機能性表示食品の解禁から1年7か月が経過し、届出済商品も500件ほどになりました(2016年11月初め時点)。機能性表示食品はエビデンスに基づき機能評価を行いますので、その機能性が事実であること、誤解を生じるものではないことを前提に、エビデンスを利用した広告を作成することができます。一方、従来通りの健康食品はどうでしょうか? 今一度、整理をしてみましょう。

医薬品的な効能効果につながる場合は不可

健康食品はエビデンスを利用した広告は可能なのか、不可能なのか? 東京都が示した例として、下記の記載があります。

医薬品的な効能効果の暗示に該当する例 ≪一部抜粋≫

◎新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することによる表現

新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することは、その引用又は掲載された文章の内容により判断する。
例え、引用された談話、学説、経験談などが事実であっても、製品への医薬品的な効能効果の標ぼうはできない。

『健康食品取扱マニュアル[第6版]』より
~消費者へのより良い健康食品の提供を目指して~
出版社:薬事日報社 編:東京都福祉保健局・東京都生活文化局

つまり、大学といった外部機関との共同研究や学会で発表したエビデンスなどをサイトに掲載する行為そのものが不可ということではありません

その学会で発表したエビデンス内容が、いわゆる「医薬品的な効能効果」であり、それを広告内で用いた結果、明示・暗示を問わず製品への医薬品的な効能効果へつながるのであれば不可という判断になるとされております。

≪NG例≫
・製品○○を1ヶ月間使用した際の、免疫力に対する効果
・成分○○における、便秘に対する効果
(成分○○が含まれている商品の広告内で使用)

成分紹介ページと商品ページがリンクしている場合

健康食品として可能な広告表現について考えてみましょう。

使用可能なものは上述した“逆”のケース。医薬品的な効能効果へとつなげていないエビデンスです。

たとえば、

≪OK例≫
・製品○○の中に含有する栄養成分一覧表
(それぞれの栄養成分について医薬品的な効能効果への言及は不可となります)。
・人体の中で成分の生成ができなくなっていく表
(例えば、グルコサミンはもともと人間の体内に存在する成分ですが、年齢を重ねる毎に減少していきます……といったもの)
※ただし、そのエビデンスが客観的なものと認められない場合、優良誤認を招く誇大広告とされ、景品表示法や健康増進法に触れるものと解釈される可能性があります。

といったことがあげられるでしょう。

もしくは、商品に絡めず(商品を登場させず)、あくまで成分のみを紹介するサイトなのであれば、薬機法で言う『特定商品』の広告にはなりません。エビデンスの使用などを含め、医薬品的効能効果の標榜が制限されるものではありません。

しかし、上記のケースでは、たとえばその付近に該当成分を含有する商品のバナーなどを貼り付けたりすることで、容易にページ間を行き来できる場合、不可と判断されます

そのため、商品と成分紹介ページがそれぞれが独立していなければならないということになります。この点には十分に注意しましょう。

商品への想いが詰まったエビデンスであるために、商品広告の中で使用してしまいがち。今一度、使用できるものなのか否か、内容を確認してみることをおすすめ致します。

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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