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中間層の増加で中国EC市場では品質の高い商品が売れる状況に変化

超巨大市場となった中国EC市場。国内中間層のほとんどがスマホを持ち、これから若い世代が旺盛にECを活用すると見込まれる中国EC市場の今をより詳しくご紹介しましょう。

株式会社いつも.

2017年2月8日 7:00

China transportation and logistics. Delivery and shipping infographic elements. Vector illustration

今回は、ついに本格的に投資が始まることが見込まれている中国EC市場の最新動向2017年1月版をご紹介しましょう。

この1月中旬も中国EC運営チームと打合せを兼ねて上海中心に中国ECトレンドを確認してきました。全体感で言うと中国ECは「超成長市場」から「成長市場」へ変化している状況です。ここにきて中国は人件費が上昇し「中間層」が急速に増えていて、その中間層はほぼ全員「スマホ」を持ち、スマホで買い物をどんどん行う動きになっています。

この動きからすると「安さ」だけの従来のネットショッピングから、「安さ+いいモノ」の消費が広がっていくことは確実です。そして何よりその中間層の人口が日本とは桁違いにいる状況ですので、2017年スタートで数年後を見据えて中国市場に参入する動きが活発になるかと思います。

中国EC市場の動向

「中国のオンライン小売B2C市場のモニタリング報告書」(Analysys易観智庫が発表)のデータによると、2015年第4四半期は、中国のオンライン小売B2C市場取引が6443.8億元(約11兆円)で、前年より41.9%の増加となりました。

また、2015年全体では年間約40兆円規模に成長を続けている状況となりました。

中国統計データ1

BtoC市場におけるモール別のシェアに関しては、Tmallが11月11日独身の日「ダブル11」により取引量を増やし、さらにシェアを高め63.5%で1位に。続いてはJD20.8%で2位、VIPショップ2.6%で3位、蘇寧易購が4位となりました。市場シェアのランキング状況から見ると、大規模なセールプロモーション活動の影響を受け、業界全体としては季節変動を示したものの、大手企業間の競争態勢が続いています。

現在、中国のオンライン小売は国民経済の重要な一部となっており、2015年中国のオンライン小売は全社会消費財小売総額の12.74%に達し、持続的かつ急速な成長の勢いとなっています。

2016年の中国オンライン小売市場は年間60兆市場を超えたという予測も出ており、2017年以降も引き続き急速的に成長していくと言える状況となっています。

今後も成長が続く要因としては、

  1. より多くの商品がネットショップにアップされ、品揃いがより豊富になる。
  2. オンラインショッピングに熟知している1990後、2000後などの若い世代グループは、学生から仕事につくようになり、より強い消費意欲が解放される。
  3. 企業側がインターネット上でのビジネスや電子商取引を非常に重視している。
  4. 越境ECの発展に連れ、大勢の海外商品が国内に輸入され、消費者の選択肢が増える。

があげられます。

中国EC(BtoC)サイト でシェアを持つ上位企業の特徴

中国データ2

1位:Tmall.com(天猫)Tmall(シェア63.5%・約20兆円)

alibaba

201410月にニューヨーク証券取引所に上場。阿里巴巴集団(アリババ)が運営し、同社が運営する「タオバオ」より高級品・ブランド品が集まり安心感のあるモールとして成長している。

日本の楽天に似たプラットフォームで、各ブランドは天猫内に自社店舗を開いて運営しており、競争も非常に激しい。出店するためには、中国法人、商標登録書、各種許認可証明書などかなりの書類を準備する必要がある。

近年、その出店審査が非常に厳しくなり、基本的にはブランドホルダーの旗艦店しか出店できない傾向となっている。「天猫」「天猫国際」は日本で言うと楽天市場に近いモデルと言われ、モール内の競争や優良な評価を集める対策等が重要となっている。

2位:JD.com(京東)Tmall(シェア20.8%・約8兆円)

JD

2014年5月にアメリカのナスダックに上場。中国のIT最大手で6億人のユーザーを持つ「Wechat」を運営する「テンセント」と資本提携。

JDは天猫と違い、自社で仕入れて販売する「自営販売」と出店者の「マーケットプレイス」の両方を持ち、家電中心のモールで成長し自社で物流・配送のインフラを持ち、安定した配送システムを中心に偽物の排除や保証内容もしっかりと対応して信頼のあるモールとなっている。

越境製品を扱う「JDワールドワイド」を中心に日本の優良企業の越境モデルの出店も増えている。現在の日本で例えるとAmazonに近いモデルとなっている。

3位:Vip.com 唯品会・ウェイピンフイ(シェア2.6%・約8300億円)

vip

Vipshopという会社が運営しており、ブランド品やブランドファッション品をメインに2012年3月にニューヨーク証券取引所に上場。ブランド品をアウトレット価格やセールで提供しファンを増やしている。

日本の百貨店サイトのようなイメージで、Vipshopに商品を卸して販売するモデルが中心。出店型モデルのように同じ商品が複数のショップで競争となることはなく、同じ商品は複数企業によって販売されないので、単品で大量に販売できる可能性がある。

2016年に日本法人も設立されて、日本のブランド品や有名商品を積極的に開拓している。

 

2017年の中国EC参入ポイントしては、単なるブームではなく中長期視点できちんと投資計画を策定した上で、日本法人経由で天猫・京東の「越境モール」参入を検討しつつ、中国法人を設立して「中国国内EC」として売上拡大を狙うモデルも増えてくる状況です。更に、1つのモールだけでなく、今回紹介したような複数モールを活用することも視野に入れて事業拡大を狙っていただければと思います。

 

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
越境ECは検討段階から本格投資の時期に!知っておきたい2017年最新中国EC市場動向とは(2017/01/30)

筆者関連情報

経営者向けにネット通販の売上アップ、モール活用、楽天集客、EC事業拡大、海外最新事例、越境EC、オムニチャネル等のECセミナーを全国各地で開催中!

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