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ECプラットフォーム「Shopify」の日本法人Shopify Japanは9月29日、日本市場向けの新サービスを発表。実店舗とECサイトの在庫や売り上げを一元管理できるPOS機能、決済サービスの拡充、「BASE」から「Shopify」への移行ツール、フリーランス向けの教育プログラムの提供などを順次開始する。「Shopify」の現状を紹介した日本カントリー・マネージャー Mark Wang(マーク・ワング)氏のプレゼン内容と合わせて新サービスをまとめた。

数値で見る「Shopify」の現状

現在、「Shopify」を利用する事業者はグローバルで100万以上。2020年上期の流通総額は約5兆円

グローバルで見た場合の各種数値(画像:記者発表資料から編集部がキャプチャ)

2019年の年間流通総額は前年比48.7%増となる6兆6,060億円「2019年だけで3億人以上がShopifyで何らかの買い物をした」とワング氏は明かす。

世界的に成長を続けてる「Shopify」だが、特に伸びが顕著なのが南米とアジア。それぞれ2019年の「Shopify」利用事業者の成長率は、前年比で南米が136%増、アジアが66%増となっている。

2019年の事業者の成長率(画像:記者発表資料から編集部がキャプチャ)

なかでも「日本は『Shopify』の成長が加速中」とワング氏が言うように、2020年上半期の新規ストア開設数は前年同期比175%増。「Shopify」を利用する事業者の2020年第1四半期の売上高は前年同期比242%増。「同期間のグローバルマーチャントは46%増の伸び率だった」(ワング氏)ため、日本市場がいかに堅調に推移しているかが分かる。

過去12か月の間には、「オリオンビール」や「タンスのゲン」といった主要プレイヤーも「Shopify」の利用を開始した。

過去12か月の間にShopifyを利用してECサイトを開設した事業者例(画像:記者発表資料から編集部がキャプチャ)

好調な日本市場でさらにEC事業者の利便性を追求するため、9月29日に複数の新サービスを発表した。

実店舗とECを連携する「Shopify POS」

これまでにも増して小売り事業者はデジタル化、オンラインとオフラインの統合の必要性に迫られているが、まさに「Shopify POS」がそれを可能にしていく。日本事業者のためにカスタマイズした。

ワング氏が自信を持って冒頭で紹介したのが「Shopify POS」だ。

「Shopify POS」の専用アプリを使えば、実店舗やポップアップショップとECサイトを連携。在庫や売り上げを一元管理できる。商品検索、注文処理、支払い回収、レシート発行といった業務運用をタブレットなどモバイル機器で行うことも可能となる。

特徴は「日本の事業者の間でニーズが大きかった」(ワング氏)という「ロイヤルティポイント」だ。実店舗を所有する「Shopify POS」利用事業者は、Lunaris社が開発したPOS連携ポイントアプリ「EasyPoints」を利用することで、オフラインとオンラインのポイントを統合できる。

プランは無料で利用できる「Shopifi POS Lite」と、月額89ドルの「Shopifi POS Pro」の2種類。有償版では、スタッフごとの売上管理や「BOPIS」の受取機能などが利用できる。

実店舗とECを連携する「Shopify POS」
Shopify POSの特徴(画像:Shopifyのサイトから編集部がキャプチャ)

JCB、PayPayに対応し決済サービスを拡充

決済サービスを拡充し、新たに「JCB」と「PayPay」への対応を開始すると発表した。

Shopifyが提供するオンライン決済サービス「Shopifyペイメント」ではこれまで、クレジットカードは「Visa」「マスターカード」「アメリカン・エキスプレス」に対応。ID決済はGoogleとAppleのID決済サービス「Google Pay」「Apple Pay」などと連携できていた。

日本の事業者からニーズの高かった「JCB」に対応。JCBに関しては新規の事業主は「すぐに対応可」、既存の「Shopify」事業者は「10月中より順次展開」とする。「PayPay」はすぐに利用できる。

「BASE」からの移行をスムーズに行うツール提供

海外では 「WooCommerce」や「Squarespace」からの移行を簡単にするツールを提供してきたが、日本でも他社サービスからの移行をスムーズに行える仕組みを整えた。

発表したのは、「BASE」を利用している事業者が既存のEC サイトから商品情報、カテゴリー情報、注文情報を簡単に移行するためのツール。このツールを使用することで、技術的な知識や追加のリソースを必要とすることなく、データ移行が実現するという。

