川村トモエ, 湯鳥ひよ+トレンド・プロ(マンガ) 2015/3/25 6:00
この記事は「マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営」の一部を、特別に公開しているものです。

登場キャラクター

たぬかわ君

たぬかわ君 おイモ専門の通販サイトを運営している。

きつねやま君

きつねやま君 メガネ専門の通販サイトを運営している。

たぬかわ君「なんかさー、リピーターが減っちゃったんだ何がいけなかったのかなぁ?」
きつねやま君「え!?」
たぬかわ君「メルマガサボってたから? そういえば同梱チラシも切らしちゃってたっけ……」
きつねやま君「明らかにそれが原因だよっ!!」
たぬかわ君「面倒なんだよね。そういうのしなくても勝手にリピーターが増える方法ないの? 言いふらさないからさこっそりボクだけに教えてよ」
きつねやま君「リピーターは勝手に増えたりしなああぁぁーい!! リピートはお客さんの心理を考えながら練った緻密な作戦があってこそ増えていくんだ! 手間をかけないとリピーターは増えないんだよ」
たぬかわ君「おイモ育てるのと一緒なんだ! それならそうと言ってよね!」
きつねやま君「あーそうそうイモと同じ同じ」

小さな店ほど忘れ去られる

ここでは、継続客(リピーター)の心理について説明します。

アマゾンで買い物することはありますか? メルマガが来なくても、「アマゾン」と検索してサイトに行きますよね。「記憶されている大型店」なら、この形でもリピートされます。

しかし、一度買っただけの小さい店は、すぐに忘れられてしまいます。何もしないと、忘却の彼方です。「新規購入客を増やせば、あとは勝手にリピートする」というのは、妄想。リピート率を調べてみれば、思った以上に少ない数字が出てきます。

だからメルマガなどによる追客が必要なんですが、店舗名を連呼しても覚えてはもらえません。お客さんにとっては「覚える必要がない」からです。逆に、そのお客さんにとって「覚えておきたい店」になれば、覚えてもらえるわけです

「記憶に残る店」になるには

商品を購入したあとのお客さんは、「自分はいい買い物をした」と思いたいもの。

例えば、あなたがいろいろな店を見比べ、野菜セットを買ったとします。しばらくたって、購入したお店から「自然農法が評価されて、テレビで取り上げられました」などというお知らせが来たら「やっぱり自分の判断は正しかった」「おいしかったし、またあそこで買おう」などと思うはずです。

その後、メルマガなどで「元気に育っている野菜の写真」や「その店を褒めている『お客さんの声』」などが継続的に届けば、時間とともに「やっぱりすごくいい店だ」と確信が深まります。

つまり、コツ37で解説した「メルマガ農業」です。業界裏話(コツ40)やお客さんの声(コツ43)などを通して、店舗コンセプト(コツ12)を実感してもらえれば、次第にそのお客さんに「おいしい野菜セットといえばこの店」と覚えてもらえるはずです。

きつねやま君「リピーターは勝手に増えたりしなああぁぁーい!!」
リピーターを増やすのは大変なもの。きつねやま君が思わず声を荒げてしまうのも無理はない。

「リピートのきっかけ」を作ろう

飲食店などで「いい店だったけど、その後、何となく行ってないなあ」という店はありませんか?

「いい店」と思ってもらうのは大切ですが、それだけではリピートの売り上げにはつながりません。リピートする「きっかけ」が必要です。

ここからは、「2種類のリピート」と、それぞれを促進する「きっかけ作り」の手順について説明します。

定期購入につながる「商品リピート」

「商品リピート」とは、同じ店で、いつも同じ商品をリピートするパターンです。「商品そのもの」を気に入っているリピーターが該当します。

商品リピートの典型パターン

典型的な商品は、化粧品やサプリメントなどの健康食品、米や調味料など常備するタイプの食品など。EC4タイプ理論(コツ4)で言うオリジナルタイプの店が多く該当します。

消耗品かつ生活必需品であれば、定期購入にもつながりやすく、うまくいけば安定した利益も見込めるはずです。

ただ、品質が似通っていて自店より安い店が登場すると、他店に乗り換えられてしまう可能性もあります。自分の店の「不満足要因」を洗い出し、継続的に改善する(コツ52)のも大切です。

ちなみに、耐久消費財でも「羽毛布団を買って気に入ったので、家族全員分購入」といった形で商品リピートすることもあります。

商品リピートを増やすには

単価の安い商品が多いので、「きっかけ」さえあればリピートを増やせます。典型的な方法は「今リピートすれば割引」というアプローチ

例えば、化粧水のトライアル商品を以前購入して、「気に入ったものの、日々の忙しさで本商品購入することを忘れていた」としましょう。

そんなときに、「トライアルをご利用いただいた方に、本商品20%OFFのご優待! 今月末まで」などと連絡が来れば、リピートのきっかけになります。詳しくはコツ49の「商品セグメント配信」で解説しています。

ききつねやま君「消耗品は定期購入になることも!」

お店を気に入る「店舗リピート」

もう1つの「店舗リピート」は、同じ店で「前とは別の商品」をリピートするパターンです。店の品揃え、センス、値ごろ感などに好印象を持っているのが前提です。

リピーターが増えると、お店からの提案でいろいろな商品を買ってくれるので、売り上げが安定します。

店舗リピートの典型パターン

食品は商品リピートの典型のように思えますが、スイーツのような嗜好品は、店舗リピートに該当します。「いろいろ食べ比べてみたい」という心理が働くからです。

また、洋服や家具などは「自分のセンスに合っていてコーディネートしやすい店」として覚えてもらえれば、「お気に入りの店」として認識してもらえるようになります。

背景として、「あの店なら、いいものがあるだろう」「ほかの商品も試してみたい」、あるいは「他店で失敗するのが怖いし、探すのも面倒」といったユーザー心理があります。

リピーターの中には、お店だけでなく「店長のファン」を公言するほど、愛着を持ってくれるケースもあります。こうなれば店長冥利に尽きますね。

店舗リピートを増やすには

店舗リピートを増やす場合も、「きっかけ」作りが重要です。典型的なリピート促進は「イベントのお知らせ」。ワインならボジョレーヌーボー、スイーツなら雛祭りなど、世間の動きに便乗したり、「シェフの新作試食会」などと店舗独自のイベントを企画して購入をすすめます。

イベントは手間がかかるので、しっかり年間計画を立てることをおすすめします。イベントの詳しい手順は、次のコツ46で解説します。

きつねやま君「店のファンになってくれるお客さんも!」

こんにちは、著者の川村トモエです。

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