って商売するのは危険です。広告だって、広告屋さんの売り物なのです。実際、突然広告料金が値上げされたり、同じ料金でも以前ほど売れなくなったりするケースはよくあります。

こういった失敗を避けるためには、集客に費用がかかっても事業が成り立つくらい、店舗の収益性を高めることです。同じ額を集客に投資しても、他店よりも大きな収益を上げられるようになれば、その収益をまた集客に再投資でき、成長速度でライバルを圧倒することができます。具体的な方法は、本書のあちこちで案内しています。ぜひ実践してください。

きつねやま君「CPOは変動するんだ。いつまでも今の状態が続くと思って計画を立ててると収支のバランスが崩れて赤字になっちゃうかもしれないよ……。」
放っておくとCPOがいつの間にか高騰していて……ということにならないように注意しよう。

店舗の収益性を「LTV」で計測する

では、店舗の収益性は、どうやって計測すればいいのでしょうか。それには「一度購入した客がどれだけリピート購入し、利益を生むか」を数値化するといいでしょう。これを「LTV」(Life Time Value:顧客生涯価値)と呼びます。

このLTVを、CPOと比べてみましょう。LTVが高く、CPOが低いほど、安定して儲けている状態と言えます。LTVは、集客コストが多すぎないか。そのコストに耐えられるだけの資金力がお店にあるかどうかを判断する基準になります。

CPOが安い場合 LTVが高い店 LTVが低い店でも黒字 損益分岐ライン
CPOが高騰した場合 LTVが低い店は赤字に
元来、CPOは時間とともに上昇する傾向にある。競合が一気に増えた場合など、突然CPOが高騰するケースも多い。次ページで紹介する「LTV」を日ごろから高めておかないと、CPOが上昇した際に赤字へと転落してしまう。
CPOが高騰したときの変化

LTVとCPOはセットで考える

通販化粧品で新規のお客さんを獲得する際、1,000円送料無料のトライアルキットを販売するケースが多いですが、このトライアルキットを販売する際のCPOは大抵数千円を超えています。初回販売の時点では赤字なのです。それでも広告を打つのは、「トライアルキット購入後のリピート」からの利益を見込んでいるから。この、リピートから得られる利益がLTVなのです。

トライアル購入客のうち、リピートするケースもあれば、もちろんしないケースもありますよね。まず、これらをならした平均リピート回数を算出します。次に、平均の客単価と粗利率を出すと、「平均リピート回数×平均客単価×粗利率」がLTVとなります。1人購入客を得られれば、LTV分の価値を得られたと考えてください。つまり、顧客生涯価値(LTV)から新規客獲得コスト(CPO)を引いた残りが、得られる利益。利益を大きくするには、CPOを下げ、LTVを高めればいいのです。

そのためには、広告媒体や施策でCPOを検証しながら改善し、LTVを高めるためのさまざまな施策に継続的に取り組みましょう。

①平均リピート回数がわかっている場合(粗利率50%) LTV=平均客単価×平均リピート回数×粗利率 例:平均6,000円×2回×50%=6,000円
②ざっくり求める場合(粗利率50%) LTV=年間売り上げ÷ユニーク購入客数(※)×粗利率 例:3,600万円÷3,000人×50%=6,000円 ※重複購入を1人と見なす
2種類のLTV算出方法

 

1回の広告で何度も買ってもらえるとお得だね!

こんにちは、著者の川村トモエです。

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