株式会社いつも. 2016/12/12 7:00
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今回は直近の中国越境EC事情と2017年に向けた、日本企業が考えている戦略や越境EC活用の動きを合わせてご紹介しましょう。

直近の中国越境EC事情のトピックスとしては、中国ECで圧倒的なシェアを握るアリババの「天猫国際」や京東の「JDWorldwide」など中国の越境EC専用モールが、日本法人が出店可能な越境ECに特化した販売ゾーンを提供し始め、実際に出店する日本企業も増え、注目を集めてきました。一方で、天猫国際」は出店基準が厳しくなり、知名度のあるブランドを持った企業しか「旗艦店」として出店できないこともあり、「JDWorldwide」に出店を検討する日本企業が増えているのが直近の越境ECの一つの流れとなってきています。

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また、2017年のトピックとしては、昨年延期された越境ECに関わる税制の変更が2017年5月に控えています。(一部については2017年末までに延期することが明らかになった、参考記事

商品を中国に入れるために原産地証明が必要になることや、中国国内の基準を満たした商品(日本でいう食品衛生法に準拠した商品)でないと販売できなくなるなど、さらに越境ECのハードルが上がってしまいます。越境EC物流モデルに関しても現在は国際郵便(EMS)が主流ですが、単価の低い商材は送料の高さから思ったように売り上げや利益を出せないこともあり、ここにきて越境モデルだけでなく、中国法人経由で中国国内のECに乗り出そうとする企業が増えはじめているのです。

特に中国国内ECで最も売れているタオバオは「CtoC」モデルが基本でしたが、企業として出店も増え、販売サイトには「企業」として出店しているマークもつくようになり、消費者に安心感を訴求できるようになってきました。中国国内経由の商流も大きく、中国法人さえあれば審査も問題なく突破できることから、中国法人経由で卸も含めた販売チャネル拡大の取り組みが広がっているのです。ちなみに、JD.COMの場合、出店審査を通すためには中国法人設立から1年の期間を要するため、まずはタオバオから出店しようとする企業が増えているのです。

2017年はここ数年続いた「越境ECブームに乗る」のではなく、企業として中長期視点を持ってECの巨大市場である「中国EC市場で売り上げを拡大する」ために、その企業の持つ商材や強みを整理し、中国国内ECと越境EC両方のパターンを検討しながら、アリババと京東の両方で「多店舗出店」するという企業も増えそうな見込みです。

商品トレンドもこれまで人気のあった日本の日用品やベビー用品・家電・ドラッグストア商材などの他に日本の有名アパレルブランド商品や家具・インテリア商材なども中国で興味を持たれ始めています。アパレル商材などの場合、越境に比べてサイズ違いによる返品や取替などの対応が容易になり、大型商材もある家具・インテリアも中国国内販売であれば送料面も含めて対応ができる企業も増えることから、中国国内ECへの進出を行う企業が増えることは間違いない状況です。この流れは日本の10年くらい前の状況に似ているので、中国EC市場はブーム感が落ち着いた2017年が参入には良いタイミングになってくる見込みです。

2017年の中国EC参入・活用は新しい動きが出てきそうですので引き続き注目していきたいところです。

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
2017年に向けて確認しておきたい中国越境ECと中国国内ECの流れ(2016/11/15)

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