消費者の5割超が接客やサポートなどのコミュニケーション体験がきっかけで“ファン”になる

コミュニケーション体験によって、特定企業・ブランドのファンとなった好意的な評価がクチコミの形で広まると、他の消費者の購買行動にも良い影響を及ぼす。逆に、不満を持った消費者が広めた悪評は、他の消費者が比較・検討時にその商品を購入候補から除外する原因になるとしている

石居 岳

2019年12月2日 10:00

トランスコスモスのAI研究所である「Communication Science Lab(コミュニケーションサイエンスラボ)」は11月26日、「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2019」を発、消費者の56%が接客やサポートなどのコミュニケーション体験がきっかけで特定の企業・ブランドの“ファン”になるとしている。

コミュニケーション体験によって、特定企業・ブランドのファンとなった好意的な評価がクチコミの形で広まると、他の消費者の購買行動にも良い影響を及ぼす。逆に、不満を持った消費者が広めた悪評は、他の消費者が比較・検討時にその商品を購入候補から除外する原因になるとしている。

ファンを生み出す優良顧客育成地図(トランスコスモスの特設サイトからキャプチャ)

このほか、消費者が興味・関心ごとを情報収集する際の情報源として、インターネットの利用率(82%)はテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4マスの利用率(77%)よりも高く、家族・知人(44%)やSNS(41%)などクチコミの影響力も大きい。

また、消費者の72%が新たな商品の購入に先立ち、店舗やWebを使って知らない商品の情報も積極的に収集・検索している。

さらに、消費者の84%は、商品選びの比較・検討時に誰かに相談する。その方法としてSNS(60%)や知人(56%)を頼る人が多く、「自分に合ったアドバイス」「公正な選定基準」「アフターサポートの情報」を重視している。

消費者が最終的に購入を決定する際には、品質や価格だけではなく、クチコミ(35%)や企業とのコミュニケーション体験(33%)も決め手になるという。

「Communication Science Lab」は2017年9月、消費者と企業の「対話」を科学することを目的にトランスコスモス社内のAI研究所として設立した。AI・ロボティクスなどの先端技術や機械学習・自然言語処理などを活用した次世代コミュニケーションの社会実装に向け、実証実験や産学共同研究、自社独自の特化型AI開発や人材育成を推進している。

4年目となる「消費者と企業のコミュニケーション実態調査」は、経年で実施している通常の調査結果の解説に加え、過去の調査結果と継続性を保ちつつ、新たなテーマとして、消費者が企業・商品を認知し、比較検討の結果、購入を決定し、リピーターやファンになり、クチコミを拡散するまでのプロセスを、独自の視点を加えつつ数値で可視化し「優良顧客育成地図」としてまとめた。模式図化した「優良顧客育成地図」を特設サイトで公開している。

調査概要

  • 調査企画:トランスコスモス Communication Science Lab
  • 調査時期:2019年8月~9月
  • 調査方法:インターネットモニター調査
  • 総設問数:全60問
  • 調査対象:直近6か月間のうちに企業とコミュニケーション経験がある男女
  • 有効回答:3097件
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