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メルマガの販促はDMと比べて「安い」「早い」「深い」
ネットショップ運営におけるメルマガは、実店舗にとってのチラシや通信販売におけるDM(ダイレクトメール)にあたるものですが、それを上回る圧倒的な利点がたくさんあります。まず何といっても「安い」こと。DMと比べると印刷費用や配送料がかかりませんし、メールが書ければ誰でも手軽に作成できて、その上デザイン料もかかりません(外注している場合は除く)。圧倒的に低コストなのです。
しかも「早い」という利点もあります。書いてすぐに配信できます。「本日から発売開始」「在庫わずかとなりました」など、状況に応じて細かく、リアルタイムに、実況中継的に配信できるので「ライブ感」を演出できます。しかもクリック1つで購入ページに誘導できるので売れるのも早く、このあたりは実演販売や生放送型のテレビ通販と似ていますね。
そして「深い」。メルマガは「低コストでばらまけるDM」ではなく、DM以上の幅広い活用方法があります。例えば、配信回数が多くできるので、接触頻度も高くなり、商品案内以外の雑談も書きやすいので、演出次第で店長や店舗への親近感・信頼感も育てやすいのです。さらに、読者から返信を募るなどすることで、アンケートや意見募集など、双方向の施策も極めて簡単に行えるのです。メルマガはツイッターやフェイスブックなどと比べると古めかしいツールではありますが、一般ユーザーへの浸透度はまだまだ圧倒的に高いのです。新しさではなく売り上げが目的ですから、やはりメルマガの配信は必須ですね。
メルマガは「狩猟」ではなく「農業」と心得る
最近「以前よりメルマガの効果が落ちた」という声をよく聞きます。確かに「狩猟」的なメルマガの効果は落ちています。数年前までのメルマガは、現金やブランドバッグなどの豪華懸賞で見込客(懸賞応募客)を集め、どの店舗のプレゼントに応募したかすら覚えていない読者に対して、一斉配信のメールをガンガン送って売り込む、まさに狩りをするような荒っぽい使い方が多かったものです。
しかし、世の中のメルマガ流通量が増え、スパムメールも氾濫している現在、このようなやり方はもはや通用しなくなっています。商品購入時にも、メルマガ購読のチェックマークを外し、最初から受信しないようにしているユーザーも増えています。
今や「好きなメルマガや読みたいメルマガしか開封しない」時代なのです。メルマガの役割は、売り上げよりも「読者との関係を築く」ためのものに変化してきているようです。そう、いわば「狩猟」から「農業」に移行しているのです。
「メルマガの効果が落ちた」という狩猟時代の人は、まず、配信対象が「リスト」ではなく「人間」だと再認識することが必要です。そして、送る相手は、懸賞に応募した人ではなく、「一度買っただけで店の名前もまだ覚えていない購入客」をイメージします。こういうお客さんに忘れられないように接触しつつ、メールを開封する癖をつけてもらい、店への興味をだんだん高め、「機会があれば購入しよう」という気持ちを持った「リピート予備軍」をたくさん育てるようなメルマガを配信していくのです。
メルマガの安さ・早さだけではなく、その「深さ」に着目し、丁寧に縁をつなぎ、読者を育てることを意識しましょう。
メルマガ施策は3段階で読者を育成する
はじめは興味のない読者を引き込んで育てていくメルマガ施策は、前述の通り、農業に似ています。ここでは、単発のメルマガではなく中長期的に見た場合の、メルマガの「考え方」を説明します。
まず、第1の段階では、地道に「種をまく」。読者を増やしつつ、開封される件名を付けて、読んでくれる人を増やしましょう。
次に第2段階として、読者への愛情を込め、押しつけすぎない程度に商品を案内しながら、気長に「育てる」。ここまでの工夫次第で、1回1回のメルマガでも売り上げは上がるようになるものですが、本当に成功体験が得られるのは、セールなどのイベント開催時です。
メルマガの読者をメインターゲットとして店舗内イベントを開催すると、それまでの育成が成功していれば、第3段階として爆発的な売り上げを「収穫」できるでしょう。ただ、農業と同じで、前の段階がうまくいっていなければ、当然次の段階には進めず、枯れてしまうものです。読んでもらうための土壌作りなど、最終的にリピート購入してもらうために、「メルマガを通していかにお店に愛着を持ってもらえるか」を常に意識して取り組みましょう。
具体的な手順については、次ページ以降で詳しく案内します。
こんにちは、著者の川村トモエです。
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