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検索キーワードから消費者の「意図」を理解して売上を伸ばす方法

検索キーワードには消費者がカスタマージャーニーのどの段階にいるのか、サインが隠れています

Digital Commerce 360

2018年11月15日 7:00

カスタマージャーニーの初期段階では、消費者は「どれくらい」や「一番」という単語を使って検索する傾向があります。選択肢が狭まった段階では、「比較」や「利点」という単語を使います。「使い方」「買う」などの単語が出てきたら、もうすぐ購入するサインです。

検索ワードを利用して消費者の心情を特定し、その情報を使って、商品選択のなかで必要な時に彼らにアプローチできるとしたらどうでしょう?

複雑で、移ろいやすい消費者の商品選択を思い浮かべてみてください。彼らの気持ちがわかれば、必要とされているものを提供できます。

検索ワードに隠されている心理的な動機を調べることで、消費者の意図を理解し、広告主が求める消費者にアプローチできるようにするため、マイクロソフトはPerformics社とノースウェスタン大学とパートナーシップを結び、「インターネット・スコアリング・アルゴリズム」を作りました。

「インターネット・スコアリング・アルゴリズム」は、広告主のサイトにおけるすべての検索ワードを分析し、消費者の心理を特定するように設計されています。そのうえで、それぞれの消費者がカスタマージャーニーのどこに位置するのかを見極めます。

消費者はパーソナルな検索体験を求める

現在は、いつでもどこでも検索が可能です。同時に、検索はとてもパーソナルになっています。2012年に米国シンクタンクのPew researchは、消費者のプライバシーに対する考え方に関して調査を行いました。

当時は、ターゲティング広告を表示したり、より良い検索結果を表示したりするために検索エンジンが検索履歴を保存することに対して、問題ないと答えた消費者はわずか28%でした。しかし、5年後に行われた同様の調査では、問題ないとの回答が78%まで上昇しました。

74%の消費者が自分と関係のないサイトのコンテンツにイライラしていると報告されている事実を考えれば、納得のいく結果でしょう。

Bing Networkの調査では、56%の消費者がパーソナルな体験をさせてくれるブランドでもう一度購入したいと答えています。そしてその傾向は、若者の間で顕著です。25歳から34歳の若者の約66%が、パーソナルな経験が再購入につながると言っています。

技術の発展によって、消費者の購買行動が変わりますが、同時にカスタマーエクスペリエンスの期待値も変わります。約65%の消費者が、喜びを与えてくれるブランドを求め、51%が心情的なつながりのあるブランドとより関わるという結果も出ています。

検索から行動パターンを予測する

消費者の行動を予測してデジタルアシスタントを提供しているのは、Cortanaのような企業です。

現在、デジタルアシスタントは検索、メール、地図、カレンダーなどから情報を集め、分析、活用しています。消費者の行動パターンによって、何を欲しがりそうか予測を立てているのです。

デジタルアシスタントは、消費者が自分でリマンダーを設定しなくても、交通状況を考慮した外出時間や、大学でのアポの時間を教えてくれます。今度の記念日の贈り物のアイデアまで提案してくれるかもしれません。

検索が予測可能な性質を持つということは、検索が消費者の隠れた意図を掘り出せる行動インサイトだということです。

消費者は常に自分の意図について検索を通じて送っていますが、彼らの声を聞く方法を知っている広告主だけが、チャンスを捉えられるのです。

デジタル上での行動を通じて、消費者の意図や動機を探ることができるブランドは、関連性が高く、パーソナルな体験を提供できるでしょう。

検索キーワードを通じて消費者の意図を探る

Perfomics社とノースウェスタン大学が開発した「インターネット・スコアリング・アルゴリズム」は、購入に近づいたり離れたりする消費者の気持ちを掘り下げました。

カスタマージャーニーの初期段階では、消費者のニーズは抽象的で、彼らの探究心が強い傾向があります。購入に近づくにつれて、考えが具体的になっていくのです。購入段階に近づくと、価格や購入場所を調べます。

「インターネット・スコアリング・アルゴリズム」は、広告主が実際の検索ワードを利用して、消費者の気持ちや意図を理解し、広告主側の都合ではなく、消費者の都合に合わせて広告を出すことが可能だということを突き止めました。

消費者の気分が広告のテキストにマッチすれば、より詳しく知るために、広告をクリックする確率が高くなります

「どれくらい」や「一番」といった抽象的な単語を使っている消費者は、具体的な文言が書かれた広告よりも、より曖昧な文言の広告をクリックするでしょう。抽象的な検索を行うと同時に、消費者はブランドや小売事業者が提供するコンテンツよりも、サードパーティが提供するチュートリアルのようなコンテンツをクリックする傾向があります。

何が欲しいのか具体的になったら、検索ワードも「最高の」や「トップの」といったように少しだけ具体的になりますが、まだ検討段階にとどまっています。

「比較する」「利点」「欠点」「優位性」などの単語がではじめると、実際の商品比較や評価が始まった証拠です。この段階の消費者は、利便性やレビュー、レーティングが見たいのです。

最後、購入に近づくと、考え方も具体的になります。価格や購入場所を探し、「使い方」や「買う」といった単語を使い始めます。この段階では、簡単で効率的に情報を知りたいと思っているのです。

検索はカスタマージャーニーのすべての段階で行われている

今の検索連動型広告は購入意欲のある消費者に焦点を当てています。カスタマージャーニーの最後、購入直前の消費者に注力しているのです。

しかし、消費者はカスタマージャーニーのすべての段階で検索しています。ですから、検索エンジンと広告主が一緒になってより強固な検索エクスペリエンスを作れるよう、努力をすることが大切なのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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