瀧川 正実, 石居 岳 2020/9/14 9:00
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新型コロナウイルス感染症拡大で新規のECビジネス立ち上げによる物流アウトソーシング、配送量増加による物流移転を検討している企業が増えている。そんな通販・EC事業者に提案したい物流代行企業が清長だ。モバイルアクセサリーのネット・モバイル通販のHamee(ハミィ)などをクライアントに持ち、品質の高さなどで定評がある

そんな清長は9月から、コミュニケーションを通じ、クライアントとの間で日々発生するやり取りや課題を解決する専用アプリの提供をスタート複数の配送事業者によるタリフ(運賃体系)を事前登録し自動梱包機を使って最適な出荷手段を自動選定することにより、配送コストの最適化を実現する新しい物流代行サービスも始めた。新型コロナ禍で攻めの通販物流を進める清長の朝比奈大輔取締役兼物流事業本部本部長、日朝健一営業部部長に「物流サービスの特徴」「新サービスの内容」を聞いた。写真:吉田浩章

物流アウトソーシングを手掛ける清長の物流センター
取材は千葉県・柏市の物流センターで実施。千葉県柏市・野田市、茨城県つくばみらい市を拠点に物流センター(約1万坪)を全8センター運営している

コロナ禍でもクライアントの荷動きは堅調

新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う店舗営業の自粛が続く中、ECサイトで商品を購入する消費者が増加。こうした消費行動は、EC事業者の物流支援を担う通販物流代行事業者にも波及している。

清長では新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕在化する中、クライアントの荷動きは4月、5月、6月とも堅調に推移新規クライアント候補からの問い合わせも頻繁に寄せられているという。

なかでも生活雑貨やディスプレー、音響機器などを取り扱うEC事業者からの問い合わせが急増。BtoB事業者によるBtoCへの参入などBtoB-ECからの引き合いも増えている。

宅配便料金の値上げに関する相談も多いが、従前のように委託配送先を1社に集約し、発送量によるスケールメリットで単価交渉を行うことが業界内では難しくなってきている。これはEC事業者のみならず、清長のような通販物流代行事業者においても同じような立場に置かれつつある。

コロナ禍の状況を踏まえ、通販・EC市場は今後、激化していくと想像している。大手メーカーが直接BtoCをスタートするなど、新規EC参入の企業が増加。EC市場の激化により、小売りを手がけていた既存のEC事業者にとって厳しい状況が生まれる可能性がある。(取締役兼物流事業本部・朝比奈大輔本部長)

清長の取締役兼物流事業本部・朝比奈大輔本部長
清長の取締役兼物流事業本部・朝比奈大輔本部長

こう考える朝比奈氏は、厳しい競争環境を勝ち抜くための1つに通販・EC物流の活用をあげる「配送コストの最適化」「省人化による生産性向上」「品質の高さ」――勝ち抜くために求められるさまざまな通販・EC事業者の要求に応える“物流力”清長は、さまざまな業種・業態の要望に応えるカスタマイズオーダーメイドを主軸としており、こうした企業のニーズに応える物流代行サービスを提供できるという。

企業の要望に応えるカスタマイズとオーダーメイド物流

清長の物流代行サービスの特長は、クライアントである通販・EC事業者の取扱商品や事業規模、個々の要望に合わせて、物流サービスをカスタマイズするような保管や発送の体制、付加サービスを提供していること。清長では、このような柔軟なサービス提供の体制を、カスタマイズとオーダーメイドを組み合わせた「カスタメイド物流」と呼ぶ。

清長 企業の要望に応えるカスタマイズとオーダーメイド物流が特長
HPでもカスタマイズ力を全面に打ち出している

通販・EC事業者の要望に応じるためのさまざまな付帯作業に対応し、一度、物流代行で清長と契約を締結すると、クライアントはなかなか解約しない“長期的な関係性”が強みとなっている。

EC事業者から見ると、物流代行サービスは基本的に、どの発送代行会社も似たようなサービスメニューに見える。商品の保管、出荷、返品対応、ラッピングといったサービスメニューに加え、ささげ(撮影・採寸・原稿書き)業務、受注対応などだ。

定温保管、冷凍・冷蔵保管といった食品EC向けサービスを用意する物流代行企業もあるが、一般的にはサービスメニューが画一的に見えるだけに、通販・EC事業者はコストメリットを追求しがちになる。しかし、通販・EC物流代行事業者の中で比較的クライアント数を多数抱えている物流代行会社は、“コストは二の次”という考えを重視する傾向がある

