BtoBtoC-ECで「売り上げは美容室に計上」「商慣習を維持」、美容室専売品を直販するミルボンのネット通販とは
ミルボンは6月1日から、美容室で販売しているシャンプーやトリートメントオイルなどのヘアケア用品を、ミルボン公式オンライストア「milbon:iD」で販売する取り組みを始めた。
ビジネスモデルはBtoBtoC-EC。「milbon:iD」にプラットフォーム機能を取り入れ、美容室がECサイトを開設、専売品を消費者に販売する仕組み。売り上げは美容室に計上する。
サイトの運営や受注、物流業務をミルボンが受託する。
ミルボンがBtoBtoC-ECを行う理由
ミルボンの調査によると、美容室でヘアケア用品を購入したことがあるユーザーの約60%がリピート購入しないという。リピート購入しない理由のうち、約30%が「美容室に買いに行くのが面倒」と回答した。
美容室専売品であるミルボンの商品は、美容室に足を運ばなければ購入できない。BtoBtoC-ECのスタートにより、商慣習を維持しつつ、消費者は美容室に足を運ばなくても専売品を購入できるようにした。
新型コロナウイルスの影響による特例措置への反響も
新型コロナウイルスの影響により美容室への来店が難しくなったユーザーから、ヘアケア用品の通販に関する相談が多く寄せられた。
一定の条件を満たす場合は特例として商品を自宅に配送していたが相談件数は4月22日以降、約1か月で1,000件にものぼった(ミルボンお問い合わせ窓口集計)。
今回のサービス開始に際し、ミルボンは以下のようにコメントしている。
「milbon:iD」はBtoBtoCのECの形です。信頼性・利便性の高い美容室専売品の購入環境を整備することで、リピート促進から専売品購入客比率を上昇させ、美容室の生産性向上に寄与、市場の成長を目指したいと考えております。
今後は2023年までにECの売り上げ18億円、登録店舗数8,000店舗、EC化率(EC対象ブランドで、業務品を除く美容室専売品の売上合計の内のEC化率)15%の達成をめざします。
ミルボンのオンライストアは2019年9月1日にスタート。現在はコーセーと業務提携して開発した化粧品ブランドを販売している。「milbon:iD」サービスのリリースにあわせて、購入できる商品を追加した。
BtoBtoC-ECの「milbon:iD」とは
「milbon:iD」は、美容室が「milbon:iD」というオンラインプラットフォーム上にオンラインストアを開設し、ユーザーに商品を販売する仕組み。
ユーザーは美容室から発行される専用のQRコードをつかって必要情報を登録すると、「milbon:iD」で商品を購入できる。
登録に際し、ユーザーはミルボンの商品を取り扱っている美容室で対面カウンセリングを受ける必要がある。
美容室の売り上げになる仕組み
「ユーザーが利用している美容室から商品を購入する」という仕組みのため、美容室側で販売を管理、売り上げは美容室に計上する。販売価格は各美容室が自由に設定することが可能。
売上代金は決済代行会社を通じて美容室に入金する。サイトの運営や受注処理、発送業務をミルボンが行うため、美容室は物流業務の手間がかからない。
ユーザーのメリットは
ユーザーは美容室に来店しなくても商品を購入することが可能。オンラインサイトでの購入のため、重い商品を持ち帰る負担がない。
「milbon:iD」では購入履歴や、商品のお気に入り登録などの機能を使用可能。購入履歴は美容室が全て管理するため、次回来店時に適切なアフターフォローを受けられる。