Shopify Japanパートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏は、従来の課題として、「ストア移行時の手間」をあげる。

移行に必要な情報を既存のECサイトからCSVでダウンロードするが、その際新しいストアのフォーマットに合わせて手作業でカスタマイズする必要がある。そのカスタマイズが非常に手間で、ITリテラシーが高い方でも丸一日以上かかってしまい、ここで移行を挫折する方も多い。最近では多くのマーチャントが「BASE」から「Shopify」に移行しているが、エンジニアを抱えていないために、移行作業で苦労している方も多い。(徳満氏)

同ツールを利用すれば、1時間程度で情報の移行でき、コストも抑えられるという。ワング氏は利用の目安として以下のように説明する。

月の売り上げが12万円を超えると「Shopify」がもっともコストを抑えられるコトがわかっている。(ワング氏)

コスト抑制をShopify利用のメリットにあげる(画像:記者発表資料から編集部がキャプチャ)

「Fulfillment by ZOZO」との連携

Shopifyエキスパートの1社であるコロニーインタラクティブが提供する「Shopify」APIを活用したカスタマイズ機能を使うと、事業者は「ZOZOTOWN」と自社EC サイトでの受注・在庫・出荷をシームレスに管理することが可能になった。

また既存の「ZOZOTOWN」出店事業者であれば、「Shopify」でECサイトを構築する場合、在庫や出荷の一元管理により、スピーディにサイト構築ができるという。

「Shopify」は起業家を支援することをミッションにしているが、マーチャントだけでなく、マーチャントを支援する弊社のパートナーも起業家と考えている。それが「Shopify」のコミュニティとなりビジネスを成長させるドライバーとなっている。(Shopify Japan パートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏)

人材育成プログラムの提供と仕事機会を創出 

コロナ禍で、ECサイト開設を始め急速なオンラインシフトが求められているものの、中小企業やスタートアップ、地方企業では必要なリソースを確保できないなど、DX推進が進みにくいという実状がある。

こうした課題解決に向け、 ビジネスのオンラインマッチングプラットフォームを提供する「ランサーズ」、EC支援事業などを行う「フラクタ」と連携する。

ランサーズ登録のフリーランスに対して、フラクタが開発した教育プログラムを提供。「Shopify」を活用した ECサイトの構築から導入支援、運用、アプリケーション開発を行える人材を育成する。

提供するプログラムは以下の通り。

  • 初級編:通常一般企業・個人向けに公開している Shopify Japanのパートナー養成プログラム「Shopify Partner Boot Camp」をランサーズ登録のフリーランスに提供
  • 実践編:「Shopify」公式パートナーとして運用ノウハウを持つフラクタが開発した教育プログラムをフリーランス向けに提供

また研修プログラムを修了したフリーランスの「Lancers」のプロフィールページには、「Shopify」に関する仕事の依頼を受けやすいようバッジを表示。その他、ランサーズ社内の専任担当者が「Shopify」利用者や利用を検討している企業をするなどして、実際の案件を創出する機会提供も行っていく

各種新サービスを発表した、日本カントリー・マネージャー マーク・ワング氏(画像:Shopify Japan提供)

オンデマンド学習講座スタート

EC人材育成を目的に、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)と、東京フリーランス合同会社のそれぞれがオンデマンド学習講座を開始する。

ウェブ解析士協会

「Shopify」のオンデマンド学習講座を、9月末から公開予定。座学や演習を通して、基礎編から実践編まで幅広く学ベるコンテンツを展開。

東京フリーランス合同会社(デイトラ)

東京フリーランス合同会社が運営するオンラインスクール「デイトラ」で、「Shopify」ストア構築講座、デイトラ「Shopifyコース」を9月末に公開を予定。「Shopify」を用いたECサイト設事業を行いたい事業者に向け、利用方法から営業、広告運用の方法までを10日間で学ぶコースを展開する。

完全オンライン制で、「Shopify」実務経験者による60日間の質問サポートや、受講生専用チャットコミュニティへの招待もあるという。

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公文 紫都

ネットショップ担当者フォーラム編集部

公文 紫都(Shizu Kumon)

通販・EC業界専門紙記者、ITベンチャー勤務を経て2012年に独立。8年間フリーでライターをした後、2020年4月からネットショップ担当者フォーラム編集部に在籍。4年間NYで暮らしていた経験を生かし、海外の展示会取材なども積極的に行っている。猫派。@shidu

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