清長の物流倉庫では「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5Sを徹底している。フロア内は徹底的に清掃され、すれ違うスタッフからは「こんにちは」という挨拶が飛び交った
清長の物流倉庫では「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5Sを徹底している。フロア内は徹底的に清掃され、すれ違うスタッフからは「こんにちは」という挨拶が飛び交った

清長の物流サービスは単に物流代行業務を提供するだけではない。通販・EC事業者の将来的な成長ビジョンや事業規模、方向性などもヒアリングし、適宜、必要な意見を言う。コンサルティングに近い物流代行サービスと言える。

たとえば、現在5人で手がけている作業は、こうすれば3人にできるので省人化を図りましょうと助言する。3人体制による費用対効果を具体的な推移値を算出して提出。そして、数年後の売上成長をシミュレーションする。コンサルティングとまでは言えませんが、物流アウトソーシングに加えた、内部コンサルのようなお話は常に行っている。(営業部・日朝健一部長)

清長の営業部・日朝健一部長
営業部・日朝健一部長

10年を超えるHameeとの長期契約、右肩上がりで拡大する受託規模

こうした営業手法が、他の物流会社とのコンペの際に、1つの強みとなって新規契約の実現につながっているという。同時に、乗り換え案件が比較的激しい通販・EC物流支援業務において、長期間にわたる契約期間の維持という実績につながっているようだ。

その代表的なクライアントの1社がスマホグッズのECや、EC向け一元管理システムを提供している上場企業Hamee(ハミィ)との長期にわたる物流契約にも現れている。

清長は現在、Hameeが取り扱うスマホグッズECというBtoC向けの物流、量販店などにスマホグッズを供給するBtoB向け物流の双方を受託している。Hameeとの取引は清長が物流代行業務を手がけ始めた14~15年前からの長期継続。清長によると、Hameeとの取引開始当初は、倉庫内の約20坪のスペースをHamee専用として使用していた。それが、現在では約1700坪の規模まで拡大している。

Hameeの全社売上高の推移(ネクストエンジンなどEC以外の売り上げを含んでいる、画像はHameeのIR資料からキャプチャ)
Hameeの全社売上高の推移(ネクストエンジンなどEC以外の売り上げを含んでいる、画像はHameeのIR資料からキャプチャ)

Hameeは上場企業でありながら、物流専門部署を社内に置いていない。商品卸を手がけている部門やECで小売りを手がけている部門、商品管理を手がけている部門はそれぞれあるが、その各部門からの意見を清長が集約、各部署の要望に応じた物流サービスを提供しているわけだ。

(物流部門の担当はいなくても)各部門の担当者はいるので、常にやり取りしている。Hameeさんの場合、基本的には販売する部隊の方ばかりなので、その方たちと清長は情報を共有。在庫に関しては海外からの輸入品が多いので、入荷のスケジュールとコントロールについて商品部の方たちと行っている。販売部隊と都度お話をしながら調整し、われわれはHameeの物流部門という立場で各部署と調整している。(日朝部長)

Hameeは現在、全棟借りで物流フロアを活用。20坪のスペースから現在は約1700坪。その成長を陰で清長が支えてきた
Hameeは現在、全棟借りで物流フロアを活用。20坪のスペースから現在は約1700坪。その成長を陰で清長が支えてきた

清長のサービスメニューとEC事業者の課題を解決する新サービス

清長は通販・EC事業者の事業規模によって、「ロジモプロ」と「ロジプレミアム」という物流サービスを提供している

「ロジモプロ」は発送件数の少ない通販・EC事業者をターゲットとしたもので、1日1件の出荷にも対応「ロジプレミアム」は月間出荷件数が1000件以上の通販・EC事業者に対応している。両サービスともクライアントの業種などは絞っていないが、現状は常温倉庫での保管に限定しており、冷凍・冷蔵保管には対応していない。

こうした清長が、9月から新たなサービスの提供を始めた。そのサービスは、通販・EC企業の物流担当とのコミュニケーション不足によるミスなどを事前に防ぐための専用アプリ。そして、梱包サイズや配送先に応じた最適な配送キャリアを選定し、送料を最適化するサービスだ。

