Digital Commerce 360 2018/11/22 7:00

Amazon(アマゾン)で商品を検索すると、ファーストビューで目にするのは広告ばかり、という状況になりつつある今、アマゾンでの広告戦略がますます重要になっています。グーグルとアマゾンでは、検索広告のメニューが異なります。アマゾンの広告で競合を出し抜くために、5つのアドバイスをまとめました。

アマゾンでの競争は、厳しいだけではなく、大変複雑です。最適な検索キーワードや自動入札システムを使わなければ、検索に引っかからないか、関係のないキーワードのクリックに多額のお金を払うことになるかのどちらかです。いずれにしても、広告費の無駄になってしまいます。

アマゾンには、他のプラットフォームにはないものがあります。それは、何十億もの購買データです。広告業界メディアのAd Ageは、アマゾンの広告収入は22億ドルを上回り、今年の終わりには50億ドルに達するだろうと予測しています。

これは偶然の出来事ではありません。どんな商品でもいいので、アマゾンで検索してみてください。ファーストビューに表示される商品のほぼすべてが広告商品です。アマゾンの将来は広告にかかっています。アマゾンで将来にわたってビジネスを成功させたいのであれば、アマゾンの広告プラットフォームを正しく活用する必要があります。

ほとんどの商品カテゴリーのファーストビューを広告が占めている(編注:編集部がAmazonの画面をキャプチャし追加)

ブランドがアマゾンの広告で勘違いしていること

誤ったキーワードやマッチタイプに入札すると、商品にまったく興味がない消費者にアピールしてしまいます。ROIが下がり、平均売上原価が上がり、的外れな検索キーワードでの流入を増やしてしまいます。

すべてのキーワードに入札できて、アマゾンのAPIを使ってリアルタイムで自動入札できるような、資金が潤沢にある企業はほんの一部です。結果的に、そのような戦術が使える規模の大きな企業が、広告表示においてより高い関連性を手にいれることができます。関連性が広告配置(入札金額よりも重要な要素)を大きく左右するため、関係のないキーワードにリソースを割くと、複合的な損失につながります。

分析結果に基づいてアマゾン内での高度な広告戦略を作り、検索ワードアイソレーション(編注:完全・部分一致、除外などのワード単位の入札管理)など、正しい検索ワード広告に予算を割り振らなければ、コンバージョンを上げることはできません。

たとえば、「Tシャツ」に入札しているブランドが、「犬用のTシャツ」を対象外にしていない場合、他社のTシャツがクリックされた場合でも費用が発生します。このような事態を起こさないためには、アマゾンのシステムがグーグルほど柔軟ではないことを理解する必要があります。

間違った時期に多くの予算を使うのも無駄ですが、正しい時期にお金をケチるのは機会損失になります。リアルタイムで大規模に検索キーワードを自動分析する技術を持ち合わせていなければ、アマゾン内で大きな競合たちとは戦えないでしょう。

アマゾンでの広告戦略を立て直す5つの方法

1. 検索ワードアイソレーションを活用する

検索ワードアイソレーションを使えば、アマゾンでの広告管理を再構築することができます。キーワードは検索ワードとは異なります。キーワードは検索ワードの集合体で、関係のない数千の商品の検索結果を生み出してしまいます。誤ったキーワードやマッチタイプに入札するよりも、売り上げにつながる実際の検索ワードに集中し、正確な入札ができるようにしましょう。

2. 自動入札管理ツールを利用する

Prestozonや、SellerLab社のIgnite、Teikametricsのような自動入札ツールを使って広告を管理し、最適なキーワードのインプレッションを逃さないようにしましょう。そうすれば、売上原価を最適化し、キーワードの活用も改良されるでしょう。

3. ネガティブなキーワードも組み込む

自動入札技術を駆使して、検索ワードのレポートを収集し、購買につながらないワードを見つけましょう。そして、広告キャンペーンにネガティブキーワードとして追加しましょう。そうすれば、収益につながらないクリックへの無駄な出費がなくなり、売上原価が下がるため、購入につながるキーワードや売り上げアップのために予算を使うことが可能になります。

4.複数の広告を掛け合わせてトラフィックを増やす

アマゾンのトラフィックは、グーグルとは異なります。アマゾンでは、商品の日ごとの売り上げが増えるにつれ、ランキングが上がるのです。DSPを含む、アマゾンのすべての広告メニューを活用して、トラフィックを促しましょう。そうすれば、商品のリスティングやベストセラーランキングでも効果が期待できます。

5. 商品詳細ページがアマゾンのガイドラインに沿っているか確認する

商品詳細ページがアマゾンのガイドラインに沿っていない場合、コンバージョンで苦しむことになります(商品紹介コンテンツのガイドライン)。

コンバージョン率を高めるためにページを作る際、説得力のあるビジュアルを使用し、検索にインデックスされない説明部分を少なくしましょう。高いコンバージョンを保つために、すべてのページがアマゾンのルールに沿っているか見直してください。さらにグーグルを使ってリサーチし、競合の動きを確かめることも大変重要です。

◇◇◇

アマゾンは広告媒体としての力をさらに伸ばしていくでしょう。そうなれば、アマゾンで販売しているブランドは、アマゾンでのゲームのルールを学ばざるを得ません。上記の方法を取り入れて、自社の戦略を見直し、キーワードで競合を出し抜きましょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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