清長の物流倉庫 「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5Sを徹底している清長。5Sの活動目的は「お客様から信頼される会社になるため」「無駄がない業務運営を実現する」「豊かな人材と職場環境を育む」という目的がある
「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5Sを徹底している清長。5Sの活動目的は「お客様から信頼される会社になるため」「無駄がない業務運営を実現する」「豊かな人材と職場環境を育む」という目的がある

クライアントとのコミュニケーションミスを解消する専用アプリ

クライアントであるEC事業者と「手軽に」「簡単に」「いつでも確認できる」コミュニケーションツールとして専用アプリケーションを開発した。

普段、電話やメールでやり取りしている内容をアプリ内に集約、チャットのような仕組みでクライアントとのやり取りをログで残すようにする仕組み。タスク管理を専用画面上でできるようにしたり、発送キャンセルの依頼もアプリ内で行える。

清長が新たに導入したコミュニケーションミスを解消する専用アプリの概要
コミュニケーションミスを解消する専用アプリの概要

倉庫管理システム(WMS)とも連携し、WMSを経由した出荷ステータスの確認、不稼働在庫の集計をクライアントに提供することもできる。コミュニケーションツールに加え、業務に必要とされるさまざまなサービスをアプリに集約。通販・EC事業者の物流管理を効率化する

これまで、一部の希望するクライアントに対し、不動在庫をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で集計したデータの提供を行うなど、個別対応は行っていた。

今回、情報アプリの提供に踏み切るのは、清長の担当者とクライアントの担当者がやり取りを“見える化”し、物流管理に関する業務を双方で効率化するため。やり取りの内容がクライアント側に伝わらず、担当者レベルで止まり同じような質問や問い合わせが他部門や他の担当から寄せられたりする事象を軽減。クライアント側との情報共有を徹底できる仕組みを構築したいと考えたからだ。

清長が新たに導入したコミュニケーションミスを解消する専用アプリ
清長が独自開発した専用アプリのイメージ(※イメージ画像となりますので、実際のアプリ画面とは異なります)

配送料金を最適化したい――に応える新物流サービス

配送料金の最適化はどの通販・EC事業者も抱える課題。清長はこうしたニーズに応えるため、自動梱包機を物流センター内に導入。最適な価格で配送できる配達地帯、梱包サイズがわかるように機械へ情報を事前インプットし、適切な出荷手段を選べるサービスを始めた

清長が新たに導入した自動梱包機。作業の生産性向上、省人化に大きく貢献している
清長が新たに導入した自動梱包機。作業の生産性向上、省人化に大きく貢献している

出荷依頼は従来、清長は佐川急便だけだった。今回、複数の委託先を用意し、クライアントにとって最適な発送体制を構築できるようにした。サービス名は「宅配マルチチャネル」。

マルチチャネルによる配送体制は9月1日から稼働した。複数の配送業者の情報を集めて、集荷時間帯も区切って機械にインプット。クライアントから、どの配送会社で出荷しても良いというデータさえもらえれば、清長が適宜、地帯とサイズで一番効率的の良い配送方法を自動選択し、最適な配送キャリアに出荷できるようにする。(朝比奈取締役)

自動梱包機の導入は清長の省人化・生産性向上にも寄与している。最低労働賃金の影響で、物流センターに従事するパート・アルバイトの時給は数十円単位の値上げが余儀なくされている。そのコスト負担はクライアントが物流代行会社に支払う料金にも反映されているのが実情だ。

自動梱包機の導入によって省人化・生産性向上を実現。梱包サイズを従来からワンサイズ下げられるようなケースがあるなど、メリットが出始めている

梱包作業を効率化・省人化する清長の自動梱包機

現在、自社で物流業務に対応しているEC事業者に関しては、物流アウトソーシングを強くお勧めしたい。これから競争の激化が予想されるEC業界の中で、EC事業者は販売力や商品力を高めていくことに注力し、全社をあげて差別化に取り組むべき状況になる。物流部分はプロに任せ、注力すべき企画や販売面に注力し、通販・EC事業者は攻めてもらう。ぜひ、物流アウトソーシングで迷っている事業者さんは、清長にお声がけいただきたい。(朝比奈取締役)

清長の日朝氏(写真左)と朝比奈取締役は「物流アウトソーシングで迷われたらまずはお声がけください」と言う
清長の日朝氏(写真左)と朝比奈取締役は「物流アウトソーシングで迷われたらまずはお声がけください」と言う
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